◇「平和」って、エエなぁ、、、。

今年・2005(平成17)年は、先の大戦・太平洋戦争(第2次世界大戦)
の終結から60年を迎えます。
と、言っても僕は、その時代に生きていた訳ではありませんので、ドラマや映
画・ドキュメンタリー・コミックスで「たぶん、そうだったんだろうなあ。」
と想像を膨らませたり
直に経験した人の話を聞いて、想いをよせてさしあげるのが、やっと、と言っ
た所です。
そう言えば、太平洋戦争当時を題材にした映画で、こんな作品を見たのを思い
出しましたっけ。
タイトルは「TOMORROW(明日)」だったと思います。
三越劇場で見た
と思います。
三越劇場とは、今年のG・W後に閉店した、大阪・北浜の百貨店、三越さんの
8Fか9Fにあった映画館です。
洋の東西、国内外を越えた、通の人向けの映画を中心に上映した劇場として
当時、東は東京の「岩波ホール」、西は大阪の「三越劇場」として知られてい
たものでした。
さて「TOMORROW(明日)」は、仙道敦子さんや、南果歩さんが主演さ
れ、長崎を舞台としてストーリーが展開していきます。
昭和20年8月9日に、原子爆弾が投下され、炸裂する、その瞬間までの、人
々の暮らしを描いています。
登場人物は、僕達と同じ、静かに日常生活を送る人たちでした。
まるで、日記
帳のひとコマのように
スローなテンポで、ゆっくり、ゆっくりと、静かにストーリーが展開して行き
ます。
戦時統制下に、物資の足りない中で、それでも、未来を信じ、明日を信じ、質
素に、つつましやかに祝言がとりおこなわれるシーンとか。
工場に働きにいく人たちや、学校で軍事教練を受ける若い子たち、、、。
この映画には、激しい戦闘シーンとか、後世に名を残すような登場人物は、い
っさい出てきませんでした。
物語は、「あの日」を迎えます。
その日も、いつもと同じような1日の、、、
はずでした。
映画を見てる観客は、彼らの運命を知ってるので、一瞬にして、続いた日常が
途切れる、そのやるせなさや、言葉にならない思いが、スクリーン越しに叫び
として伝わるような、静かで、インパクトの強い演出でした。
意味深なタイトル「TOMORROW(明日)」には、その瞬間によって「希
望や未来へ続く明日」が途切れた悲劇を強調していたように思います。
上空に、1機の爆撃機が現れ、ひとつの爆弾を投下し、主人公達が、それを眺
めつつ、落下した瞬間、画面が真っ白になりながら終わります。
その後、幾多の月日が流れ、今では国と国同士が争い、戦うことはほとんどな
くなりました。
ある地域の争いごとが、世界大戦へ発展するようなことも、まず考えられない
でしょう。
しかし、民族紛争とか、形を変えて今なお、この世界のどこかで揉め事は続い
てます。
僕のいとこのシゲオ君(仮名)、いやシゲオさんは、実は自衛隊で眼科医をし
てて、海外へ隊員さんたちが派遣される時には、そのお世話で同伴することも
あるんです。
哨戒(しょうかい・・・襲撃警戒)業務は、目が命なので。
目は、気温差や時差、気候など環境の激しい変化と、それに伴う疲労で大きく
左右されます。
どうやら、あの砂嵐吹く地域の派遣も、交代で無事終わったようです。
よくぞ
御無事で帰国されましたね、シゲオさん、いや、シゲオ先生。
でも、派遣期間が延長されたり、行く場所が増えたら、またお世話で海外へ出
て行くのでしょう、、、ね。
僕は、シゲオ先生の結婚式にも呼ばれたことがあったので、う〜ん、奥様はさ
ぞ気が気ではなかったと思います。
身近な所から、紛争や、きな臭い国際情勢の話を聞き、それに従事する人たち
の噂が聞こえると
この国で、当たり前のように思ってる、静かで平和に暮らせることのありがた
さを、かみしめずにはいられませんでした。
僕達カウンセラーが、お客様のお話を伺うことができるのは、大袈裟かもしれ
ませんが、「平和」な世の中が続くおかげなんですね。
「平和」って、エエなぁ、、、って。
その喜びをかみ締めながら、この夏をすごせたらと思います。
シゲオ先生に敬意を表しながら。

この記事を書いたカウンセラー

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