変化の前 ~卒業にあたって~

先日、カウンセリングサービスの母体である心理学スクール「神戸メンタルサービス」のカウンセラー養成コースを卒業しました(要件を満たすことで、卒業していなくてもプロカウンセラーになることができます)。

カウンセラーをしているので、「カウンセラーなのに問題なんてあるんですか?」と言われることも多いのですが、日々を生きていれば、やっぱり避けて通れる問題などなくて、些細なことに随分と気をとられたり、悲しい思いをすることもあります。

もちろん、心理学を学んで、そして、自己理解と他者理解が進んだおかげで、以前だったら大きく躓いたり、身動きが取れなくなるような問題も、今は楽に飛び越えられたり、落ち込んだとしてもそこから抜け出せる時間が随分短くなったりと、変化をしています。

なんでも変化の前って考えることが多くなるとは思うのですが、私も、卒業にあたって、本当に卒業してしまって良いのかなと思いました。
まだまだ卒業できる状態にはないのではないか、自分は成長し、変化したとは感じるけれど、不十分なのではないかって。今のままではまだ駄目なのではないかって。

私がそう悩んでいるのに対して、初級コースの頃から私をずっと見守ってくれていた先輩カウンセラーが優しく言ってくれました。
「源さんには、白か黒しかないの?」って。
最初はその言葉にピンとこなかったけれど、もっともっと良い、完璧な自分を求めるばかりに、今の自分に完全なるバツを付けて否定し、私はもっと変わらなければならないと思い込み、自分を追い詰めてしまっていました。

よく考えてみれば、神戸メンタルサービスに来たばかりの頃の自分と今の自分は全く違います。
たくさんの変化がもたらされて、その頃に欲しかったもの、渇望していたものに手が届くようになって、今、感じる世界も違う。

苦しくなるのは、変化の前の段階。
ジャンプするときに、膝を曲げて準備するみたいな、準備の段階。
その段階でエネルギーを溜めて、飛躍する。

友人も言ってくれました。「成長する時期って、中学とか高校時代もそうだけど、きついことも多いから。でもそれは成長の過程を受け入れて理解するために出てくるもの。成長している、変化していることを理解すればそんなに悪いことではないかなって思うよ。」って。
本当にその通りだなって思います。

努力を続けているのに、とても苦しいとき、何も変わっていないように見えるとき、私たちはそれを始めた時点に立ち戻って、少し考えてみても良いのかもしれません。
本当にあなたは変わっていないの?
あなたはよく頑張ってきたんじゃないの?って。
自分への厳しさや辛辣さを脇に置いて、いつも皆にあげている愛を今度は自分に向けてみても良いのかもしれません。
いつも周りの皆を大切にしているように、今度は自分に。

変化の前の苦しさは、長い冬が終わる瞬間なのかもしれない。
そんな冬に積もった雪が溶け始める兆しなのかもしれない。
あなたの心に明かりが灯る知らせなのかもしれない。
その準備ができたという便りなのかもしれない。

卒業するにあたって、晴れがましい気持ちだけではなくて、苦しい思いや悲しい思いもありました。
だけど、こうやって素敵な言葉をくれたり、そっと支えてくれる先輩や友人たちがいてくれて、そして、そこで頑張ってきた自分がいたことを否定したくないと思いました。
そして、それは否定されるべきものではない。

今は、次のステージに移りつつある自分にドキドキしながら、次の変化や段階を楽しみにしています。
自分の限界を打ち破って、もっと私らしく生きたいと願っています。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

人間関係全般、家族問題、自己嫌悪、自己変革や魅力開花、ビジネスに関する問題を得意とし、クライアントの感情をしっかりと受け止め、感覚と思考をバランスよく使ったカウンセリングを行う。 繊細な感受性や豊かな女性性を持ったカウンセラーで「何から話していいか分からない」という方からも好評である。