人との関係をこじらせるやっかいなもの(2)~強すぎる不信感~

不信感があると人間関係にどう影響するのか?

過去に、深く傷ついた経験や裏切られた経験があると、二度と同じように傷つかないように不信感を強く抱くことがあります。
不信感が強すぎると、人と距離をとり、孤独になってしまうこともあります。
何でも鵜呑みにしてしまって、わざわざ傷ついてしまう必要はありませんし、自分の身を守ることも大切なのですが、強すぎる不信感は大切な人との関係性を壊してしまいますので、可能な限り緩めていく必要があります。

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人に対してだけでなく、物事に対する不信感もあります。
人や物事を、信頼せずに、「怪しいぞ」「危ないぞ」という目線でしか見なくなってしまう感情が、不信感です。

不信感があると、人にはそう簡単に近づきません。
また、相手が発する言葉を全て疑いますし、行動にも裏があるのではないかと深読みします。

もちろん、何の意味もなく不信感を抱いているわけではなく、自分を守る防衛手段の一つとして、不信感を抱いているのです。

過去、誰かに裏切られたことがあるとか、ひどく傷ついた経験があるとか、誰かを信用してひどい目にあったことがあるとか、何らかの経験があって、二度とそのような経験をしないために、不信感で防衛するのです。

不信感の反対の意味を持つ言葉に、信頼があります。
信頼は信じて頼ることなのですが、そこには全権を相手にゆだねるというかなり怖れを抱いてしまう要素も含まれます。

信頼とよく似た言葉で、信用というのがありますが、信用は信じて用いるわけですので、全権を相手にゆだねるわけではなく、一定の条件がそこには存在することになります。

「この人は、いつも真面目に仕事をしているから、信用してみよう」という場合、いつも真面目に仕事をしているという条件があって、だから今回は信用して任せてみようということになります。

対して、信頼というのは、「あいつに任せておけば大丈夫!」と、何の条件もつけないで、ただゆだねてしまうことです。

ただし、自分以外の人からの評判を完全に無視したり、相手の普段の行いを知ろうともしないで、全てをゆだねてしまうのは、「うぶ」と言われるものであり、信頼とは違います。

友だちからの忠告を無視し、何も自分では確かめないで、「彼は誠実な人だから大丈夫なの」というのは、「うぶ」なだけであって、信頼しているわけではないのです。

さて、全く信頼できない状態が、不信感が強すぎる状態となるのですが、不信感があると人間関係にどう影響するのか?

まず、相手に対する態度がすごく悪くなります。
「どうせ、裏切るんでしょ」
「また、嘘をついているに違いないよね」
「口ではそんなこと言っているけれど、お腹の中では、私を傷つけることを考えているのよね」

実際に言葉にして相手に言うかどうかは別にして、そう思っていると、とても悪い態度になります。

相手にどう映るか?

「なんだか感じ悪いな~」となります。

そして、不信感が強すぎるあまり、相手を監視したくなってしまいます。

「あなたは、信頼できないから、逐一どこに誰といるか連絡ちょうだいね」
「君は、信頼できないから、今日あったことを全て報告するように」

そんな感じで、監視されると、どんな気持ちなるでしょうか?

「すごく嫌な感じがするな~」

何を言っても、どう行動しても、相手に疑われてしまうと、「もういいっ!そんなに疑われるなら一緒にいようとは思わない!」となってしまうのです。

そして、やっかいなことに、相手がそのような態度になってしまったことで、「ほらやっぱり。あの人を信頼しなくてよかった。人など信頼するものではない」と、不信感がより強くなってしまうのです。

自分のことを疑っている人と、一緒にいたいとは誰も思いません。
恋人や家族、仕事で協力する人たちや、お友だちなど、身近な関係性の人たちに強い不信感を抱いてしまうと、その関係性を壊してしまうことになってしまいます。

また傷ついてしまうのではないかという怖れから、強い不信感で人や物事を疑っているかもしれないと気づいたら、相手との関係性を大切にするために、もう一度、先入観なく、相手や物事をありのまま見てみようとすることが、必要なのかもしれません。

強すぎる不信感があると、人と距離をとって生きるようになります。
実際には、自分から距離をとって近づかないようにしているのですが、自分だけが他の人から切り離されてしまったように感じてしまうこともあります。
ひとりぼっちにさせられているように感じたり、孤独でつらい状況になることもあります。

こんな時は、不信感を乗り越えて、自分から近づいていく必要があるのですが、相手を疑いながら近づても、相手には悪い印象しか与えませんので、やはりありのままを見てみようとする意欲が必要になってきます。

わざわざ騙される必要もありませんし、傷つく必要もありません。
ですが、最初から疑う気持ちで人や状況を見ると、全てが疑わしく見えてしまうものです。
自分以外の人の意見も参考にしてみましょう。

人には様々な物事の見方があります。
良い意見だけを、鵜呑みにするのではなく、悪い意見だけを、鵜呑みにするのではなく、両方の意見を聞いたうえで、あなたの目でありのままを見てみようという意欲が大切になります。

すごく勇気が必要ですが、大切な人との関係性を良好にしていくには、強い不信感は、弱めていく必要があるのです。

>>>『人との関係をこじらせるやっかいなもの(3)~パワーストラグルという競争~』へ続く

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大門 昌代

恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より2冊出版。