仕事と自分について

 

相談者名
ゆきえ
こんにちは、始めまして。ゆきえと申します。

四月から新社会人として働き出して一ヵ月半、思うように仕事が出来ず失敗ばかりで、いつも上司に注意(質問されて答えると私の返答が甘えてるだの、それは違うだの否定ばかり)や、前からいる人の愚痴などを聞かされ、かなり参っています。
そのせいか、私のことも知らないところで悪口言ってるんじゃないか、と疑心暗鬼になってしまい、家族以外会話をするのも苦痛に感じるようになりました。
しかも、何かあるとすぐに仕事場を移動させるというような話が出るので、私が作業するのが遅いから周囲の人が迷惑している、私なんていない方が良い、自分って本当に邪魔者だな、もういつ死んでも良いやとかとめどなく考えてしまいます。

それに、私は元々明るい性格ではないので新しい環境でなじむのには人より時間がかかるのです。その上注意されると落ち込んでしまい、のどが詰まるような感じになり返事がどんどん小さくなってしまうのです。それで返事はもっとしっかりしろと言われます。
普通に話しかけられてもビックリしてしまい、声が小さくなり元気がないと言われます。
そしてその上司は人の表情をすごく気にしていて、顔の表情一つでも気をつけないと悪い風にとられたら大変なので、平静を装わなくてはなりません。

社会人だし、注意を受けたり怒られたりするのは当たり前で、たかが意見を否定されたり、注意を受けたり怒られたりしただけで落ち込むなんて、本当に学生上がりの甘ったれだなと自分でも思います。

ここまで読んでくださってありがとうございます。返答をお待ちしています。

カウンセラー
大谷常緑
ゆきえさん、はじめまして。
ご相談を担当させて頂く大谷です。
よろしくお願いします。希望に胸を躍らせ、しかし少しだけ不安を胸に抱きながら新しい社会人生活をスタートされたゆきえさんの姿が目に浮かびます。
先ずは、社会人になられたこと、おめでとうございます。
さて、新社会人となられて1ヶ月半、思うように仕事ができず失敗ばかりで職場の上司に怒られているとのこと、辛い日々かと思います。何だか、自分には力がない、役立っていなくて悪いような感覚になられること、そうだろうなぁと思います。

さて、先ずは上司の方とのやりとりについてですが、内容を読ませて頂いて感じたことは、ゆきえさんは、(少なくとも仕事に関しては)その上司の方を絶対的な存在と見ておられないでしょうか?頭の中では上司の方に対する反発もあるかもしれませんが、心のどこかで上司は正しい、だから正しい上司に叱られる私は駄目、という感覚をお持ちのような気がします。
もし、そうだとすると、この感じ方はゆきえさんが昔から持っておられる心のパターンに根ざした感じ方なのだと思います。
例えば、お父さんやお母さん、学校の先生などに同じような感じ方をした事はないでしょうか?たぶん、同じような感じ方をされた経験をお持ちではないかと思います。
子供の頃、多くの場合私達は、親に育てられました。一般的には親に対する反発も感じましたが、どこかで親を信頼し、「親に怒られる自分は悪い人間だ」という感覚を持ちました。
この感覚が必要なのは、実は躾の時代なのですね。人間として生きていくために必要な事柄を教わるのが躾です。親の感覚に左右される事が多々あるのですが、私たちは生きるために親から躾られ、あるいは例えば親の癖など自発的に様々なものを学びました。親が絶対だった訳です。
しかし、果たして親は絶対だったでしょうか?そして、躾られた事全ては正しかったのでしょうか?
必ずしもそうでは無い事もあったはずです。
親も気分が悪い時もあれば、苦しかった時もあったかも知れません。あるいは、どう子供と接していいかわからなかった事や、どう扱っていいかわからない問題があったかも知れません。
親も人間だったわけです。
親が絶対という事を心のどこかで認めようとすると、親から叱られる自分は悪い、という形になってしまいます。
同様に、今回ご相談いただいた上司から叱られると、どうしても自分を責めてしまうという同じ形になってしまいます。
ゆきえさんの仕事のスピードや失敗については少し横に置いておいて考えると、御相談を拝見していて感じるのは、ゆきえさんの上司の方にも多くの問題があるように感じます。おそらく、上司の方はずっと頑張ってこられた方ではないでしょうか?
人間は、自分が頑張っている度合いだけ、他人にも頑張れと言います。あるいは、自分が禁じている事をされると、怒りたくなります。上司の方は、ゆきえさんを見ていて、そんな感情をお持ちになっておられるような気がします。そして、ゆきえさんとどう接していいのかわからないような感覚を持っておられるような気がします。頭で考えておられるかどうかは別としてですが。
それぐらい、上司の方も自分自身に苛立っておられるのかも知れません。
ここは、上司の方の問題とゆきえさんご自身の問題を切り分けて、お考えになり、全てをゆきえさんが引き受ける事は無いと思います。

さて、失敗についてですが、新社会人ということですから、失敗は仕方がありません。人間は、誰でも失敗しますし、特に、初めて社会に出た時など、右も左もわからなくて、要領を得なくて、失敗する事もあります。
失敗は何のためにあるかというと、実は失敗する事で様々な事柄を学んで成長していくためにあります。
生まれた時、我々は最初から歩けるわけではありません。立って、転んで、大いに失敗しながら歩き方を学んでいきます。時間はかかりますが、でもいずれは歩けるようになりますよね。それと同じなのです。
焦らず、一つ一つ失敗を乗り越えながらも前を向いて進む事が大切なのです。その先には歩けるようになる自分、社会人として成長していく自分を自分自身が信じてあげる事がとても大切だと思います。出来ていない自分を感じて自分自身を責めるよりも、寧ろ成長出来た自分、例えば、この前はここを失敗したけれども、今日は失敗しなかったというような出来事に着目して、社会人生活を送られる事を願っています。

さて、もう一つの問題があるとすると、ゆきえさんは、わからない事を誰かに尋ねる事は素直に出来るでしょうか?
これが出来るのであれば問題は無いのですが、わからない事を尋ねるのをためらって自分で判断してしまい、仕事を進めると失敗する事が多くなります。
もし人に尋ねにくいと感じておられるのであれば、勇気を持ってできるだけ、わからない事を尋ねてみられるといいと思います。

最後に、”本当に学生上がりの甘ったれだなと自分でも思います。”と書かれていましたが、ゆきえさんの場合、今はこの考えは棄ててくださいね。
社会という新しいステージに入られたのですから、最初は、甘えていいのです。

以上、回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。