人がパフォーマンスを発揮する為の根底になる信頼関係

ビジネス心理学をご覧頂き有難うございます。
今回は平林が担当させて頂きます。
どうぞ宜しくお願いします。

前回私が担当させて頂いた2回は「先進企業が取り入れる人的マネージメントと、カウンセリングの共通する大切なエッセンス」と題して、業績を上げている海外の企業Googleと日本の企業yahooの取り組みを見てきました。

ヒト、モノ、カネ、情報が主要な経営資源と言われる中で、うまくヒトの力を引き出しているからこそ業績を上げている2社です。

少しふり返り、2つの内容から共通項を見てみたいと思います。

まずGoogleでは、社員の為の場づくりとして最も心血を注いでるのが、心理的安全の構築という事でした。
そしてGoogleでは、上司が直接パフォーマンスを発揮するのではなく、部下に最大の成果を挙げて貰う。その為の場づくりができる人が最高の上司としています。

その場づくりに最も重要な心理的安全の構築は、チームが一つの目的に向かえるよう、部下たちが素直に自分を出せると言われています。

心理的安全をしっかり構築したうえでGoogleは「目標と結果」をマネージメントしています。

そこに心理的安全が無いと、自由な発想が生まれてこないばかりか、多くの企業の上司は、すぐに仕事の話をしようとし、自分の言いたいことを言って終わってしまうこともあります。

部下に万が一ミスが発生しても、心理的安全を築ける上司とそうでない上司との間では、はっきりとその後の対応にも差が出るようです。

Googleは生産性の高い企業として注目されています。そのパフォーマンスを最大限引き出しているのは、人が本来持っている価値を高める仕組みづくりにあり、そのベースには自己表現が自由に出来る心理的安全の場にあったのです。

次にyahooでは、人の生産性をうまく引きだせる取り組みとして1on1を採用していました。
そこには、会社もしくは自分の上司は、正しく見て評価してくれている前提があった上での仕組みでないと、いくら他の優れた制度を入れても、絶対に機能しないという事でこの制度を取り入れられました。

1on1は目標管理や業務管理ではなく、上司と部下が定期的に1対1で話をする制度で、ティーチング・コーチング・フィードバックの3つの要素を使い分けた、個人の能力を引き出すためのアプローチです。

社員が目先の業務目標や数字を追っていかなければならない状況の中で、それぞれの仕事から、上司が「そこから何を学んだのか」を引き出すことが目的とされています。

上司がフィードバックし学びを深め、個人の成長スピードをさらに加速させるのが1on1です。

そして1on1を実施する際に必要となる条件は、信頼関係が築けているかです。
信頼関係が無ければ何をフィードバックしても心から受け入れてもらえなかったり、逆にモチベーションを下げてしまう場合もあります。

また、1on1を実施する目的を共有していること。

次に実施する上司が1on1の力を信頼し、yahooをかえられると信じて実施することでした。

この2社の取り組みは、部下と上司の信頼関係がしっかり構築出来た上で実施している事が共通項ではないでしょうか。

信頼関係は「無条件の肯定的配慮」と「共感的理解」を持って、日頃から部下との関係を大切にすることがポイントとなるとお伝えしました。

しかし、この信頼関係とはどういうものでしょうか、また距離感は人によって異なったりします。

今回はこれらを体感するメソッドをご紹介したいと思います。

それは「トラストフォール」という信頼を培うためのメソッドです。

2人1組や複数人で組んで同じ方向を向いて前後に並び、前の人が倒れてくるのを、後ろの人がしっかり支える、というものです。

実際にやると、倒れるときは後ろで支えてくれるかどうかが見えないので不安になります。

そして倒れていき、誰かに支えられた瞬間はすごくホッとすることが出来ます。

上司やグループ内の信頼関係もこれと同じ感覚です。
体の感覚をもって信頼関係を培うためにはとてもいい簡単なメソッドです。

実際にやってみると、人によって支えてほしいタイミングが違います。
その為、どんな角度で支えて欲しいかを何度も試して伝えあうと、よりその人に適切なタイミングと角度がわかってきます。

人によってはギリギリまで耐えて支えられるのが好きだったり、人によっては、早い段階から寄り添うように支えられている方が安心して実力を出せる人もいます。

支えてもらうタイミングを調整して、「もうちょっと早く」とか「もう少し遅くと」とか角度とか、コミュニケーションが取れていると、より信頼関係の距離感がわかってきますね。

信頼関係が出来ているとどんなに安心か、逆に信頼関係が出来ていないとどんなにか不安か実感をもって体験できます。

そして人それぞれの信頼関係の距離感がわかってきて、それが仕事で機能してくると今まで以上にパフォーマンスが発揮出来てくるのではないでしょうか。

一度是非お試し下さい。

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