あなたの大切な人をもっと大切にするために(1)~分離感は対人関係の問題を作る~

あなたにとって大切な人がいたとして。

その人をうまく愛せないことや、その人の愛情がうまく感じられないことってどちらも切ないことですよね。私たちの学ぶ心理学では、うまく愛せないだとか、相手の愛情が感じられないとあなたが感じるときに「分離感」を感じていることが多い、と考えます。

その分離感~相手との心の距離~はあなた自身と相手へ「疑い」を作り、そしてその相手との分離と疑いが問題を生みだしていくのですね。今回はその心の考え方と「大切な人をもっと大切にする」問題解決のアプローチへの考え方をご紹介したいと思います。

私たちカウンセリングサービスには「対人関係」に関するご相談をたくさんいただきます。例えば、恋愛・ご夫婦といったパートナーシップという「関係」。ご両親やお子さんなどの大切な家族という「関係」など。

そのほかにも様々な関係のご相談をいただきますが、間違いなくいただくご相談は「この関係がどうにもうまくいかない」ということにつきます。そして「その関係をよりよくしていきたい」という願いとともに。

私たちの学ぶ心理学では「全ての関係の問題」は「分離感」から始まる」と考えています。それはどういうことか?まず今回は「対人関係の問題を作る」心のイメージをご説明したいと思います。

私たちカウンセリングサービスには「対人関係」に関するご相談をたくさんいただきます。

例えば、
・恋愛・ご夫婦といったパートナーシップという「関係」
・ご両親やお子さんなどの大切な家族という「関係」
・ご友人、対人関係、職場の人間関係といった「関係」

そのほかにも様々な関係性のご相談をいただきますが、間違いなくいただくご相談は「この関性がどうにもうまくいかない」ということにつきます。そして「その関係をよりよくしていきたい」という願いとともに。

 

私たちの学ぶ心理学では「全ての関係の」は「分離感」から始まると考えています。

それはどういうことか?まず今回は「関係の中の問題を作る」心のイメージをご説明したいと思います。

 

さて、分離感とは「まるで人の輪から離れてしまってる感覚・相手とのつながっていない感覚」のことを言います。

人の輪から離れているとき、誰ともつながっていないと感じるとき、人はさみしさ、悲しさ、疎外感、自分を注目してもらえていない感覚などなど、いろんなものを感じますよね。

あまりに人と関わることが苦手な方の場合は、分離することで安堵感を感じることがあるかもしれませんが、基本的に分離感はあまり感じていて良い気分になるものではありません。

この分離感は私たちにとってあまり感じたくない感情・感覚の一つです。

例えば、実家を出て就職する、一人暮らしをする、親離れ・子離れする、恋人と別れる・離婚する・・・そういったときに感じるものでもありますね。確かに人が成長するために受け入れなければいけないケースもありますが、基本的にあまりで感じたくない、避けたいと思う感情だと思います。

しかし、私たちは「人との関係」の中で、あえてこの「分離感」を選ぶ方がマシだと判断したり、相手と距離を取ることを選ばざるを得ない状況に陥ることがあるんですね。

 

少し想像してみてください・・・。

人とつながり、愛し合い、認め合う・・・その感覚から離れて、あえて人の輪から離れてしまっているような感情を選ぶって、どういった状態なんでしょう?

そう想像するだけで「その方が、自ら分離してでも何とかしたい【何か】があるのではないか?」と考えられないでしょうか?そこに必死さと言いますか、切実さという名の必要性を感じないでしょうか。

それぐらい分離感を選ばなければいけない状況には、実はほかに何かその人が避けたいと思う感情・感覚がある、ということになります。

つまり、ここでいう分離感を選ぶような選択は「分離することでその人の心を守る(防衛の心理)」作用があると考えられるんですね。

 

例えば、大切な人とのけんかの事例。

パートナー同士、喧嘩をしたとしましょう。

「どうしてわかってくれないの?」「君は、あなたはどうしていつもそうなの?」といった喧嘩はひたすらに二人の分離を促してしまいます。

これは、より良い関係性を培う上でデメリットになっていきますよね。つまり二人は今、お互いに距離をとる言動をしている(分離すること・分離感を結果的に選ぶ行動をしている)わけです。

しかし、そうしてでも「分かってほしいことがある」だとか、「譲れない気持ちがある」「そう思いたくない気持ちがある」としたら、二人はさらに激しいケンカをしてしまう可能性があります。

それがその人にとって、たとえ分離感を選んででも、「今の自分の気持ちを相手に伝えたい」「私の今の心の状態を変えずに守りたい」と感じている状態と考えることができるんです。

ただ厄介なのは、私たちが「分離感」を感じると、その「関係」の中で疑いを持つことも同時に増えていきます。

すると、問題はさらに深刻さを増したり、お互いが関われなくなってくる・・・そういった状態が生まれてくることがあるんですね。

例えば、先に書いた喧嘩の事例の続きを書けば。

大喧嘩して「もういい」と別々に寝て、朝起きてリビングで顔を合わせる。とてもバツの悪いような気分になりますよね。

そんな時に、相手はどう思っているか?と疑いませんか?「怒ってるかな?」「まだ話しかけない方がいいかな・・・」と。

そう疑えば疑うほど、相手に話しかけづらかったり、相手の様子を伺いながら「いやいや俺だって、私だって辛いし、悪くないし・・・」と自分を守ろうと(正当化)して、また相手と分離しようとすることもありますよね。

すると、お互いにより素直になれない、相手に素直な気持ちが伝えられない・・・そんな状態が出来上がっていくんです。

 

基本的にあらゆる「関係」は、その人と人がつながっている状態が、いわゆる普通の状態であり、よい状態です。そして私たちはそのより良い関係をどこかで求め続けています。

しかし、どんな理由があるにせよ、その関係の中で「誰かが分離する」こということなれば、その関係の中に「疑い」が入り込み、その結果、関係の形を変えるか、もしくは形が維持できなくなることも起こります。

これが例えば恋愛や夫婦関係の中で登場すると、別れや離婚、別居や仮面夫婦という問題となって表面化してくることになるんですよね。

つまり、お互い、分離感を感じるコミュニケーション手段を使えば使うほど、本来は繋がっていたい関係を壊すことになり、分離感を感じれば感じるほど、自分や相手に対する「疑い」が芽生え、さらに素直な愛情のコミュニケーションが難しくなっていくのですね。

これはちょっともったいないことのような気もします。

できれば素直にいい形のコミュニケーションを行いたいものですよね。そう誰もが願い、自らもそうしたいと思っておられることが多いのではないでしょうか?

しかし、実際のカウンセリングの現場にいますと、そう願った通りにコミュニケーションできないこともある。

どこか「私も相手も分離感を感じるようなコミュニケーションをせざるをえない心理状態」というものもあると思うのですね。

次回はそのような事例について書いてみたいと思います。

>>>『あなたの大切な人をもっと大切にするために(2)~大切な人との中で誤解が生まれるとき~』へ続く

この記事を書いたカウンセラー

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年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。