〜手放すことで得られたもの〜

私が心理学を学び始めて3年と少し経ちます。
当時最悪だった夫婦関係を振り返って随分変わったなぁって素直に思える今、
その時の自分が感じていたことを書いてみたいと思いました。
その頃の私は結構ハードな仕事をフルタイムでこなしながら家事も全て受け持
っていたので、毎日毎日忙しくてゆっくりする時間が殆どありませんでした。
仕事が終わって帰宅するのが早くても19時。
20時を過ぎることもざらでした。
その時点ですでに疲れているのですが、座ってしまうともう立ち上がれなくな
ってしまうのでそのまま台所へ直行です。
とにかく夕飯の支度が最優先。食後は後片付けが待っています。
それから洗濯物の取り込みと洗濯とアイロン掛け。部屋の掃除にお風呂洗い。
やらなければならないことが山積みで気持ちが焦っている私のそばで、夫はと
言うと・・・


テレビを見たり本を読んだりゆっくりと寛いでいる(ように見えるのです)。
食べた後の食器は流しに持って行って欲しいなぁ・・・
脱いだ服は洗濯籠に入れてくれればいいのに・・・
ごみはゴミ箱に入れてよ〜!
読んだ本は置きっ放しにしないで片付けてよ〜!!
お風呂に入った後は換気扇を回してって言ってるのに〜〜!!!
・・・と言う感じで、何もしない所か余計に用事を増やしてくれる夫に苛立ち
を隠せなくなっていました。
どれだけ言っても彼の態度は変わらなかったし、言えばその時だけはやってく
れても又同じことの繰り返し。その繰り返しがまた疲れるんです。
やったら出来るのにしないことに腹が立つ・・・
どうして何もしてくれないんだろう?
私だって疲れているのに・・・
自分のことばっかりで自分さえ良ければいいの??
彼の態度が全く理解できず、私はお手伝いさんじゃない!!と心の中で叫んで
いました。思いやりのない彼の態度に情けなさや寂しさ、遣り切れなさを感じ
ていい加減嫌気が差していました。
毎日毎日同じことの繰り返しで家に帰ってもちっとも楽しくない。
「もう帰りたくないなぁ・・・」
「あんなに優しくない人とこれからずっと暮らしていくのは嫌だなぁ・・・」
気が付くと一緒にいることにうんざりしている自分がいました。でも、どうし
ていいのかが分からないんです。
自分は一生懸命頑張っているし、いくら言っても聞いてくれないのは彼のほう
だし、どうすれば手伝ってくれるんだろう?どう言えば分かってくれるんだろ
う?そんな事ばかり考えていたように思います。
そんな時に「しなければならないと言う観念を手放す」と言う事を教わりまし
た。
その当時の私はまさに「しなければならないこと」だらけの中で生活していま
した。
仕事はちゃんとしなければならない。
食事もちゃんと作らなければならない。
掃除も洗濯も家事は全てちゃんとしなければならない。
あっちを向いても、こっちを向いてもしなければならないことだらけなのに、
現実は何にもちゃんと出来てない・・・
毎日自己嫌悪を感じ、何も出来てない自分を責め、何もしてくれないと夫を責
めるという辛い日々を送っていました。何とかしたいと言う思いはあっても方
法が分からないと言う堂々巡りの毎日でした。
そんな時「やらなければならないと思っているのは自分だけ」と言われたんで
す。
「???」
その意味が分かりませんでした、
だってしなくちゃいけないじゃない・・・
しなくてもいいってこと???
わけが分からないながら「しなくてもいい」と言う選択肢は、疲れ果てていた
私にはとっても魅力的に映りました。
しないとどうなるのかなど分からないままにとにかく「やりたくないことをし
ない」と言う事にチャレンジしてみようと決めました。
例え夫がどれだけ不機嫌になろうと、もうやりたくないことはしないぞ!!と
固く決意したことを覚えています。(笑)
まず、夕食を作るのを止めて1週間お惣菜で済ませました。
すると自分がとっても楽なんです。
毎日食事を作らなければいけないと言うことに本当に疲れていたんだと改めて
分かりました。
そして、驚いたことに夫は何も文句を言わなかったんです。
なんだ、これでも大丈夫なんだ。。。
そして作らないと決めて1週間、自分の中にそろそろ夕食を作ってもいいかな
ぁと言う気持ちが出て来た丁度その頃、夫が「最近お惣菜ばっかりやなぁ」っ
て初めて言ったんです。
「ご飯作って欲しい?」と聞くと「無理しなくていいけど作ってくれたら嬉し
い」と言う答えが返ってきました。夫は私が作る夕飯を楽しみにしていたんだ
・・・と言う事実を初めて知りました。
その時に作らなければならないが作ってあげたいに変わったんですね。
これは大きな発見と変化でした(笑)
しなくてもいいんだと言う選択肢を自分に許せたことで、色んなことが一気に
楽になっていきました。
後片付けも、お掃除も何もかもしたくないことはしない。やろうと思ったとき
にする。そうすると気持ちが凄く楽になり、焦る気持ちやイライラする気持ち
が消えていった事を覚えています。
夫が散らかすことも手伝ってくれないことも、全部自分がしなければいけない
と思っていたから腹が立っていたんだと気づきました。
やりたくないことをしないことで心に余裕が出来、やる気が出たときに片付け
る自由を手に入れ、家事の精神的な負担がかなり軽減されると共に夫に文句を
言わなくなりました。
私の物の言い方が優しくなり夫を責めなくなると、徐々に夫が変わり始めたの
です。
ごみがゴミ箱に入るようになり、洗濯物は洗濯籠に入るようになり、その小さ
な変化がまた私を嬉しくさせてくれました。
「私がしなければ・・・」と思っていたことを、「やりたくないことはしない
」と言う選択肢を自分に許せたことで、険悪だった私たち夫婦に笑顔が戻って
きました。何よりこれが一番大きな変化です。
どうにもならないと思っていても、抜け道は必ずあるんですね。
こんな私の体験が誰かのお役に立つことがあれば本当に嬉しいです^^
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