子供を持つ不安を心理する ~男性の視点から~

自分の過去を未来の子供に映し出す

子供を持つ持たないという決断には、こうあるべきという答えはないのでしょう。ただ、子供を持つ不安を感じながら「子供を持てるなら持ちたい」と悩まれているケースも多いものです。また、男性の中には「妻(彼女)が子供を望んでいる」ことで、一人悩む方もいらっしゃいます。そこで今日は男性心理の視点から「子供を持つ不安」とその捉え方について解説していきたいと思います。

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「妻(彼女)が子供を望んでいます。しかし自分は子供を持つことに不安を感じています。結婚した(結婚を考えている)のですから妻(彼女)の願いは叶えたいとは思っています。ただ、積極的に子供がほしいと思えないのです。」

そんな思いを抱えていらっしゃる男性のご相談、伺うこともあります。

パートナーが子供を求めたとき、実際「子供を持つことだけは避けたい」とパートナーと衝突してしまったり、「自分の不安を横において子供を持つ」と考える男性も少なくなく、これが後々の夫婦問題として表面化するケースも存在します。

できれば、お互い納得して決断できればいいのですが、そう簡単に納得できるようなものでもないのが、この子供にまつわる葛藤のようです。

○自分の過去を未来の子供に映し出す

実は子供の事を考えるとき、私達は半ば無意識的に「未来の子供に自分自身を映し出す」ものです。

これは、心理学で「投影」と呼ばれる防衛です。

そもそも未来生まれてくる子供がどのような存在か、子供を持つ前段階では知る術もないのです。

しかし私達はわからないものを恐れますから、未来の子供に自分自身を映し出し、そのプロセスを当てはめて考えるのですね。

もし、自分自身が子供時代に苦労していれば「子供に苦労させたくない」「あんな苦い経験させたくはない」と考える人もいるでしょう。

子供時代に自由がなく窮屈な経験をしているなら、子供が窮屈な思いをすると悲観的になり、自分自身も自由を希求するでしょう。

子供時代に大きな挫折体験をしていて、それがいまだ乗り越えられていないものであれば、同じように考えるかもしれません。

ただ、自分自身の過去を未来の子供に映し出すなら、「子どもは自分のインナーチャイルド(内なる子供)そのもの」だと表現できます。

「子どもを育てる」ということは、自分自身を育てることと同じであり、子供と触れ合うことは自分の内面と触れ合う体験をしている、とも考えられるのです。

だから「自分自身をうまく愛せないと、子どものことも愛せない」と感じてしまうのです。

「子どもを持つことが怖い」と感じるなら、これは「自分(インナーチャイルド)に触れることが怖い」と言い換えることもできるのですね。

それぐらいにまで大変な思いを抱えてきたのは、子供に関して悩んでいるその人なのかもしれません。

○関わりへの怖れがさらなる葛藤を生む

誰しも生きていれば、傷つくこともあれば、自分自身をうまく愛せないこともあるでしょう。

ただ、もし、自分自身が傷ついていてうまく愛せない状態ならば、自分を隠し、傷ついた自分を人から遠ざけ、触れられないようにする事が多いものです。

同時に、人と関わることにも怖れを感じるでしょう。

このような「人との関わりへの怖れ」を持ったまま、子供を持つとしたらどう感じるでしょう。

自分が親として子供と関わることが怖い、もしくは、放置してしまう怖れが生じても不思議ではないですよね。

ここでも「子供とうまく関わることは難しい」と感じてしまう自分と出会います。

この自分は「罰にふさわしい存在」と感じることが多いでしょう。

「私が親じゃなかったらよかったのに・・・」と思う親御さんのお話はたくさん伺いますが、私達にとってうまく愛せず、上手に関われないことは大きな苦痛を生むのです。

だから、そもそも子供を持たないほうが良いと考える人も少なくないのです。

そんな人ほどこう考えるでしょう。

「他の親も自分で責任が取れないなら、子供を持つべきではない」

子供を大切に思うからこそ、子供を持つべきではないと感じているのかもしれませんね。

○自分を謙虚に見つめて癒やし、理解する選択を

子供を持つ持たないという決断には、こうあるべきという答えはないのでしょう。もちろんその個人の自由といってしまえばそれまでかもしれません。

ただ、もしパートナーとの間で子供に関する意見が衝突し、自分自身がどうしても子供を望めない気分なら、自分を癒す視点を持ってもよいかもしれません。

特に「自分は子供にどんな自分を映し出しているのか」に気づくこと。そもそも子供をイメージしたときに、自分自身の感情が動き葛藤するために、子を持つ自信がないと感じるケースも多いのです。

その上で、自分の感情と向き合い、自分自身の感情を癒やすことです。

また、パートナーがいかにあなたを受け入れているかに思いを馳せてみることもいいですね。一人で悩み戦う必要はないのかもしれません。

できることはいろいろありそうです。

また、「私のパートナーが子供を欲しがらない」と悩む場合は、「意見が対立するには理由がある」と理解してみても良いかもしれません。

パートナーは愛がないから子供を望んでいない、とは限らないからです。

ここでお互いが正面衝突することが別の問題を生んでしまうので、できれば相互理解と前向きなコミュニケーションを心がけたいですね。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

浅野 寿和

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。