「生きること」について。

こんにちは、建部かずのぶです。
このコラムをお読みくださっている皆さまは、今どのようにお過ごしでしょうか?
毎日楽しいことがいっぱい!という方もいらっしゃるかもしれませんし、しんどいことがいっぱいで、もうどうしたらいいか全然わからない、という方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、「生きている」ということで言えば、もちろん全員が共通していることですよね。
そんなの当たり前だよっ、という声も聞こえてきそうですが、これが至極当たり前なので、私を含めてあえて意識していないなぁと思ったりもするのです。
ただ、特に今年は東日本大震災や原発事故といった、生命に関わる出来事が続けて起こったこと。
私の身近でも、この「生きること」について気になる事が、たびたび起き、
「これも何かの学びなのかなぁ?」と思い、今回のコラムはこのテーマについて書かせていただきます。
私は小さい頃から、生きていることに意味はない。と思っているような子供でした。
そして、「なんで自分は、この世に生まれてきたのだろう?」と、何かにつけてこのことばかり考えていたように感じます。
まあ今では、生まれてきた意味も絶対にある!と思えるようになってきましたが、ずいぶん長い間この気持ちと一緒に過ごしてきたように思います。
ところが、そんな私に大きな転機がきました。
それは、ちょうど15年ほど前の事。特に今の時期になると、はっきり思い出す出来事があります。
当時の大切な恋人が、あっという間に逝ってしまったのです。
彼女とは神戸の震災ボランティアで知り合ったのですが、人一倍気を遣う、とても優しすぎる女性でした。
彼女のご家族や周りの人びととの関係は、良好であったようですが、元々、彼女自身がとても繊細な人だったこと。
そして一番の理解者だった母親を亡くしていたこともあり、いつもどこかで孤独を感じ、人知れず苦しんでいたようでした。
私には不釣り合いと思えるぐらいにキレイな人でしたし、震災という非常時に恋愛なんてとんでもない!なんて思っていた私ですが、彼女から突然告白されて、そのまま半信半疑で付きあい始めたのでした。
私たちは息がぴったりだったみたいで、毎晩のように長電話をし、何でも話せるような関係になっていきました。
やがて関係が進み、先方の親父さんのご意向もあって、翌夏にはそろそろ結婚も・・・という話も出るようになっていったのです。
親父さんも一緒に、新居のマンション探しをしたり、白無垢を着るんだ~なんて話が出てくる中で、何だか調子のよくない彼女。
夏先に1回検診を受けて、彼女の信頼していた医師の見解も、特に問題がないと思う。とのことです。
でも、やっぱり優れないしと、1月ほど経ってもう1度検診を受けた後に親父さんがこっそりと私に告げました。
末期ガンで余命1か月と言われた・・・と。
それから、彼女のご家族と同居しながらの看病が始まりました。
看病と言っても、彼女には病状を知らせないというご家族の方針でしたので、結婚指輪を買ったり、転院先の病院のそばにマンョンを借り、これからの2人の新居だよ、なんて彼女に伝えたりしていました。
私も、彼女が死ぬなんて考えもつかなかったので、「絶対死なせてたまるか!」と、だんだん腹水で膨らむ彼女のお腹を、それこそ全霊を込めてさすっていました。
私にできることはたったそれだけのことでしたが、私がさすると少し楽になるという彼女の言葉を励みにしていたのです。
彼女の親父さんは、「君に出会ってからとても幸せそうだった」と言ってくれました。
彼女も、私との出会いをとても喜んでくれたようです。
ついに意識がなくなってしまった中で、ふと意識を取り戻し、私に感謝の言葉を伝えてくれました。
その言葉は、私に大きな大きな愛を送ってくれたように感じています。
悲しみを押し殺して、一生懸命彼女のためにと踏ん張る中で、ホッと一息付けるような気持ちになれたのでした。
最後まで看取る!と言い張る私に、親父さんは、あんたには将来があるからと、帰された数日後。彼女が亡くなったと知らされました。
なかなか実感ができない中、彷徨うな気持ちでおりました。
道を歩いていても、仕事中でも、音楽を聴いていても、不意に泣き出したり、ドーンと沈んだ気持ちになったり・・・。
誰にも伝わらない気持ちを抱えながら、この先自分はどうなって、どこに向かえば良いのだろう?。
それ以降、私の中では、1つのルールができました。
それは、「とにかく生きる」ということです。
そうでないと、あれだけ幸せに思いを馳せていた彼女に失礼だと。
実は、その後に出会った女性とも結婚という話になった先に、これ以上きつい事がないであろうと思っていた、彼女の死以上に精神的にきつい状況になってしまったのです。
また、そのことで過呼吸になったりもしました。
行き場のない状況の中で、いろいろ彷徨いつつ、フラフラになりながら、このカウンセリングという世界に出会い、お世話になるうちに今の幸せを見つけることができました。
当時は、もうパートナーシップなんてコリゴリなんて思っていた私が、今の奥さまと出会って結婚し、しかもカウンセラーにまでなりました。
全く想像もしていなかった未来が私に待っていた。
当時の私に今の私が教える機会があっても、絶対信じないだろうなぁと思ってしまうぐらいなのです。
カウンセラーとして様々な方と出会う中で、笑顔になっていく人が増えたように思うことが多くなりました。
それぞれのペースもありますが、ご縁があった方の雰囲気がいい感じに変わっていくのを見つけると、それだけでとてもうれしくなってしまいますね。
私は小さい頃から、生きる意味って何だろう?と思っているような子供でした。
ですが、今は違います。
あえて生きる意味を求める必要はないのでは?と思っています。
後戻りはできない、一度きりの人生の意味を見出すよりも、後悔することなく毎日を楽しく生きていたいのです。
理想は、過去を自分なりに消化し、未来への希望を抱きながら、今を大切に過ごすことなのですが、現実はこんな簡単にいかないこともあると思います。
「痛い!」と思うとき、それは癒しや訂正を求めるサインです。
その痛みに気づき、時には信頼できる誰かと一緒にじっくりと見つめながら癒していくと、その痛みは知恵や思いやり、学びやパワーに形を変え、人生の道しるべにまでなってくれるのです。
乗り越えられない問題はやってきません。
ですので、今抱えている問題は、持てるだけの知恵を全部使って更なる成長を促そうとしているキッカケとも言えるのです。
あとは、一歩前進するために問題と向き合う勇気と意欲だけですね。
どん底から立ち直り、今は全然違う気分で毎日を過ごしている私が心から伝えたいのは、「自分の可能性を信じて欲しい!」ってことです。
自分の人生を諦めなければ、どんなに辛い状況に置かれたとしても、起死回生のチャンスは何度でもやってきます。
なぜなら、人にはかけがえのない価値がたくさんあり、それはどんなときでもずっと輝き続けているのですから。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
建部かずのぶのプロフィールへ>>>

この記事を書いたカウンセラー

About Author

奥さん大好きの仲良し夫婦のカウンセラー。年々親密さが増し、パートナーシップを進化させている。 育った環境から1人ぼっちも平気だが、垣根が低いフレンドリーさもある。 繊細さや直感力を言語化できるともお客様から評判である。様々な経験に基づいたカウンセリングは、実践向けとも言われている。

4件のコメント

  1. 「自分の人生を諦めなければ、どんなに辛い状況に置かれたとしても、起死回生のチャンスは何度でもやってきます。

    この言葉にとても勇気をもらいました。
    ありがとうございました。
    2年ほど前にリストラにあってから、就活が思うようにいかず、周りの人に助けてもらいながらも、精神的には辛い日々がずっと続いているのです。
    もうだめかな、、、と思った時には必ず読み返そうと思います。
    心にスッ…としみてくる言葉ってありますね。

  2. >かりんさんへ。
    建部かずのぶです。
    コメントありがとうございます。
    かりんさんにお役に立てる言葉となったようで、嬉しく思います。
    リストラ、就活となると、心の負担も大きいだろうなと想像しますし、
    助けてもらいながら・・・と思うと、心苦しくなりますよね。
    なかなかうまく行かないと、先が見えなくなったり、
    自分に何か理由があるのかなぁ、といろいろ考えたりしますよね。
    そんなとき、つい自分を否定的に見てしまい、
    本来持っている才能が霞んでしまうような事もあるかなって思います。
    そうなると、ちょっともったいないかもしれませんね。
    一方、周りの人に助けてもらいながらということは、
    かりんさんの状況を分かった上で、援助したいという思いやりであろうかと思います。
    いろいろ大変ではあると思いますが、そんな皆さんの温かい思いを糧にして、
    かりんさんの魅力や才能をを認めてくださる会社との良きご縁があるようことを、
    心よりお祈りしております。
    どうか自分の人生、そして可能性を諦めないでくださいね。
    コラムを読んでいただいた上に、素敵なコメントまでいただき、
    本当にありがとうございました!

  3. 建部さん
    あけましておめでとうございます。
    そしてお久しぶりです。
    何度かワークでご一緒させていただいている”セレブな”(建部さんに言っていただいた(笑))ものです。
    建部さんの記事のお話、以前少し聞かせていただきましたが、本当にお強い方だな、と思いました。
    否、人間ってすごいな、と。
    私もいろんなことがあって問題まみれですが、負けないでがんばりますね。
    建部さんの存在に感謝。そして益々のご発展、ご健康、ご多幸をお祈りして。

  4. Larissaさんへ。
    少し遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
    年明け早々、セレブなLarissaさんのコメントをいただき嬉しいです。
    確かに、いろいろなことで問題まみれだと大変ですよね。
    私もそんな真っ只中に浸っていた事が何度もありました。
    でも、その状態は永続的ではありませんでした。
    何かのきっかけだったり、気づきだったり、時には奇跡のようなご縁だったり。
    様々な事で少しずつほどけて行くこともあるでしょう。
    またワークやカウンセリングなどを使って、ご自身の根っこの部分から変えることで、
    同じ状況下でも、受け止め方が変わって行くこともあるでしょう。
    おっしゃるように、実は人はすごいのです。
    そのすごさを少しでも生かしながら、Larissaさんが本来お持ちの素晴らしさを磨き、
    表現できるようになって行けるようにと思っております。
    私もLarissaさんに少しでもいい道筋が開けて行くようにとお祈りしていますね。
    Larissaさんのお気持ちに感謝! 温かいコメント、ありがとうございました。