仕事とやりたいことの両立

 

相談者名
マドレーヌ
こんにちは。
私は保育系の短大を卒業し、今は特別養護老人ホームで三年目になる24歳です。
高校時代、進学校に通っていたのですが、美術の授業で先生に認められ美術部に入って、同級生が私よりも上手い、とそのことが受け入れられず辞めてしまいました。
美術なんて、と思って勉強を頑張って、でも勉強も私よりもできる子がたくさんいてする意味がわからなくなってしまい、人間関係もうまくいかず推薦で短大に進学し後の日々は登校拒否していました。
家は8歳の時に母親が家を出て行って父子家庭なので金銭的にも余裕がなかったしお友達ともその頃からずっと上手くいかないのです。短大時代は「ここは私の来たかった所じゃない」と思い続けて、ゼミでは絵を描いてやっぱり絵をやりたい、と思って短大最後の年に芸大受験をしました。
就職してからも受験して計三回落ちました。
お金を貯める為に働いています。
今年はこのままじゃいかん、と思って描く年、と決めていたら仕事でも責任が重くなってきて上司も厳しい人になり、人の命を預かる職種で、「これは私のやりたい仕事じゃない」と働く自分を責めるようになってしまいました。
絵にエネルギーを注ぐとミスも増える気がして。
気持ちよく絵に向かう自分になれません。
四月から転職(内定済、同じ業種)して東京に出て行って美術予備校に通いながら芸大を目指そうと思うのですが両立できるか不安、今は父親が失業してしまい家のことも不安で。
大学に通うとなると全部自分のお金で卒業した後も今の時代やっていけるのか不安。
地元で今のまま働き続けた方が絵を描き続ける人生に近いのか、でも東京に出てくなり努力をしなきゃ後悔する気がして。
心のエネルギーがとめどなく絵にも仕事にも注げる人にんりたいんですがなかなかうまくいきません。
カウンセラー
大谷常緑
マドレーヌさん、こんにちは。
ご相談を担当させていただく大谷です。よろしくお願いします。ご相談を拝見してマドレーヌさんは、とても情熱的な人だなぁと思いました。
大きな情熱を持つ事は、ご自分の夢をかなえるためにとても大切な事だと思いま
す。
情熱は、エネルギーですからね。
マドレーヌさんの夢がかなうように、少しアドバイスをさせていただきますね。さて、マドレーヌさんが何となく感じておられるうまくいかない感の大元は、マ
ドレーヌさんの心の中にある「私の価値を証明したい」という気持ちです。それ
は、無意識の中に埋没していてお気づきではないかも知れませんが。
この感覚がついつい顔を出してしまうので、自分の価値を否定するような事が起
こると、あるいは自分がそう感じる状況になると、嫌な気分になってしまい、そ
の場を逃げ出してしまうという事になるのです。

自分の価値を証明したいという気持ちがあるという事は、自分で自分の価値を認
めていない、という事です。
もし自分で自分の価値を認めていたとしたら、価値の証明なんて要らないですか
らね。

この自分の価値を証明したい感覚があると、人と競争して人間関係がうまくいか
なくなったり、頑張ってもその価値を十分なものではないと常に感じて辛くなっ
たりします。

先ずは、この自分の価値を証明をしなければいけないという心の癖を変えていき
ましょう。
思い返してください。
美術の先生に実力を認められた事。本当に実力をお持ちだったのだと思います。
何事にも努力を惜しまない自分の姿。
家の事を思いやれる優しい気持ち。
その他、ご自分でお気づきでないかもしれませんが、沢山の「いいところ」をお
持ちだと思います。

これらの「いいところ」をご自分では十分ではないと感じられているようですが、
もし仮に、マドレーヌさんのような人が身近にいたとしたら、どう感じるでしょ
うか?凄いなぁと感じないでしょうか?

人間は、往々にして自分に厳しく、人に優しいものです。
私達が自分自身をどのように酷く扱っているかは、何か失敗したり、頑張ろうと
思ったときにどのような言葉を自分自身に投げかけているかを考えてみればすぐ
にわかります。
自分に投げかけているのと同じ言葉を友達に投げかけてみたとしたら・・・友達
は自分の元から去っていくと思いませんか?
それぐらい、酷く自分自身を扱っているのです。

そして、マドレーヌさんが自分に与えておられる課題も、とってもハードルが高
いものになっている事に気付いて欲しいのです。

人生の目的は、マドレーヌさんが人生を楽しむ事なのです。
自分の存在を証明したり、自分の価値を証明する事ではありません。
是非、楽しい人生を送る事を考えてください。
これは、自分を本当の意味で大切にするという事でもあるのです。

さて、今回の主題ですが、「心のエネルギーがとめどなく絵にも仕事にも注げる
人にんりたいんですがなかなかうまくいきません。」についてですが、
人間は、楽しい事にはとめどもなく心のエネルギーを注げるものです。
逆に言うと、楽しい事以外には心のエネルギーをそう多くは注げません。
例えば、海外旅行が好きな事だとしたら、もう、あれこれガイドブックを集めて、
ネットサーフィンをして・・・と疲れ知らずになりませんか?
ワクワク、ドキドキすることこそが、エネルギーを注げる対象なのです。

マドレーヌさんは「自分の価値を証明する」事以外で、自分のやりたい事を先ず
は考えてみてください。
きっと、心のエネルギーを注げるものが見つかると思います。
そして、それがマドレーヌさんにとって素敵な、楽しい人生を歩む鍵なのです。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。