マザコンの心理~母親との癒着~

ある意味では、すべての人はマザコンです。

しかし、いくつになっても母親が最優先になっているのなら、母親との心理的な癒着が問題を作っているのかもしれません。

母親との癒着があると、母親とは別の考えを持つことを自分に禁止します。母親の顔色をうかがい、自分の意志で判断しにくくなります。

また、母親との関係で満たされていないものがあると、母親から認めてもらおう・愛されようと、母親の反応を求める行動をとり続けます。
マザコンの状態を抜け出すには、「自分の気持ちを我慢して、母親の気持ちに応えるやり方」をやめるのを自分に許すこと、一人の大人の目で母親を理解して、母親との関係に対等さを持つことに取り組みましょう。

自分なりに母親を愛せていたことを認め、母親なりの愛し方を感じられるようになると、母親に感謝して癒着や執着を手放していけるでしょう。
マザコンの心理を理解して、マザコンさんに対して感じるものを変えていきましょう。

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マザコンについての対処方 付き合い方 受け止め方
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マザコンは母親との心理的な癒着

生まれたてのヒヨコが初めて見たものの後をついて歩くように、たとえどんな親であったとしても、子供は母親のことが大好きです。母親に認めてほしいと思うし、母親に笑顔でいてほしいと思うものです。母親を喜ばせるために、意外なこともするのが子供です。その意味では、すべての人がマザコンです。

一般的には、成長の過程で親離れ・子離れをして、母親以上に大切な存在ができていきます。ところが、いくつになっても母親の存在が大きくて、母親が最優先になっている場合、マザコンと言われる問題が起きるわけです。

母親を大切に思うことは素晴らしいことですが、心理的に母親と癒着がある状態ではうまくいかないことがでてくるようです。

癒着の状態は、「お母さんはお母さん。私は私。」という線が引けなくなっている状態です。癒着していると、自分の気持ちがどうかよりも、「お母さんがどう思っているのか?」と母親の顔色をうかがったり、「お母さんが気に入るかどうか?」で決めようとしたりしがちになります。

母親との癒着の理由

表面上は、母親が過干渉で、自分の意見を持たないようにしてきた状態が続いたために、自立しにくくなっている場合でも、背景にはこんな理由があることがあります。

子供に「ああしなさい。こうしなさい。」「これしちゃダメ、あれしちゃダメ。」と口出しをする母親がいたとします。実は、母親として自信がなかったから過干渉にならなければならなかったのだとしたら、傍に居る子供が感じる気持ちは、母親の不安です。子供の心では、自分が母親の言うことを聞くことで母親が安心するならばと、いい子ほどがんばります。

本当は自分では「こうしたい!」という気持ちがないわけではないのですが、母親を裏切るように感じたり、悲しませるような気がしたりして、自由になることが悪いことのように誤解してしまいます。

母親に笑顔でいてほしくて、自分の気持ちをがまんしてまで、母親を優先してきたことに気がつけると、子供のやり方ではない母親とのかかわり方が見つけやすくなるでしょう。

対等さを取り入れる

母親から充分に愛されなかったと感じていて、母親からの愛情を得ようと心理的に母親にしがみつく場合もあります。自分が望む愛し方でないと「愛されている」と感じにくくなっていると、いつまでも欠乏感が続き、それを埋めようと母親から離れられなくなります。

この状況を抜け出すには、親と子供という「愛する人」「愛される人」の関係ではなく、一人の女性と一人の大人としての対等さを取り戻す必要があります。

私達が「親だったら、こうしてくれるもの、こうするもの。」と考える時、与えてもらうのが当然で、与えてくれないのが不満になります。

Step.1 まず、親への不満、恨み・辛みがあることを認めましょう。

いい子でいようと母親の言うことを聞いてきた場合、不満を感じる自分が悪いと考えがちです。どんな気持ちであれ、自分が感じている気持ちを認めるところが第一歩になります。

Step.2 母親がそうせざるを得ない事情があったとしたら、それは何かを考えてみましょう。

母親として自信がなかった、初めての子育てや複数の子育てで余裕がなかった、夫との関係がうまくいっていなかった、嫁姑問題があった、母親が自分の母親から同じように育てられた…何かの事情があるはずです。

誰だって自分の子供にヒドイことをしたいと望んではいません。してあげたいと思うけれどやり方わからないとか、ついやりすぎてしまうとか、してあげたいのにできないとか、「できない理由」が必ずあります。それを理解した時に、母親との関係が対等なものになります。

母親を許す

母親を理解すると、そんな状況でも自分に向けられたものが見つけやすくなります。自分が望む愛され方ではなく、母親がしてきた愛し方に気がつけるでしょう。

Step.3 母親がしてくれたことは何ですか。母親に褒められたのは、どんなことですか。母親に「ありがとう」を伝えるとしたら、どんなありがとうを伝えたいですか。

母親に感謝していくと、母親からの愛情をうけとることができます。母親の愛が自分に向けられていたと感じられると、母親への執着を手放しやすくなるでしょう。

・私は私。お母さんはお母さん。
・私は自由になっていい。
・私が幸せになることが、お母さんの幸せ。

そんな言葉を、繰り返し自分にかけてみるのもいいでしょう。

マザコンさんとのつきあい方

癒着しているものを引き剥がそうとすると、かえってしがみつきたくなります。

自然に手放していけるように、母親を充分愛してきたこと、母親から充分愛されてきたことを感じられるお手伝いをしていけるといいのかもしれませんね。

母親は別格の存在で、ライバルではありません。母親と比べて苦しくなるなら、「私は愛されている」と感じられるようになることに取り組むといいのかもしれません。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大塚 統子

自己嫌悪セラピスト。心理学ワークショップ講師(東京・仙台) 「自分が嫌い」「自分はダメ」「私は愛されない」などの自己否定、ネガティブな感情・思考をリニューアルし、自信や才能・希望へと変換していく職人。生きづらい人の心が楽になる気づきや癒しを提供。テレビ・Web記事の取材にも多数協力。