「どうして自分ばかり」と思ってしまう場合の対処法

職場で同僚よりも割り当てられる仕事が多いとか、いつも自分ばかりが忙しいのではないかとか、要因は何にしろ、「「どうして自分ばかり」と思ってしまう」、というご相談をいただくことがあります。

同僚よりも多くの仕事や責任の重い仕事を任されることに、最初は何も感じなくても、それが続けばだんだんと疑問に感じてきて、我慢したり、自分の気持ちを抑えたりもしますが、そうすると逆にイライラがつのっていき、自分ばかりが損をしているように感じることもあるでしょう。

今日は、「どうして自分ばかり」とか、「自分ばかりが損をしている」と感じる時の対処法について考えてみたいと思います。

◆どうして自分ばかりが仕事を割り当てられるのか

仕事を割り当てられる側からすれば、仕事を任せてもきちんと対応してくれなかったり、いいかげんな仕事ぶりの人に仕事を任せるよりは、安心して任せられる安心感がある人に仕事を振りたくなるものです。

つまり、この人だったらきっといい仕事をしてくれる、しっかり仕事をしてくれる、成果を出してくれる、という信頼感や安心感があなたにはあるということです。
それは、これまでそれだけの仕事を責任感を持ってやってきた、というあなたは頑張りの証です。
あなたにはそれだけの能力があるいうことです。
そして、それだけの評価をされているということです。

それ故、その先には、ゆくゆくはあなたにこんな仕事や役割を任せてみたい、という上司からの期待があるので、成長につながるような、前よりも少し高めのハードルの仕事が割り当てられているということもあります。

自分が自分で考えているよりも、有能であったり優秀なのです。

なのに、全然できていないとか、頑張っていないと思っている人が多いのも特徴です。

このようなことが、まず前提としてあります。
それは心に留めておいてほしいなと思います。
そして、できればそんな自分を認めてあげてほしいのです。

◆心の中では何が起きているか

とは言え、「どうして自分ばかり」とか「自分ばかりが損をしている」という気持ちを抱え続け、我慢をして仕事をし続けるのは辛いものです。

ケースにもよると思いますが、このような感情を抱く方が心の底にお持ちである傾向があるのが、「誰かを傷つけたくない」とか「誰かに負担をかけたくない」という気持ちであったりします。

「誰かを傷つけたくない」とか「誰かに負担をかけたくない」という気持ちは優しさでもあり、悪いものではないのです。
しかし、その裏には、「私は誰かを傷つける存在だ」という自己概念や、「誰かを傷つけたら私は攻撃される」といった怖れが隠されていることもあるのです。

そのため、「誰かを傷つけたくない」とか「誰かに負担をかけたくない」という気持ちが強すぎると、「No」が言いづらくなったり、自分の気持ちを抑えて、相手の主張や言い分を受け容れてしまう傾向も強くなります。

結果として、何でも引き受けやすかったり、引き受け過ぎているということも起きている人もいるでしょう。
また、「誰かに負担をかけたくない」という思いから、他の人の手を借りるという選択肢がなくなり、一人で抱え込むことになっている場合もあるでしょう。
「No」と言われないことで、仕事を振りやすい人と思われていることもあるかもしれません。

◆対処法

「誰かを傷つけたくない」、「誰かに負担をかけたくない」あなたは、なぜそのように思うようになったのでしょうか。
そのルーツを癒していくというアプローチも必要になるかもしれません。
また、自分が傷ついた経験や、もしかすると誰かを傷つけてしまったという過去があるのかもしれません。
そこにいる自分をもう許してあげて、あなたの価値を認めていくことがこういった問題を解決していく鍵になることも多いのです。

また、時には「No」を伝えることも必要なことです。
大切なあなたに過重な負荷がかかることにより、あなたに何かがあることは、組織にとっても機会損失なのです。

自分はどこまで頑張りたいのか、頑張れるのか、自分なりの基準を設けることも有効かもしれません。

この記事を書いたカウンセラー