人との関係をこじらせるやっかいなもの(4)~コントロールするとこじらせる~

コントロールは対等さを失わせる

立場や力を使ったコントロールの代表としては、パワハラがありますね。
立場や力を使って、相手を思い通りに操ろうとするわけですが、決して関係性を良好にする手段ではないことは、みなさんご存じの通りですね。
人間関係にコントロールが入り込むと、支配する側とされる側という構図ができあがり、対等性がまったくなくなってしまいます。
力という強さを使ってコントロールする場合だけでなく、弱さを使ってコントロールしてしまうこともあります。どちらにしても誰かとの関係を悪化させてしまうものですので、注意が必要です。

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自分の思い通りに、誰かを操ろうとすることを、コントロールと言います。

「そんなことしていない」と思うのですが、気づかない間にやってしまっていることも少なくないのが、コントロールなのです。

わかりやすいコントロールは、会社の上司が部下に「俺に言う通りにしろ!」というやつですね。
また、親が子どもに、「言うこと聞かないなら、おやつあげません!」というのも、コントロールです。

いくら上司や親の言っていることが正しくても、立場や力を使って相手が言うことをきかざるを得なくなる状態にしてしまうと、ものすごく気分が悪くなります。
腹も立ちますしね。

一見、コントロールしているようには思えないかもしれないけれど、実はコントロールというものの例としては、こんなのがあります。

「私と別れるのねっ(シクシク・・・)いいのよ、私は一人になっても大丈夫だから、あなたは自由に好きなことをして生きて行ってくれたらいいの(シクシク・・・)あなたが幸せなら、私はどんな孤独にも耐えられるから(シクシク・・・)例え私が、ひとりぼっちが耐えきれなくなって、この世に生きていたくないと思ったとしても、あなたさえ幸せになってくれれば、それでいいの。あなたとのお別れを喜んで受けれることができるの(シクシク・・・)」

少々大げさに表現しましたが、これもコントロールなのです。
相手の罪悪感を突くようなことを、たくさん言って、相手が別れを踏みとどまろうとするように、コントロールしているのです。

もちろん、やっている本人に悪気があるわけではありません。
自分には力がないと思えば思うほど、自分の弱さを使って相手をコントロールしてしまうのです。

自分の立場や力などの強さを使ってコントロールする場合も、自分の弱さを使って相手をコントロールする場合も、どちらの場合であっても、コントロールした結果、相手が思い通りになってくれたとしたらどうなると思いますか?

嬉しいと思うかもしれませんが、実はそうではないのです。
コントロールしたからそうなったわけで、相手が自分の意志でそのことを選んだわけではないことことは、どこかで理解しています。
ですから、例えコントロールした側の思い通りになったとしても、安心していられるわけではないのです。

また、コントロールされた側は、まるでロープでがんじがらめにされて、無理やり言うことをきかされたような気分になりますから、うらみつらみを持ちやすくなってしまいます。

ということは、関係性は良いとは言えなくなりますよね。

関係性をこじらせないためには、何か相手にやってもらいたいことがあるのであれば、コントロールではなく、お願いするということが必要になります。
もちろん相手には、拒否する権利もあります。

コントロールされると、誰でも嫌な気分になりますが、お願いされるのは、それだけでは嫌な気分にはなりません。
お願いされて嫌な気分になるときは、お願いの形をしているけれど、拒否権を与えられていないコントロールの状態のときです。

相手にきちんと自分の要望を伝え、やってもらえるかどうかをお願いする。
そうしてもらえると、私は嬉しい(助かる)けれど、やってもらえますか?というお願いです。
もちろん、相手にも都合というものがありますので、拒否権はあります。
相手に拒否されたとしても、すねたり、絶望的に落ち込んだり、泣き叫んだりしないことです。
そんなことをしてしまったら、相手に拒否権を与えていないのと同じで、それもコントロールなのです。

お願いがうまくできずに、コントロールしてしまうのは、「私なんかがお願いしても、誰も聞いてなどくれないだろう」という自信のなさが隠れています。

また、いつもコントロールされてばかりという人も、「私なんて、自分で何も決められないし、自分でなにもできないから、コントロールされて当然なのよ」という自信のなさが隠れています。

どちらの場合も、自信のなさが原因なのですが、コントロールする側も、される側も、気分がよいものではありませんので、関係性を悪化させてしまう原因になるので、注意が必要ですね。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大門 昌代

恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より2冊出版。