私だけを避けているのは何故?~不安が見えなくしてしまうもの~

例えば、パートナーとケンカをすると、お互いに不満感や自己嫌悪、罪悪感を感じやすくなります。

その感情が強くなればなるほど、パートナーと向き合うことはむつかしくなりますよね。
このようなときに「もしかして相手は私だけを避けてるのでは?」という状況が生まれやすくなりますが、ある意味では、実はあなたが不安を抱えたままの状態で相手を見て「私を拒絶している」と決めているという側面もあるのです。
何故なら、私たちは何かしら人が離れていくのではないか?という不安(分離感)を感じたとき、その不安に対処するために「不安を予測する心理」が働くことがあり、あえて不安を予測することで心と現実のバランスを取ろうとするからです。
何事も自分の不安をベースに相手の行動を捉えると、真実を見逃すことがたくさんあるということですね。

◎リクエストを頂きました◎
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7年間、遠距離恋愛を続けてきた彼から「そっとしといて」と言われました。悩みもあったらしいのですが、喧嘩の後だったこともあり、不安になった私は、そっとしておくことができず…。彼から「ほっといてくれと言ってるだろ!」と言われ、メールも返事がなくなりました。

私が「いつまで待てばいい?」と聞いても「期間を決めて悩むやつはいない」と言われ、「私がいない方がいいならサヨナラ言うよ?」と言うと「そういう問題じゃない」と。いっそのこと嫌いだと言ってほしくて「嫌いか保留」の2択で返事を求めたところ、投げやりに「なら保留でいい」と言われました。

でも、私以外の人とは普通に接しているようなので、やはり私だけを避けてる=心変わりではないかと思ってしまいます。他の人とは普通に接し、私だけを避けているのに別れない…どんな心理で、私はこれからどうしていけばいいのでしょうか?

(一部編集させていただきました)
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■まず不満感と自己嫌悪・罪悪感という心理から。

ケンカはひとつのコミュニケーションの形だと言えますが、どうしてもお互いに心理的なダメージやわだかまりを残してしまいがちですね。

ケンカをするとどうしても自分を分かってもらえていないという不満感、またパートナーを責めてしまった自分への嫌悪感や、罪悪感(パートナーを傷つけてしまった自分への自己攻撃)を感じやすくなります。

その不満感や自己嫌悪などが強くなればなるほど、パートナーと向き合うことはむつかしくなりますよね。向き合えばそれら感情を感じてとても嫌な感覚を覚えますから、どうしてもパートナーとは向き合いたくはない、拒絶したいと思ってしまうものです。

このようなときにリクエストにあるような「私だけを避けてるのでは?」という状況が生まれやすくなりますね。心理的にみれば「彼があなたとの間で感じている感情を感じたくないから、その回避行動している」とでも言い換えられるでしょうか。

そういう意味では、実はあなた自身が「彼の行動を見て「心変わりだ」と決めている」という側面が出てきます。

彼の本心は変わってしまったのか?そうではないのか?(感情的にあなたに向き合いきれない)は、この時点ではまだ決めきれないことでもあるんですね。

なぜそうなってしまうのか?というと、あなたが「私を避けているのに、別れない彼」という疑問を抱えたとき、「彼はきっと私をもう愛していないんだ」と思ったほうが心が安定する「ある理由」があるからなんですよね。

■不安が見えなくするもの

恋愛や人間関係の中で、何かしら人が離れていくのではないか?という不安(分離感)を感じたとき。その不安に対処するために「不安を予測する心理」が働くことがあります。

私たちの心は「曖昧さ」「分からない」という感覚を持つと「怖れ」を感じます。その怖れを自分で受容できないと、どうにかしてその怖れを感じる状況から抜け出したくなります。

つまり、曖昧なものや分からないことを予測して怖れを回避しよう、心を安定させようとするわけです。

今回のリクエストで言えば、

「彼が私のことをどう思っているか分からない」という不安を自分で受容しきれないので、彼に対して「嫌いなら言ってほしい」「私から去ったほうがいい(気がする)」「相手の心変わりではないか?」とあなたが予測した不安がベースの判断ばかり浮かんでくるのです。

もちろん、意識的には逆を望んでいることが多いもので、悲観的な想像をしたいわけではないはずなんです。彼にもう一度向き合って欲しい、もう一度選んで欲しいという願いがあるにも関わらずこうなってしまうのは、あなたの心が自分の不安に対処することで精一杯になっているからなんですね。それぐらい今のあなたは強い不安に苦しめられているのかもしれませんね。

このようなケースで何が多く問題になりやすいかというと、自分の不安に心がフォーカスしすぎてしまい(心が不安に支配される状態)、自分の本音・本心までも見失ってしまい、表現できなくなってしまうことなんです。

そして、不安があなたの本来取るべき判断や自分自身が元々持っていた相手への愛情を見えなくしてしまうこともあります。

だからあなたが「本当はやめておいたほうがいい」と理解していることも止められなくなってしまいますし、あなたが「本当にしたいこと」ができなくなってしまうのです。

■最後に・・・

もちろん相手にもいろいろな事情があるでしょう。彼があなたに向かい合わない理由は心理的なものだけにとどまらないケースもありますよね。彼自身が別の悩みを持っていたり、喧嘩でどこか傷ついていたり、彼の価値観として現実を受け入れられなくなったり。いろいろです。

ただひとつ言えることがあれば、自分の不安をベースに相手の行動を捉えると、見逃すことがたくさんあります。

もちろん彼の言動に自分の不安を投影(映し出す)してしまうので、その不安は常にリアルに感じることもあるかもしれませんね。しかしそれは真実ではない場合もあり、自分の不安や予測に基づいていることが多いのです。

そうなってしまう心理には、あなたの自信のなさや自己肯定感の欠如といったものが隠れていることが多いんですね。自分に対して自信がない度合いだけ不安に振り回されたり、つい望んでもいない現実を引き寄せてしまいがち。

これは自尊心の問題なのですね。

心理的にいう自尊心とは「ありのままの自分を尊重し、認め、肯定すること」こと。

日頃から自分を肯定的に扱うことを意識してみましょう。また、自尊心は達成感や充実感で培われていく側面がありますから、日頃から何か好きなことに意欲的に取り組んだり、チャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。

そうして不安を受け入れられる、不安に振り回されない自分を培うことが今後大切なことだと言えますね。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

浅野 寿和

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。