●60点満点

「60点で100点満点と同じに認めてあげてね。」
これは、僕が昔、サラリーマン時代に悩みを抱えた時、ある人から教わったこ
とでした。
僕は、学校を出たての頃、ある宿泊施設に入社しました。
配属されたのは、フ
ロントで、沢山のパートやアルバイトの人たちが働いてました。
「非常勤のパート・アルバイトさんたちから見たら、正社員で入ったあなたは
上司として見られますから、そのつもりで自覚を持って、がんばってください
ね。」
当時は、仕事を覚えるだけでも大変な上に、上司として自覚を持てと言われて
も、戸惑うばかりでした。
でも、頼りないと思われることを怖がって、わから
ないことを自分から聞く勇気もなかった僕は、体裁をつくろうだけの人になり
ました。
仕事の流れをつかんだ頃には、日常業務の流れに支障のない、人の失敗でさえ
も、重箱のスミをつつくがごとく怒ったり、責めたりする、イヤな人と化して
ました。
今、思えば「今度から気をつけましょうね。」と、穏やかに言えばす
むことなのに。
わからないことを聞かれたら「そんなもの自分で考えてから、こっちへ伺いた
てろよっ!」と突き放したり、、、。
そんな僕を見て、バイトさんたちやパートさんたちは、ただ怖がるばかりでし
た。
しかし、そんなある日、ひとりのパートさんがついにキレました。
「100点満点のテストで99点なら、0点と同じみたいな態度をとられたら
気が張り詰めっぱなしで、やってられないわよっ!!」
「、、、。」
僕には、かえす言葉がありませんでした。
悩んだ末にたどりついたのは、同じような悩みを抱えた人の集まりでした。

こで、ある年配の方が次のように教えてくださいました。
「ムカイさん、あなたは御自分に100点満点の完璧さを求めてませんか?御
自身に完璧さを求めすぎたら、御自身以外の方にも、その完璧さを求めてしま
うものなんですよ。で、あなたは人に求めるほど、御自分が完璧にできるんで
すか?」
「アルバイト・パートさんたち、つまりあなたの下で働いてる人たちの御仕事
ぶりを見る時は、100点満点のテストなら60点でOKにしてあげたらどう
でしょう。60点で100点満点と同じように見てあげてはいかがですか?い
わば、60点満点です。

「60点の目安は、日々のお仕事の切り盛りに、必要なポイントをおさえるこ
と。つまり日常業務が滞りなくすすめば、それでいいじゃないですか。もし、
残りの40点分を求めるなら、それは余裕があるときにお願いすればいいじゃ
ないですか。」
当時の僕は、体裁をとりつくろう内に、100点の完璧な人でいようとして、
それがいつのまにか、周囲の人たちにも完璧さを求めて、、ギスギスした感じ
を与えていたとは、、、思わなかったんですね。
完璧を求めることだけはやめようと決めたら、まわりの人たちは、はじめはビ
ックリしたようです。
しかし、次第にビクビクしながら僕に接していた人たち
の雰囲気が穏やかになったのは、驚きで、貴重な体験でした。
100点を求めるよりも、60点でもいいと思えたら、その気持ちでゆとりを
持って、人に接することができるんですよね。
さらにそこで「よくがんばったね。」ってひとこと言ってあげられたら、ほめ
てもらえた人は「さあ、また次もがんばろう」って、意気に感じるんじゃない
でしょうか?
リーダーシップをおとりになる立場の方で「つい、相手の人に完璧さを求めて
しまいがちで上手くいかない。」とおっしゃる方には、この「60点満点」の
視点を取り入れられてみてはいかがでしょう?

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