不十分な自分を受け入れる成熟さはバージョンアップの鍵

◆「自分のいいところをプレゼンしてください」と言われたら?◆

「自分」のいいところを「プレゼン」してくださいと言われたら、自信を持って堂々と「プレゼン」できるでしょうか?

カウンセリングやワークショップでこのような質問をすると
「自分のいいところ? 思いつかないんですよね〜。強いて言えば『○○なところかな??』」
という答えや
「他人からは『○○』って言われますけど、正直言って、プレゼンできるようなことなんてないです〜」
というような答えを返して下さる方は意外と多いんです。

そんな方に「自分のダメな部分をあげてください」という質問をすると「いくらでもあります!!」という答えが返ってくることもしばしば・・。
 

「自分のいいところよりダメなところばかりが気になってしまう。」
 

どうしてなんでしょうね?
今日はこのことについて、「成長」という視点から少し考えてみたいと思います。
 

◆「できないことができるようになる」がテーマの時代◆

生まれたての赤ん坊から、幼児期、そして小学校・・と
私たちは「できないこと」を「できるようにする」時代、
いわゆる「学ぶ時代」を過ごします。

社会の一員としてのルールや生きるための技能(交通機関を利用できるとか、買い物できるとか・・)を学ぶ時代です。

学ぶ時代には「スキルアップ」や「向上心」が成功の秘訣となります。

また、「這えば立て、立てば歩めの親心」という言葉が示すように、親を含めた周囲の大人たちも、もっとできるようになりなさい!と励まし、期待するので、
「今の状態」よりも「もっと成長すること」が求められるのです。

それと同時に
一人で眠ることができるようになった!
ひらがなが読めるようになった!!・・・など、
できなかったことができるようになると「すごいね」とほめられる経験もします。

この「できないことができるようになると誉められる」という成功体験を経て、わたしたちは「何かができるようになること」や「スキルアップすること」にこそ、価値があるのだっっっっ!!という思い込みを持つようになります。

「今」の自分ではなく、まだ手に入れていない「未来の自分」(スキルアップ後の自分)の方に視点を向けてしまうようになっていくんです。

未来の自分と今の自分を比べて
「ここができていない」
「まだまだ、未完成だ」
と感じる気持ちをモチベーションにして、よりすばらしい自分を目指して成長していくんですね。

向上心を持つというのはこういうことです。
何かを学ぶ時や「成長」を要求されるときには「向上心」がとても大切なんですね。
 

しかし、この考え方、感じ方だけでは「行き詰まってしまう」時もあるのです。

それは・・・。
一定以上のスキルや地位を手に入れた時や「成熟」が求められる時です。
 

◆「不十分な自分も受容できる成熟さ」がテーマの時代◆

学びの時代から成熟の時代へと人生のサイクルが変化すると、スキルアップよりも「個性」や「感性」そして「自己肯定感」が重要になります。
(これが「自我同一性(アイデンティティー)」が確立される青年期以降の成功の秘訣です。)

つまり、「今の自分を受け入れ、自分自身を愛する力」が必要になるんです。

ところが、わたしたちの心の中には、過去の成功体験(「できないことができるようになることに価値がある」という体験)が根付いているので、「今」の自分への肯定感を感じにくくなっているのです。

今の自分には価値がないかのように感じてしまう結果、今の自分にできることや、今自分が手にしているものへの評価が低くなり、
できていないこと、手にしていないものへの興味ばかりがが高まります。

「向上心」は大切ですが、もし、あなたが行き詰まっているならば「スキルアップ」ではなく「自己肯定感」を重視する時期なのかもしれません。
 

◆バージョンアップのカギは自分へのやさしさ◆

体が成長していくように、心も成長していきます。当然、成長に合わせて、向き合うべき「課題」も変わっていきます。

今のあなたの成長のステージにあった「ものの見方」「考え方」「ふるまい」ができていないとき、あなたを困らせる「問題」が起きます。

もしそうだとすると「問題は次のステップへの鍵」ともいえますね。

問題を通り抜けた先にはバージョンアップしたあなたがいます。
 

自分にダメ出し

自分を受け容れる

に変えて、バージョンアップしたあなたに会いにいきませんか?

この記事を書いたカウンセラー

About Author

那賀 まき

夫婦関係や子育て、対人関係、仕事、障害児の家族の問題など幅広いジャンルを扱う。特に「ずっと一人で頑張ってきた人が『より楽によりよい人生を選択できるようになるサポート』が好評である。 お客様から「無理のない提案で確実に変化できた」「会うと元気になる」等の感想が多く寄せられている。