表現する勇気

こんにちは、平です。

先日、私どものとても古い受講生から、結婚することになったという報告をもらいました。

彼女は恋多き女性だったのですが、なぜか結婚には縁遠かったのです。

婚活にはけっこうがんばっていましたし、ボーイフレンドもそれなりいたのですが、結婚にはなかなかなかなか至りませんでした。

彼女の頭の中には、「まず、おつきあいを始めて、恋愛し、その結果、結婚というゴールがある。そして、その後、赤ちゃんができればいいなぁ」というプランがありました。

読者のみなさんの中にも同じようなプランをおもちの方はいらっしゃることと思いますが、彼女も結婚を念頭におきながら、恋愛を中心とした出会い系のサイトやサークルに登録したり、合コンに行ったりしていたわけです。

そんな彼女ですが、結婚にはたどりつかないまま30代の半ばを越え、あせり始めました。

そのとき、彼女の中にやってきたのが、発想の一大転換です。

「私は結婚したーーい!」

そのときから、彼女は婚活の舞台を、恋愛ではなく結婚を目的としたサークルや紹介所に替えました。

すると、それまでは彼女が望むタイプの男性はなかなかいなかったのに、こちらではいきなり、迷うほどの出会いがあったというのです。

誤解のないように申しておきますと、結婚を前提にしたサークルが、イケメンぞろいだったというわけではありません。

彼女曰く、「おたがいの目的がはっきりわかっているので、なにかと話が早いんですよね。ヘンな腹の探り合いとかなくて‥‥」。

彼女はずっとあせっていたわけですが、表面的にはぜんぜんあせっていないふりをしながら恋愛してきました。

しかし、結婚を前提としたサークルでは、いうまでもなく、「結婚するか、しないか」が結論となるわけです。ですから、二人の結婚観や人生観をあたりまえのように話し合い、ぶつけ合うということが、気持ちいいほど普通にできたそうなのです。

恋愛を目的としたサークルでは、彼女はいつも「ほんとうに結婚する気があるの?」という疑問にぶち当たってきました。

一方、結婚を目的としたサークルでは、男性たちももちろん結婚するためにやってきているわけですから、そんな疑問をもつこともまったくなかったとか。

彼女曰く、「毎回がガチンコです!」。

そして、そのサークルに入って5カ月目に結婚相手を決めたらしいのです。

彼女にはそれなりの恋愛経験がありましたから、「どんな人でも、だいたい、合わせることができるかな」と思っていたそうです。が、彼女の選んだ人は、地方出身の素朴でまじめな男性でした。なぜか、素朴でまじめなところに誠実さが感じられ、それが彼を選ぶいちばんのポイントになったそうです。

彼は恋愛上手ではないし、気の利いたこともあまり言えないタイプらしいのですが、男性に傷つけられることが何度もあり、男性を疑うことも多かった彼女にとって、誠実で信頼できるというのはなによりの魅力だったようです。

「ほんとうに欲しいもの」を表現したり、相手に望んだり、相手の気持ちを聞いたりすることには勇気がいります。

でも、その望みや聞きたいことを先送りにしてしまえばしまうほど、夢は遠ざかってしまいます。

言えない、聞けないことの心理には、「拒絶されるのではないか」という恐れと疑いが潜んでいます。そして、「なんとか彼が変わってくれたらなぁ」とあなたは待ってしまうわけです。

しかし、彼を変えるいちばんのヒケツは、あなたが「いちばん望んでいることはなにか」を彼に伝えることなのです。それがきっかけで、彼の意識が変わることがじつはとても多いようですよ。

たとえば、「結婚したい」と思っているあなたと、「もう少し遊びたい」と思っている彼。彼がその気になるまでじーっと待っているだけでは、結婚は遠のきます。

勇気をもって言ってみることで、彼も結婚を考えはじめたなら、しめたものですよ。

 

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。