成人した子どもと母親との関係~娘とその彼の関係を受け入れられない~

上手に子離れし、親の側も自分の人生を歩んでいくには、自分の存在価値を子ども以外の場所で持つ必要

親にとって子どもはいつまでも子どもであることには、違いありません。
ですが、成人すると子どもの側もまた、大人になり自分の価値観で人生を歩んでいくことになります。
そんなとき、親の側が子どもが離れていくこと、そして自分と違う価値観を持っていることが受け入れられないでいると、関係性が悪くなってしまいます。
上手に子離れし、親の側も自分の人生を歩んでいくには、自分の存在価値を子ども以外の場所で持つ必要があるのです。

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◎リクエストを頂きました◎
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娘とその彼氏の関係を心から受け入れられない。
25歳の娘とは離婚以来2人で13年間苦楽を共にしてきました。
娘は以前から自立して一人暮らししたいと言っていましたが、付き合い始めてすぐの彼と事後報告で暮らし始めました。
自立出来るまで貯金する、正社員になると言う目標も達成しないまま、私と口論になりましたが、結局は彼女の自己決定、自己責任と、私は自分自身に言い聞かせて付き合いを認めた形になりました。
しかしその彼は娘と出会う前から母親と兄とで家を購入してローンを払い住む約束をしており、実際に娘との同居と前後して家を建て始めました。
彼の母親も離婚しています。
息子2人を手放さず一緒に暮らそうとする母親やそれを望む彼氏にも私は反発を覚えます。彼氏は悪い青年ではないのですが、私は娘が彼氏を伴い訪れる事や、うちの家族の行事に当然のように参加することに不快感を隠せません。執着心を手放して楽に、幸せになりたいのにうまく行きません。
(一部、頂いた内容を編集させていただきました)
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リクエストありがとうございます。
今回、担当させていただく大門昌代です。どうぞ、よろしくお願いします。

個別のご相談案件というわけではなく、成人した娘と母親との癒着ということで、心理学講座では書かせていただこうと思います。
親子というのは、癒着するものだと思っていただけるといいですね。
特に母親と子供というのは、癒着するものです。

癒着というのは、自分と相手の境目が明確でなくなっている状態のことです。
親子は癒着するものと言っても、お互いにそのままですと自由がなくなります。
ですから、とても苦しい関係性になってしまいます。
子どもが思春期を迎えるころに、反抗期がありますが、この反抗期に子どもは親を嫌って癒着を切って、自立していこうとします。

ただ、親から離れてしまうこと、親から自立することに対して、子どもが「申し訳ない気持ち」になることがあります。
自立していくことは、悪いことではないのですが、自分が自立していくことで、親が独りぼっちになってしまうとか、生活に困ってしまうとか、理解者がいなくなるとか、何らかの事情があると、子どもは親から離れがたい気持ちになり、なかなか自立していけないということが起こります。

また、親の側からしても、自分が独りぼっちになるのも嫌ですし、子どもが自立してしまうと、自分の存在価値がなくなってしまうように思うときに、いつまでも子供を管理下においておきたくなってしまうことがあります。
子どもが頼りないと感じて、「私が支えてあげなくては」という思いが強くなるということもありますね。

例え親子といえでも、子どもが成人しているのであれば、お互いが大人として、自立してそれぞれの考えをもって、それぞれの人生に責任をもって生きていることが、お互いにしんどくならない関係性といえます。

成人した子どもさんが決めたことに対しても、心配になることはあるでしょう。
「本当に大丈夫なの?」
そんな風に思うこともあるかと思います。
でも、それもまた子どもさんの自己責任であり、親の責任ではないのです。

心配するのではなく、ここでは親が子どもに対して、「この子ならば大丈夫」と信頼していくことが大切です。

成長した子どもは、親の価値観とは違った価値観を持つこともあります。
それは、人がそれぞれ違うように、たとえ親子であっても価値観は様々だからです。
どんな人間関係であっても、その人が持っている価値観を否定してしまうと、関係性はうまくいかなくなってしまいます。
相手の価値観を受け入れていくことも、大切になってきますね。

頭では、「成人しているのだから、この子の人生であり、この子の責任だ」と考えていても、どうしても子どもの言動に振り回されてしまうことがあります。
もしこうなってしまうのであれば、それは親の側が子どもに、何らかの形で依存している部分があるからかもしれません。

例えば、子どもを通しての人間関係しか持っていなったり、母親としての自分にしか価値を見出していなかったりすると、子どもが自立していこうとすると、自分が独りになってしまうような気がして、嫌な気分になってしまうことがあります。
これは、ある意味子どもに依存しているということになります。

子どもが自分が決めたことを実行したとしても、親が自分の気持ちや生活が左右されない状態を作っていくことが大切です。

子どもに対して依存している部分があると、子どもが自立していくときに執着心が出てきてしまうものです。
執着するものは、大切だからこそ執着してしまっているはずです。
それだけ子供さんのことが大切だったからなのです。
ただ、この子供さんに一点集中してしまっている気持ちを、他に向けていかなければ、執着心をなくしていくことができません。

家族や子どもさん以外の人間関係を作っていき、母親としてだけではない自分個人としての関りを多く作っていく必要があります。
母親という役割をやめて、自分自身になるということなのかもしれませんね。

また、リクエストしてくださった方のように、自分と同じ立場である人(この場合は彼の母親)に対して、否定的な気持ちや許せない気持ちが出てくるときは、その人がやっていることを、本当は自分がやりたいことであったりします。
腹が立っているだけに、同じ気持ちが自分にあると受け入れることは、なかなか難しいですが、「本当は〇〇したいけれど、それはダメだと思って自分に禁止している」ということがあると、それをやっている人に対して、嫌な気持ちになってしまうのです。
こういう人のことを、シャドウと表現したりもします。

執着心をなくして、子どもと自分を切り離していくには、自分自身が楽しめる関係性を作っていき、子どもに依存しない自己価値を手に入れていくことが必要なのです。

簡単ですけれど、参考になりましたら幸いです。
ありがとうございました。

(完)

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About Author

大門 昌代

恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より2冊出版。