流れに身をまかせる

人生を生きていると、
幾度となく”本当に苦しい時間”を経験します。
失業、失敗、離婚、失恋、家族の問題などなど。
自分の願っている方向と全く逆の方向に現実が動いたり。
自分がずっと追いかけて来たものが、結局手に入らなかったり。
思いもかけない障害が目の前に現れたりする事もあります。
心はすさんでしまって、絶望から立ち上がれなかったり、
日々、生きることするままならぬ状態にまでなることもあります。


僕は若い頃、長い間追い続けてきた夢に挫折して、
すべてを手放してしまった経験があります。
人生の目的や意味さえ感じられずに、
ただ無気力な日々を生きるだけの時間を過していました。
もちろん今考えても、
至らななかった自分も知っていますし、
頑張りが足りなかったと事もあるでしょう。
挫折や失敗と捉えることのできる出来事です。
だけどもう少し視点を変えて見てみると、
その頃、目的も無く入社した会社で出会った人たちは、
その当時苦しい心境を抱えたままの僕を、
仕事に、遊びにと、自然に仲間として受け入れてくれました。
その時間は、傷心した僕の心を本当に癒してくれていましたし、
その後に就いた仕事ではお客様にもなってくれました。
また、何もする事が無く通い続けたライブハウスで出会った彼女が、
最初の妻になり、新しい仕事とも出会えたわけです。
その後も、離婚という苦しい経験がカウンセリングとの出会いで、
今、こうしてその仕事をさせてもらってるわけです。
離婚したから、今の妻とも出会い今の幸せがあるわけです。
その当時は、ただただもがき苦しんでいた時間ですが、
その度その度、新しい人に出会い、新しい幸せに導かれています。
そして、今の僕と僕の生活があるわけです。
悩み苦しむ大きな出来事とは、つらいけれど、
自分がもっと自分らしい生活に近づける転機なのです。
こんな話をすると、「君は今幸せだからそう言えるんだ」と反応する人も居ます。
だけど、あの頃手放した夢は、やっぱり叶って無いわけだし、
手放した子供は今も会う事は出来ません。
今の人生も過去の人生も、
不幸と思うことも出来るし、幸せと思うことも出来ます。
それは誰の人生でもそうだと思います。
ただその苦しい時間の最中には、
誰しも”幸せ”だとは感じられ無いでしょう。
そんな時、人生の流れを感じてみてください。
人生には、普段感じていない緩やかで大きな優しい流れがある様です。
自分の人生を振り返り、挫折や不幸という目ではなく、
今にたどり着く道筋だったという目で見たとき、
その大きな優しい流れが見えてきます。
もがいても暴れても、喜んでも楽しくても、
人生の流れは、今のあなたに導いてくれました。
そして今もこれからも、その幸せに向かう川は流れています。
その川の流れは、あなたにも他人にも誰にも止める事は出来ません。
今、苦しみがあるのなら、
今までの苦しい時期に希望を感じさせた”言葉”を思い出してみてください。
その時、誰かが言ってくれた”言葉”
偶然手にした本に書かれていた”言葉”
その”言葉”であなたは希望を持つことが出来てその時を乗り越えたでしょう。
その出会いも、人生の流れの中にあった出来事なのです。
そして今、人生の川のせせらぎに耳を傾けてください。
キラキラと輝いている水を感じてみてください。
あなたは今、この瞬間もその川の流れに流されているのです。
力を抜いてその流れに身をまかせてみてください。
※吉原 直人は2007/6月でカウンセリングサービスを退会しました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

退会しました。