Ⅱ先進企業が取り入れる人的マネージメントと、カウンセリングの共通する大切なエッセンス

前回の私が担当したビジネス心理学の原稿は約3か月前に書いたのですが、この3カ月の間に世の中の流れは速いものだと感じさせられるようなニュース等が相次いだかのように思いました。

前回のコラムは技術革新のスピードは加速し、最近ではAIやロボットの活用がテーマとなっています。そして、ホワイトカラーはAIに、ブルーカラーはロボットに置き換わるのではとの声も聞こえると書きました。

この3か月間のニュースでは具体的に、大手銀行がAI等に置き換えられるものは置き換えたりし、数千人の人員を削減するニュースが見られました。

また、製造業では更にロボットに置き換えられていくニュースや、サービス業に関しても介護現場でのAIの活用やロボットスーツ、建設現場でのロボットやロボットスーツの活用の記事が目にとまりました。

そして産業ロボットメーカーの好決算や、益々AI企業への多額投資のニュースが報じられ、ここへきて加速するかのような状況です。

この3カ月でさえ、AI化やロボット化に関するニュースが飛び交っています。

益々、企業は人的資源である人の生産性向上に取り組み、生き残りをかけています。

今回のコラムもビジネスで人の生産性向上に取り組みとカウンセリングで、共通している大切なエッセンスが大きく役立てられている事例を見ていきたいと思います。

今回は経済産業省と東証による「攻めのIT経営銘柄2017」にも選ばれたヤフーです。

ヤフーでは人の生産性をうまく引きだしている取り組みに1on1があります。その取り組みが社内を活性化し、会社を成長させています。

ヤフーは、会社もしくは自分の上司は、正しく見て評価してくれている前提があった上での仕組みでないと、いくら優れた制度を入れても、絶対に機能しないという事でこの制度を取り入れたようです。

まずはその1on1とは何かをみていきましょう。

1on1は目標管理や業務管理ではありません。

1on1は、上司と部下が定期的に1対1で話をする制度で、ティーチング・コーチング・フィードバックの3つの要素を使い分けた、個人の能力を引き出すためのアプローチと言われています。

部下がそれぞれ経験した仕事で「なんとなくうまくいった」「失敗した」ものについて、上司が「そこから何を学んだのか」を引き出すことが目的とされています。

社員が目先の業務目標や数字を追っていかなければならない状況の中で、自分が「その仕事から何を学んだのか」を確認できないまま日々が過ぎてしまうからです。

そんな状況を見過ごさず、フィードバックし学びを深め個人の成長スピードをさらに加速させるのが、1on1のようです。

次に1on1を実施する際に必要となる条件をみていきましょう。

その前提条件は、まず信頼関係があることとしています。

これは非常に重要ですね。信頼関係が無ければ何をフィードバックしても受け入れてもらえなかったり、やる気をそいでしまいかねません。

信頼関係をつくる為に上司は、日頃から部下を気にかけコミュニケーションを取り、時には自己開示をしたりと工夫し部下との関係構築することが大切です。

次の条件としては1on1を実施する目的を共有していること。ヤフーでは、経験学習を通じて部下にとって成長機会を見つけて欲しいというのが目的だそうです。

そして次の条件は実施する上司が1on1の力を信頼して言う事。1on1でヤフーをかえられると信じて実施する。実際に成果が出ていますのでプラスの循環になり業績の原動力になっているのではないでしょうか。

では1on1の進め方はどのようなものなのでしょうか。基本的には傾聴と質問のステップを使って進められているようです。

ビジネスの現場では上司が部下に意見を言いがちですが、部下の力を引き出すには自分の意見を言うのではなく傾聴することが大切です。そして部下が本音を言えるような環境が部下の力を引き出す事へと繋がります。

次に質問とは、部下の気づきを促す質問をするという事です。

失敗をしたのであれば「何を改善したらうまくいくと思うのか」と部下のリソースから改善のポイントを引き出す。また、成功事例から「どうしてうまくいったか」成功のポイントを抽出し確認していく。そうすることで何を学んだかを経験学習させているのだそうです。

このようにして1on1は実施されているとのことです。

1on1とカウンセリングで共通しているところは色々あるようですね。その中で3つ挙げるとすると1つは信頼関係、2つめが傾聴、そして3つめは質問があげられると思います。

1つ目の信頼関係に関しては、「無条件の肯定的配慮」と「共感的理解」を持って、日頃から部下との関係を大切にすることがポイントとなると思います。

「無条件の肯定的配慮」と「共感的理解」に関しては前回のコラムを参考にして頂ければと思います。(先進企業が取り入れる人的マネージメントと、カウンセリングの共通する大切なエッセンス

2つ目の傾聴に関しては自分がどう思うかではなく、相手の立場に立って相手があたかも感じてるかのように聞くことです。これは慣れないと意外と難しいです。

3つ目の質問は相手に気づきを与えるにはどのような質問が適切か、よく考えたうえで質問することだと思います。

ズバリ指摘する方法もありますが、自らの気づきの上で答えが引き出されると自信につながり成長へと繋がっていくのではないでしょうか。

前回のGoogleの「心理的な安全」、そして今回のヤフーの「1on1」といい根底にはカウンセリングが土台にあるのではと思えてしまうのは私だけなのでしょうか。

ビジネスパーソンの方には是非カウンセリングを体験し、カウンセリングでも自己成長を体験できることを試してみて頂けたらと思います。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

平林 義和

人生を変えたい40代前後の方を応援するカウンセラー&メンタルコーチ。 今の自分でいいのか、どうも同じことを繰り返しているパターンがある、とお悩みの方の心の奥深い層にアクセスし、悩みの解決とその先にあるビジョンや才能を引き出し、より自分らしく心豊かな人生へ導くサポートが好評である。