愛される価値とは?~無価値感の心理学~

愛されるためには何かしなくてはならない・・・。その幻想を手放すことであなたはより良くなれますよ。

僕達の心の中にある大きな観念の一つに『愛されるためには何かをしなくてはいけない』というものがあります。

誰もが『愛されたい』という気持ちを持ち、大切な人からの愛情を感じられたときに大きな喜びを感じ、生きている実感や自信を感じることができます。
でも、何かしなくては愛されないという思いがある分、愛される女・男になるために色々なことを頑張って、努力して、テクニックを学ぼうとします。

雑誌や本でも「愛される女になる!」とか「女にモテル男になる方法」などの特集が毎月のように掲載されていますね。

それらの方法の多くがあなたの魅力を高める効果があるものだろうとは思います。
でも、果たしてその結果、本当に欲しかった愛情を得られたでしょうか?

もしその結果、愛を得たとしても「何か嘘をついてる感じ」や「しっくりこない感じ」をもってしまうものですね。

愛されるために何かをしてしまうとしたら、その裏側には「何かをしなければ愛されない」という思いがあります。

これを“無価値感(無価値観)”と呼んでいます。
自分には愛される価値などない。だから何かしなくてはならない・・・という思い、観念です。

アッシー君(←死語)に見る無価値感の世界

今ではもうすっかり死語になってしまいましたがアッシー君、メッシー君という言葉がかつて流行ったことがありました。
車での送り迎えをしてくれるだけの彼のことをアッシー君、食事をする(おごってもらう)だけの彼のことをメッシー君って言いました。

アッシー君というのは、大好きな彼女のために、彼女から愛情をもらいたいために、電話が鳴れば彼女の居場所まで駆けつけ、家に送っていったり、家から目的地まで送っていったりします。
彼女から「ありがとうー!!」とか「助かるわー!!」とか「ごめんねー!!」とかいうお言葉は頂けたとしても、車をホテルに入れることもできなければ、彼女のおうちに入れてもらえることもなく、また、食事などもできないわけです。
でも、いつかは自分と付き合ってくれるんじゃないか?という期待があったり、彼女の魅力に取り付かれてしまっていたり、自分に自信がない為に、それだけの関係でも嬉しく感じてしまったりするんですね。
傍から見るとかなり悲しく、虚しい光景ですが、彼らは必死に一生懸命だったりします。

そんなアッシー君がバレンタインデーを迎えて、彼女から大きな手作りチョコレートをもらったんです。
果たして彼はどんな風に感じるでしょう?
「やったー!!これでもう彼女は俺のものだー!!今まで頑張ったかいがあったぜ!!」と大喜びできるでしょうか?

いいえ。
彼はそのとき「どうせ、義理チョコだろ?手作りで『あなただけよ』ってくれたけど、本命の男にあげるチョコの練習で作ったものだろうな。今まで頑張ったからそのご褒美みたいなものだろう」なんて思ってしまうものです。

それが例え、本命チョコで彼女がいつしか自分に心を傾けてくれていたとしても・・・。

その後、彼女が「どうだった?私の気持ち通じたかな?」って恥ずかしそうに電話をくれたとしても、「うん、ありがとう。おいしかったよ」としか、答えられないかもしれません。

彼女の愛情を半分も受け取れなくなってしまったんですね。

愛されるために何かをした代償

彼のように愛されるために何かをしてしまうと、仮に相手が愛情をお返ししてくれたとしても、その思いはほとんど受け取れなくなってしまうものです。
何かをしたご褒美だったり、お礼や報酬のように感じてしまい、欲しかったものがやってきたとしても、それに気付けなくなってしまいます。
仕事をしていると最初の給料は嬉しかったのに、だんだん「もらって当然」とか「少ないなあ」って思うようになりませんか?
これも実は同じ心理だったりするんですね。

そんなとき相手はどんな気持ちでしょう?
先ほどの彼女からすれば「送り迎えをしてくれるうちに、この人の誠実さや優しさが嬉しくて好きになったのに、彼はもう私のこと好きじゃなくなってしまったのかもしれないな」と思ってしまうものです。

そして、結果的に欲しいものを取り逃がしてしまったり、相手の気持ちをありのままに受け入れられなくなります。
それどころか「これだけやったんだから、もらって当然さ」という気持ちになったり、「あれだけ頑張ったのにこれしかくれないの?」という要求になってしまいます。

すなわち、愛されるためにする行為はすべて“犠牲”や“補償行為”になってしまうわけです。

そして、その分だけ心は満たされないままですから、また愛情を求めて更なる行為に走ってしまうわけです。
その結果「何かをしなくては愛されないし、これだけやってもまだ愛されない、、、じゃあ、もう自分は愛されることなんて無いんだ・・・」とどんどん沈みこんでいってしまいます。

無価値感・誕生秘話

この無価値感は僕たちの幼い頃に起源があるものです。
この心理学講座でも何度も取り上げているお話ですが・・・。

生まれた当初は何もしなくても愛情を感じることが出来ました。(何もできないんですけどね)
でも、躾が始まってくるとお母さん、お父さんの要求も厳しいものになっていきます。

お手伝いをすれば褒められ、いたずらをすれば怒られるわけですから、愛情が欲しければ「いい子」にして、褒められるようなことをしなければいけない・・・と思います。

それが学校の成績だったり、クラブ活動になったりで、お母さんやお父さん、学校の先生などから愛され、かわいがられるためには何か良いことをしなければいけないって気持ちがするんです。

そうして、やがて思春期に入り、本格的な恋愛を始めるようになっても、愛情をもらうためには何かしなければいけない、という思いが培われていくわけです。

無価値感を克服するには?

まずは、今の自分を知りましょう。
あなたが恋人や周りの人から大切にされ、愛されるために(嫌われないために)していることはなんだろう?と想像してみてください。
目標は15個です。

え!?そんなにあるの???って思われるかもしれないけれど、僕の経験では愛されるためにしている行為って100も200もあるものです。

例えば・・・
・仕事をきちんとしなければならない
・待ち合わせには遅れない
・料理やプレゼントは彼女の好みを聞いてからにする
・いつもニコニコしていようとする
・愛想よく振舞おうとする
・自分が行きたい場所でも彼女が嫌だといったら我慢する
・彼女の行きたいところを優先させる
・彼女の話をちゃんと聞く
・彼女が気に入る服を着る
・彼女が気に入るような話題を振る
・レジでは自分がお金を払う
・セックスではきちんと彼女を満足させる
・作ってくれた料理には「おいしい」という
・彼女の体調や気分をいつも気遣う
・優しい態度で接する

・・・なんだか気分が滅入ってきました(苦笑)
今の僕がこれを全部気にしているのか?というと些か怪しいものですが、でも、あながち無いとは言えないものではありますね。

無価値感を手放すメディテーション

カウンセリングでは、この無価値感を癒す方法として、愛されなかった自分を助けたり、愛してくれなかった人たちを許していくセラピーや、よりシンプルに“愛情を受け取る”セラピーなどをオーダーメイドで提供させていただいているわけですが、今回は愛情を受け取るための簡単なメディテーションをご紹介しましょう。

ちょっとイメージして見てください。
目の前にあなたの大切な人達を思い浮かべてください。
あなたの恋人や友達、家族の皆があなたの目の前にいます。
そして、一人目の大切な人がゆっくりとあなたの前にやってきて、あなたの手を優しく握ってこう伝えてくれます。

「いつも仕事を頑張ってくれてありがとう。しんどいときは無理に仕事を頑張らなくてもいいよ」
そして、次の人がゆっくりとまたあなたの目の前にやってきて、同じように優しく手を握ってこう伝えてくれます。

「いつも時間を守ってくれてありがとう。でも、たまには遅れてもいいわよ」と。
そして、また次の人がやってきて「いつも私の好みを気にしてくれてありがとう。でも、あなたの好みも聞かせて欲しいわ」と伝えてくれるのに耳を傾けて下さい。

これは先ほど15個ほど挙げていただいた「愛されるためにしていること」を一つ一つ感謝し、許す言葉です。
その言葉を一人一人の口からあなた自身に語ってもらってください。

こんなイメージが効果あるのか?と思われるかもしれませんが、大丈夫。
僕たちの感情は実際に体験しても、こうしてイメージの中で体験しても、夢の中で感じたとしてもどれも同じ効果をもたらします。
もちろん、できるだけ真剣にリアルなイメージでやられるのがいいでしょう。

無価値感を癒していくのはしばし時間を必要とします。
でも、あなたがすべてを完璧にこなさなくても、愛されるために何かを頑張らなくてもいいということに気付ける日もやがてやってきます。

そのときは心の平安とともに、ただそこにある愛情をそのまま受け取れるあなたになっているでしょう。

この記事を書いたカウンセラー

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