憧れの世界に進んだものの

相談者名
S
22歳の男です。3月に大学を卒業し、4月から夢を追って某芸能事務所の養成所に通っています。指導が厳しい学校であることは元々知っており覚悟をしていましたが、いざ入学してみると想像以上に精神的に疲弊しています。新しい環境にまだ慣れていないだけなのかもしれませんが、ここ最近毎日が憂鬱です。現実逃避をするように就職サイトを閲覧し社会人生活を妄想したり、過去に戻れるならなどと思ったりしています。朝起きるのが辛いです。しかしながら自分で選んだ以上は通わなければと思っているので「そのうち慣れる」「1年はあっという間」と言い聞かせて過ごしてします。ですがこの先が不安で仕方ないです。昔からの性格で、先の事を考えて心配してしまう傾向があります。厳しい環境に耐えられるか、多量の課題をこなせるか、卒業後にプロとしてやっていけるのか、不安定な生活に適応できるか等、考え出すときりがありません。
そもそも私が芸能界への道を選んだのは、高校時代から憧れがあったからです。大学4年生で就活をしていましたが(といっても憧れに気持ちが傾いていたのでわずかな企業しか受けておらず内定はありません)「憧れを抱いたまま会社員になるより若いうちに一度挑戦してみる。それでダメだったらきっぱり諦めて就職する」という考えが決め手になり今に至ります。
養成所の学費は私が大学時代にアルバイトで貯めたお金で全額払いましたが、現在の生活費の一部は両親に支援してもらっています。私が就職せずに芸能界を目指すことについては「人生1度きりだから好きなことをやればいいと思う」と反対はしませんでした。帰省した際に両親に不安を打ち明けると「凄い道を選んでいるのだからもっと楽しめ」「大丈夫だ」と励まされました。故に養成所を途中で辞めること、これ以上不安な姿を見せることは応援してくれる両親に対して申し訳ない気持ちがあります。業界に向いていないと感じればすぐに辞めるのも1つの選択ではあるのですが、私自身簡単に辞めたくないと思っていますし、もちろんプロになって芸能の仕事だけで生活することを目指して選んだ道です。何としてでも不安を払拭したいです。誰かに相談しようにも両親は上記の通りで、友人だと「自分の好きな道に進んだのに何で?」と一蹴されそうなのでしていません。1人で悩んでいます。今の重苦しい日々をどのようにして乗り越えることができるでしょうか。
カウンセラー
三好成子
S様こんにちは、今回担当させていただきます三好成子です。
よろしくお願いいたします。<『自分で選んだ以上は通わなければと思っているので
「そのうち慣れる」「1年はあっという間」と言い聞かせて過ごしてします。』>
という言葉に、S様の真面目で素直な性格がにじみ出ていますね。

真面目なので、どんどん「〜でなければ…」の罠にはまってしまっているようですね。
「やるからにはちゃんとしなければ」と言う思いが強くなっておられるようです。

結論から先にお話ししますと、
まずはご両親もおっしゃっていらっしゃるように
楽しむということを1番に考えて行動されるといいと思います。

理解のある親というのは、
子供側が強く望むものではあるのですが、
いざ親が理解がある態度を示すと
子供としては自分ばかりが楽しんでいいのだろうか?
と思ってしまう事があります。

それは、子供には「自由にしていいよ」と言いながら
親が自由にしている姿を見せていない場合が多いものです。

またもう一つ、
親の言葉通りに受け取れない感覚があるのだとしたら
親の言葉の中にも『ねばならぬ』という
正しい親でありたい、子供は自由にさせてあげなければいけない
という思いを強く感じられてしまうパターンがあります。

S様の場合はいかがでしょう?

<私が就職せずに芸能界を目指すことについては
「人生1度きりだから好きなことをやればいいと思う」と反対はしませんでした。
帰省した際に両親に不安を打ち明けると「凄い道を選んでいるのだからもっと楽しめ」>

と言われたのですね?
もっと楽しめ、もっと楽しまなければならない、
と言われると楽しめないものです。

人は誰しも理想通りには進まないし、
うまくいかないことも多いものだと私は思います。
そういう時に理想の答えをもらうよりも、
反発させてもらったり嫌いになったり
ネガティブな感情を堂々と向けさせてもらえる対象が欲しいものですね。

S様は今、そのような本当の感情をちゃんと伝えられる対象を必要としているのではないでしょうか?

芸能の世界に憧れを抱いてそちらに進みたいと思っていらっしゃるのですよね?
表現する世界に興味を持たれたのですよね?
今行き詰まった感じを受けていらっしゃるのであれば、
それはもしかすると
こういった本当の感情の出し方がわからないところにあるのかもしれませんよね。

指導が厳しいと言うことで心が疲弊しておられるとのこと。
それはS様が真面目であるがゆえに
その指導を全てを自分の身につけなければと思いすぎていることもあるかもしれません。

指導を受ける立場=自分よりも上の立場=両親
の構図で見ていけば
親の言う事は全て正しいのだから親の言うとおりにしたほうがいいんだ
と言う考え方の中にあるのかもしれません。

指導と言うものは1つの考え方を提供してくれるものだと思って聞いてみると、
もう少し楽な捉え方ができるかもしれませんよね?

人はしてはいけないと思うと余計にそちらに意識が向かうようです。
厳しいから嫌だと言ってもいいし、
この道以外にもになってる道がないかと探してみてもいいし、
泣きついてもいいし、後悔してもいいし、
決めたことを貫いても貫かなくてもいいんです。

人は完璧ではないんですよね。
いろんな失敗を繰り返して人の幅や器はできていくのだと私は思っています。
その振り幅や器の大きさが自分という人間の表現の幅になるように思います。
芸能というのは表現であって、表現は個々の個性の発揮です。
個性をどう表現するかで存在を認めてもらえる場所が芸能の世界ではないのでしょうか?

失敗をして悩んで、どうしようかと思いながらも生きて来た人が表現するからこそ伝わるものもあるんですよね。
人生を間違ってはいけないと思いすぎると周りの人もその思いにがんじがらめになってしまうことが多いものです。

今、S様に必要なことは
こうでなければならないという観念や完璧さを手放して、
弱い自分や、本音で話し合いる仲間など人とのつながりを手に入れることを優先してみるのも良いかと思います。

楽しむ事より、頑張る、努力する事に意識が向かっているように思います。
楽しまなければならない楽しみ方よりも
文句を言いながら自分の感情で生きていく方が自分のための人生と言う感覚が起きて
一見ネガティブなことも楽しめるようになるのかなって思います。

失敗ばっかりして来た私はそう思います。
どうぞ、もっともっと自分の人生を楽しんでくださいね。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

三好 成子

「近ずぎてウザい・遠すぎてさみしい」 自身の経験から、人との心の距離感や対人関係の悩みには親子の距離感が大きく関係している事に着目。【母子癒着】といわれるくっつきすぎた心を見ていくことで、人との距離感を整えていくカウンセリングを得意とする。 誰にも言えない気持ちに寄り添ってくれると好評。