心の中の子供を助けてあげる~インナーチャイルド2~

頭でわかっているのに気持ちがついてこない、そんな心のサイドブレーキは、子供の頃の傷ついた経験から作られることがあるのです。

その傷を癒すことでサイ ドブレーキは外せます。

私達は、頭では分かっていても、気持ちがついてこないことがあります。

あまり依存的になりすぎちゃいけないと思っていても、ついつい依存的になり
すぎちゃったり。

自己表現をもっとしなくちゃいけないと思っていても、ついつい自分の気持ち
を抑え込んでしまったり。

もっと自信を持ってもいいんだと思っていても、ついつい自分を卑下してしま
ったり。

こんなふうに気持ちがついてこないことがあります。

意識的には、こうしたいと思っているのに、
心の中にブレーキをかけてしまう力が働いている感じです。

それは、前に進もうと車のエンジンをかけているのに、
サイドブレーキが、かかったままの状態になっているようなものかもしれませ
ん。

その心のサイドブレーキは、子供の頃の痛みから作られている場合があります。

例えば、しょっちゅう、自分の感情を抑圧してしまうタイプの方がいます。
それは意図的にではなく無意識のうちにしてしまうのです。

自分で、感情を抑え込もう、我慢しよう、等と意識的に抑え込むつもりは
なくても、自分でも気づかない間に、オートマチックに自分の感情を抑え込んで
しまうようです。

まるで、イライラした時に無意識のうちに指先で机を“トントン”と
叩いてしまうかのように、自分では気づかないうちにやってしまうのです。

それは癖のようなもので、長年の我慢、辛抱、耐える、自分の気持ちを抑える
というような経験から身に付くことが多いようです。

我慢、辛抱、耐える、自分の気持ちを抑えるということをしたいわけでは、
ないのですが、我慢、辛抱、耐える、自分の気持ちを抑えざるおえない環境だ
ったり、事情があったりすると、自分の気持ちを抑えないといけない、感情を
表に出しちゃいけない、我慢しなくちゃいけない、等の心のサイドブレーキが
作られてしまいます。

また、自分で感情を抑え込んでいるなー、
自分の気持ちを出すことを我慢しているなー
と気付いていても、なかなかその感情を表に出せなかったりもします。

頭では自分の気持ちを表現しよう、言いたいことを言おう、腹が立つときは腹
を立ててもいいんだ、などと思っていても、心のサイドブレーキがかかったま
まだと、いざ自分の気持ちを表現する時には、いつものように自分の気持ちを
抑え込んでしまいます。

頭では分かっていても気持ちがついてこないんですね。
この場合、心のサイドブレーキを外してあげることが必要ですね。

● インナーチャイルド ●

カウンセリングでは、

・どれくらい我慢、辛抱、耐える、気持ちを抑えるを続けているんだろう?
・いつごろからしているんだろう?
・何でするようになったんだろう?
等と色々と探っていきます。

我慢、辛抱、耐える、気持ちを抑えることが癖になっているくらいですから、
長い年月続けていることが多いです。

「小学校くらいからやり続けている気がするなぁ」
「中学校ぐらいからこの癖がある気がする」
「物心ついたころからやってるような気がする」

こんな感じで、ずいぶん昔から自分の気持ちを抑えてしまわれていたことが多
いです。

それは好きで自分の気持ちを抑えていたわけではなく、
自分の気持ちを抑えなきゃいけない理由があったことがほとんどです。

例えば、ご両親が共働きで、幼い頃から鍵っ子だった場合、
幼い子供としてはお家で留守番をしているのは寂しいです。

その寂しさを両親に伝えることができず、我慢してしまう場合があります。

思いやりがある子だった場合、ご両親が仕事で大変そうな様子を察して
『寂しいと言ったら、困らせてしまう』そう思ってしまい、
自分の気持ちを抑え込んでしまったりします。

そしてことあるごとに、『迷惑かけちゃいけない』、『困らせてはいけない』、
『負担になってはいけない』、と思い自分の気持ちを抑えこみます。

迷惑をかけないように、困らせないように、負担にならないように、良い子で
いようとする人もいます。

それらを繰り返すうちに、自分の気持ちを出すことがまるで迷惑をかけるよう
な感覚を覚えてしまいます。

自分の気持ちを出すこと自体は、決して迷惑なことではないのですが、
『寂しいと言ったら(自分の気持ちを出したら)、困らせてしまう』
子供ながらにそう思う経験があると、
『自分の気持ちを出すこと=迷惑なこと』
と心の中で結びついてしまうことがあるのです。

すると、『自分の気持ちを出すこと=迷惑なこと』という感覚が心の中に作ら
れて、その感覚は大人になっても残っていたりするのです。

大人の頭では、自分の気持ちを出すことはコミュニケーション上、大切なこと
だと頭ではわかっているのですが、子供の頃に作られた、
『自分の気持ちを出すこと=迷惑なこと』という感覚が、
自分の気持ちを出してはいけないとサイドブレーキをかけてしまうのです。

イメージ的にとらえていただくとすれば、大人の心の中に
『寂しいと言っちゃいけない(自分の気持ちをだしちゃいけない)』と
我慢している子供が住んでいるとイメージしていただければわかりやすいと
思います。

そんな、心の中に住んでいる子供をインナーチャイルドといいます。

● インナーチャイルドを助けることで心のサイドブレーキをはずす ●

傷ついたインナーチャイルドが原因で心のサイドブレーキを作っている場合、
カウンセリングでは、心の中に住んでいる子供が持っている傷を癒したり、
誤解をといたり、子供の頃に抑え込んでしまった気持ちを解放したり、等を
することによって心のサイドブレーキを解除していきます。

そのサイドブレーキの解除方法はカウンセラーがその人その人に合わせて考え
ていきます。

例えば、自分の気持ちを抑えこんでしてしまうルーツが先ほどの例文でだした、
『寂しいと言ったら、困らせてしまう』という思いだったとしたら、

・両親への思いやりから寂しいという気持ちを言わずに我慢してきたけど、
言ったとしたら本当にそれは迷惑なことだろうか?
・言ったらお父さんやお母さんは迷惑と思っただろうか?
・子供が寂しいという気持ちを抱えたままの方が両親は辛くないだろうか?

等と色々な方向から考えていき、『自分の気持ちを出すこと=迷惑なこと』
という方程式を崩していく方法を取る場合もありますし、

当時の寂しいと言ったら、困らせてしまうと思い、封印してしまった気持ちを
思い出して、その気持ちを十分感じながらイメージの中の両親に伝えてみる
ことによって抑え込んでいた気持ちを解放する場合もあります。

当時の気持ちを十分感じながら伝える方法を、もう少し詳しく説明しますね。

例えば封印していた気持ちが、
『両親に本当は寂しいという気持ちを受け止めて欲しかった、もっと一緒にい
たかった』 という気持ちだった場合、

感情を十分に感じながらイメージの中で作った当時の両親に

『寂しかった』
『一緒にいてもらってもいい?』

等と言えなかった思いを伝えることで抑えていた気持ちが解放されて、
心の中がスッキリしたり、実際に言ってみて、自分の気持ちを出すことは、
そんなに悪いことじゃないんだなぁ、という感覚に変わっていったりします。

心にかかっているブレーキは、潜在意識的なもの、無意識的なものですから、
実際の、お父さん、お母さんに言っているわけじゃないのですが、
感情を十分感じて解放して上げると、潜在意識的、無意識的には納得してしま
うのです。

なぜならば、潜在意識、無意識の世界は論理の世界ではなく、感情や感覚で
作られている世界だからなのです。

論理的(意識の世界)には、実際のお父さん、お母さんじゃないと理解してい
るのですが、論理の世界ではない潜在意識、無意識の世界では、感情や感覚的
に納得できれば問題は解決されてしまいます。

そうすることで『自分の気持ちを出すこと=迷惑なことじゃない』という感覚
に変わっていきます。

カウンセラーは、上手く潜在意識や無意識にクライアントがアプローチできる
ように船頭の役目を果たします。

少々、難しいことを書きましたが、分かりやすく言えば、
心の中に住んでいる傷ついた子供を助けてあげることで、心の中のブレーキを
取っていくのです。
このインナーチャイルドを癒すセラピー(心理療法)を、
インナーチャイルドワークといいます。

私たちは、頭では分かっていても、どうしても気持ちがついてこないことが
あります。

そんな時は、もしかしたら心の中に傷ついたインナーチャイルドがいるのかも
しれませんね。
そんなインナーチャイルドに気付いてあげるだけでも、
心のサイドブレーキをはずす作業は、スタートできますよ。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

原 裕輝

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪・福岡の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。