本当の強さ〜先輩たちから学ぶこと

先日姑が大病をして入院しました。
生まれて初めての大きな手術なので、姑はとても気持ちが弱っていて、毎
日たくさんの不安と戦っている様子でした。
姑は普段はとても活発で友達も多く元気印な人なので、周りの人は姑のこ
とをとても気丈な人という印象を持っていました。
ヘルパーの仕事をしていてたくさんのお年寄りのお世話をしたり、元気づ
けたりしてきた人なので、姑自身も「元気に振舞わなければ」という思い
が強くあり、それが姑の「なりたい自分」でもあったようです。


姑は私には自分の心のうちをよく話してくれました。
「本当はとても怖がりで、小心者なのよ。ちょっとしたことをいつまでも
気にしてしまったりね。。でもそんな風に見せたらいけないと思って、つ
いつい強気に振舞ってしまうのよ。。」
今回病気という大きな壁にぶち当たり、姑の中にある弱さの部分が溢れ出
てきて、そんな自分をなかなか扱いきれない様子でした。
そしていよいよ入院の日、看護婦さんに4人部屋に案内されました。
部屋に入るなり、????    ここは病室??
患者さんの一人は一生懸命パッチワーク作成中、一人は折り紙でなにやら
立体的な物を作成中、一人は絵の具で塗りえ中。。
まるでカルチャーセンターのような光景なのです。
もちろん各ベッドのし切りのカーテンは全開で、この部屋だけはとっても
明るいのです。
中でも塗り絵をしていたおばさんはカラフルなパジャマを着て頭にも同色
のバンダナを巻いて、とてもかわいらしいのです。
「今日からお世話になります。」と挨拶をすると、にっこり笑って「どう
せなら楽しみましょうね。」というお返事。
よくよく話を聞くと、彼女は6回目の入院で今回は4度目の乳がんの切除
とのこと。
しかもこの日は術後4日目らしく、なのにこんなに明るい表情なのです。
「私のがんは元気者なのよ〜」とにっこりしながら、今度は大正琴の譜面
を出して、エアーギターではなくエアー大正琴をし始められるのです。
「もうしたいことがいっぱいで、一日があっという間に過ぎていくわよー
後何年生きられるのかと思ったら、時間が大切でね〜。65歳でがんにな
って初めて自分のために生きれるようになったのよ。がんに感謝なのよ。
だから最低でも後20年は生きないとね」とまたにっこり。
姑が「落ち込んでる暇ないねー。」と言うと「今の悩みは来週の大正琴の
発表会までに退院させてもらえるかどうかなのよーー!!」と困った顔。
無理にポジティブにしようとしてるわけでもなく、ただ目の前の楽しみに
一生懸命で、何よりにっこり笑う笑顔がかわいくて、やさしくて^^
私は本当の強さというものを教えられた気がしました。
姑もこころに力が沸いてきたらしく、「私も手術が終わったら、絵手紙を
書くから水塗り絵教えて下さいねー」と本気の様子。
元々が好奇心旺盛で活発な姑は、たちまち意気投合して本来の元気印を取
り戻しました。
たった1時間で人のこころをこんなにも軽く出来るってすごいですよね。
この部屋がカルチャーセンターみたいだった理由がわかりました。
みんな彼女に生きる力を貰ってたんですね。
おそらく彼女はそんなことは考えてはいないのです。
ただただ楽しむことに貪欲で、やさしいだけなのです。
姑の手術も無事成功し、とても早い回復力にびっくり。
そしてもちろんおばさんも念願叶って発表会の前日に退院されました。
「来週また放射線治療に戻ってくるから、その時に絵手紙教えてあげるか
らねー!」とにっこり。
姑といつか海外旅行に行く約束までして、またまた元気をくれました。
姑も「この病気を気に私は生まれ変わるんだーー!!」とはりきっていま
す^^
ねこちゃんを理由に今まで旅行に行かなかったのですが、これからは私た
ちに頼んでいっぱい遊ぶからねーーとわくわくしています。
そんな姑を見ていると、私もとってもうれしくなるのです。
女性ってすごいですよねー!
おばさんてすごいですよねー!
かっこいいですよねー!
かわいいですよねー!
私もこの先輩たちからいっぱい学んで、本当の強さを育てていきたいと改
めて思いました!
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

夫婦関係、子育て、恋愛、コミュニケーション全般、自身の経験をもとに、自己愛がベースになるカウンセリングで、幅広いジャンルを得意とする。 母性が織り成す豊かな感性とやわらかさに加え、明るく元気なスタイルで、カウンセリングを終えたあとは心がほぐれて晴れやかな気持ちになれると好評である。