カウンセリングで耳にするよくわからない言葉の解説(4)~執着とは?~

執着が原因で、人生が前に進まなくなることもある

こだわりをもつことは、悪いことではないのですが、そのこだわりが強くなりすぎると、執着になってしまいます。
執着があると、人生を足止めしてしまうことも少なくなく、とてもしんどい感情にもつながっていってしまいます。
執着を緩めたり、なくしていったりすることで、心の自由度をあげていくことが可能になります。

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カウンセリングでよく、「執着を手放しましょう」という話しがでます。
でもいったい執着というのは、どういうことなのでしょうか?

執着している状態がどういう状態かと言いますと・・・

●既に失っているにも関わらず、その喪失を受け入れられない状態
●既に役に立たないにも関わらず、そのやり方にこだわっている状態

こんな感じですね。

執着しているものは様々で、恋愛ですと「昔の彼や彼女」、仕事や勉強などでは、「昔のやり方」などに、執着している場合が多いです。

執着を、カウンセリングで問題として扱うのは、「執着が原因で、人生が前に進まなくなるから」です。
何か問題が起きたとき、何か悩み事があるとき、執着が原因になっていることが、多々あります。
人生が前に進まない(問題や悩みで苦しい)と、未来の幸せへ進むことができません。
執着している状態は、過去を見ている状態ですから、未来を見れないわけですね。

恋愛において、昔の彼や彼女に執着している場合、3つのパターンが考えられます。

●昔の彼や彼女、その人自身に執着している場合(この人でないと駄目!!)
●昔の彼や彼女と一緒にいた時の、自分自身に執着している場合(もう二度と、あの時の私にはなれない!!)
●昔の彼や彼女と一緒にいた時の傷に執着している場合(あんなに辛い想いをして頑張ったのに、何の為に頑張ったのかわからない!!)

どれか一つに執着している場合もあれば、ミックスされた状態での執着もあります。

さて、執着を手放すとなると、口で言うほど簡単ではありません。

みなさん、何度も何度もチャレンジして、やっと執着を手放せたという状態になります。
執着してしまうほど、大切な何かなわけですから、そう簡単に手放せないのです。
そんなに大切なものを、手放すのですから、手放して何を手に入れたいかというモチベーションが大切になります。

ところが、「自分にはそんな良い物を手に入れる価値はない」と無価値観を感じている場合も多々あるので、モチベーションを高めるのも難しかったりします。
そんな場合は、まず、無価値観を癒していくことから始めないと、執着を手放すというところまで、行き着けません。

また、昔の彼や彼女に対して、言いたい事が言えていないとか、怒りや不満がある場合、彼や彼女に悪い事をしてしまったという罪悪感がある場合も、なかなか執着が手放せなくなります。
つまり、思い残しがあると、なかなかうまくいかないわけですね。

恋愛ではなく、仕事のやり方に執着がある場合も同じです。
「やるだけやっていない」という思いがあると、執着を手放すのは難しくなります。

執着を手放す場合、執着しているそのもの、昔の彼や彼女、仕事のやり方などに目を向けることを一旦やめて、自分自身の心の状態に目を向ける必要があります。

過去にこだわる自分の心の状態に目を向けて、気持ちを整理したり、たまってしまった想いを吐き出してみるなどが必要になってきます。

また、自分の価値を高めていくことも大切です。
自分一人では、なかなか手放せないのが執着ですから、カウンセリングを利用するもよし、協力者をぜひ集めて下さいね。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より3冊出版。