パートナーを喜ばせたい?それとも、嫌われたくない?~『義務』と『役割』を手放すために~

もう一度「そのままの私で愛される」ために

パートナーシップで2人の関係が『義務』と『役割』にハマってしまうと、頑張っているのに本当の幸せや愛情が手に入らなくなり、一緒にいることがお互いにとてもしんどくなってきます。もう一度「そのままで愛されるあなた」になるために、気づきの3つの段階を参考にしながら解説いたします。

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「本当はしたくないのに、嫌われたくなくてしてしまうこと」って、皆さんにはありませんか?

これは対人関係、特にパートナーシップのご相談では本当に出てくるテーマなんです。

私たちが抱えている観念(思い込み)の一つに「愛されるためには何かをしなくてはいけない」というものがあるのですが、この思いが大きい分だけ、

「愛されるためには○○をしなくてはいけない」

「愛されるためには△△な私でいないといけない」

などの『義務』や『役割』でパートナーに何かを与えようとしてしまいます。

大好きなパートナーがいれば、その人の為に何かを与えたいと思いますよね。安らぎ、安心感、信頼、笑顔、お金やSEXの場合もあるでしょう。

与えたいものが何であれ、ここでは「相手を喜ばせたい」という気持ちが動機になっています。

ところが、「相手に嫌われたくない」という気持ちから何かをしているとしたら、動機がまったく違ってしまいます。

■「嫌われたくない」が動機になってしまう

例えば、あなたが彼の為に毎日朝昼晩のご飯を作ってあげていたとします。

あなた自身が「料理が大好きで、彼が美味しく食べてくれるのが嬉しくて作っている」のであれば、彼が喜んでくれたらもちろん嬉しいですし、たとえあまり喜んでくれなくても自分がやりたいことをしているので傷つくことはありません。

しかし、「相手に嫌われたくない」から料理をしているとしたら、「これだけ一生懸命やっているんだから、私のことを嫌わないでね」そんな気持ちが隠れていたりするんです。

動機が「嫌われるのが嫌だから、相手を喜ばせないといけない。」になってしまっているんですね。

その為『義務』や『役割』で与え続けていると、パートナーとの関係が対等でなくなってしまうんです。いつも疲れていたり、苦しさ、報われない気持ちを感じるようになっていきます。

もし、あなたが大切な誰かのために与えているのに、なぜかしんどい気持ちがしているのであれば、一度どんな動機から行動しているのかを見直してみるといいかもしれません。

■気づきの3つの段階

カウンセリングの現場では、こういったテーマを抱えてきたクライアントが今までの行動に気づいた時、

1.今までのように『義務』や『役割』で与えることが苦しくなったり、嫌になる

2.これから何をしていいのか分からなくなる

3.過去の人生に無意味さを感じる

などの気持ちが出てくることが多いようです。

1のように感じるのは、義務や役割で与えることが「実はつらかったんだ」と実感できるようになったからです。

この段階にいると感じた人は、徐々にでいいので義務と役割で生きるのはもうやめようと思ってみてください。

2の段階になり義務と役割を手放していくと、今まで使っていた時間、エネルギーが余ってきます。

その為もてあまし気味になったり、無為な時間を過ごしているような気持ちになって、自分を責めたくることがありますが、そんな場合は「何かをしなければ・・・」と思っていた生き方が終わり、「私の幸せって何だろう?」という思いがようやく出てきたんだと思ってみてください。

それが掴めるまでには時間がかかることもあるので、急がば回れではないですがあえて意識的にのんびりと構えてみましょう。

3の段階は、自分の本当の幸せを生きる!と決めた人が通る1つのプロセスでもあり、同時に罠でもあるんです。

これは「過去の私は自分の人生を大切にしてこなかった。そんな私の側にいたパートナーや家族はどんな気持ちでいただろう?もしかしたら私は、本当の意味ではみんなを愛してなかったかもしれない」という、過去の否定と疑いから生じているのです。

■もう一度「そのままの私で愛される」

このような、過去の自分を否定したくなったことで気づきを得た時、私たちは自分の人生を一度総括して、次の自分に生まれ変わるようなプロセスにいると考えられます。

そんな時に大切なのは、過去のあなたが義務や役割を演じてきたとしても、それでもいつも周りにいてくれた人たちの愛を受けとること。

こんなイメージをしてみましょう。
あなたの大切な人たちが一人ずつゆっくりとあなたに近づいてきて、手を優しく握りながら「いつも頑張ってくれてありがとう。でもしんどいときには無理しなくていいからね。」

すぐに変化を感じることは少ないかもしれませんが、愛されるために何かを頑張らなくてもいいということに気づけた時、ただそこにある愛をそのまま受け取れるあなたになっていますからね。

私たちの人生は「そのままの私が愛される」依存の時代から、

「義務と役割を果たすことで価値がある自分を作り上げる」自立の時代へとプロセスをたどりますが、

その後には、もう一度「そのままの私で良いし、そののままのあなたで良い」という相互依存の時代に進んでいきます。

パートナーシップとは、私たちがこのプロセスを実感することで、そのままのお互いを認め、愛しあうために体験しているのかもしれませんね。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

近藤 あきとし

超自立男性との恋愛・コミュニケーションに関わるお悩み・慢性的な生きづらさの解消などを得意とする。 理論的な“心理分析”と、感覚を使った“心理セラピー”を活用する多面的なサポートが好評。 問題の裏に隠れた「真実の物語」を読み解き「自分の本質を生きる」ことを目指すカウンセリングを提供している。