『怖い』と『痛い』の法則

私は歯医者さんが大嫌い!でした。
だって痛いんだもの。怖いんだもの。

ずいぶん前のことなのですが、
私の考え方を変えた歯医者さんでの出来事がありました。

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私が長年お世話になっている歯科医院には、四角い診察室に診療台が4つあります。
仕切りはないので、どの診療台からも診療室が見渡せます。

ある日のこと、
子供が診療台に座っていました。
小学校に上がるか、上がらないかくらいの年齢でしょうか。
そばにお母さんもいます。
先生が治療のための診療台にくると、子供は泣き出します。

すると、先生は治療を始めずに、子供におもちゃを渡しました。
そして、次の患者さんのところへ。
子供は診療台に座って、渡されたおもちゃで遊び始めます。
お母さんが近くで見守っています。

しばらくすると、先生がまた診療台に来ましたが、
やはり子供は泣き出します。
先生はまた子供から離れて、次の患者さんのところへ行きます。
すると、安心して子供はおもちゃで遊び始めます。

1時間くらいそんなことが続いたでしょうか。
先生は「今日はもうお終いにしよう。」と言って、子供のエプロンを外しました。

そして、お母さんにこう言いました。
「今日は治療はしないでおきます。
すいませんが、予約を取って帰ってください。」と。

私は「さっきの男の子はどうして治療せずに帰ったの?」
と先生に聞きました。

すると、先生は
「怖がってるのに、無理矢理に治療したら、嫌われる。

嫌われたら口開けてもらえないから、治療できないでしょ。

それに、怖いとすごく痛く感じるし。
痛くなくても、痛いように感じるからな。

だから、ここは怖いことするところじゃない、って
痛いところを治すところなんだ、って
分かってもらうことが大事なんだよ。

だから、今日は診療台に座って遊んで帰るだけ。
何回か来たら、俺のことも怖い人じゃないって思い始める。

そしたら、治療させてくれるようになるんや。」

ふーーん、そういうことか。。。

私に衝撃を与えたのは
「痛くなくても痛いと感じる」という先生の言葉。

確かに。
私は歯医者さんで何をされる時も顔をしかめてました。
心の中で「絶対、痛いことされるはずーーー!」って
叫んでました。ギューって眉間に力入れて。

歯医者 = 痛い って思い込み過ぎてたかも。
歯医者さんは痛いことすることろだと思ってました。

そういえば、
「痛い時だけ痛い顔しろ。痛いんか、痛くないんか、分からんやろ。」
って言われたこともある。

私は痛いんじゃなくて、怖かったんだ。
怖いと痛いが一緒になってた。

それ以来、
本当に痛い時だけ、痛いって言うことにしました。
『痛い』と『怖い』を別々にしたんです。

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今では、私にとって歯医者さんは怖いものではなくなりました。

身体に感じる『痛さ』は、心が感じている『怖さ』が強く関係
しているようです。

怖いと、痛さは10倍にも100倍にも増えることが。
実際は痛くなくても、痛さを感じることさえあります。

『怖い』が『痛い』を作り出しているかのようです。

心も同じ。怖さがあると痛みを強く感じるものです。

『怖さ』を軽減してくれるものは、
やはり『信頼』や『安心感』ですね。

『痛み』を癒すのも、『信頼』や『安心感』なのではないでしょうか。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

岡田 えりこ

家族を失った悲しみを乗り越えた経験や、燃え尽き症候群を克服し社会復帰した経験を持ち、<生死の問題><自分自身の生き方><対人関係から恋愛の問題>まで幅広いジャンルをサポートする。 感情や感覚の深い部分に寄り添い、本来の自分を取り戻して笑顔になれるようにサポートすることを信条としている。