板挟みになった時の心の持ち方

仕事で板挟みになったことってありませんか。
社内であれば上司と部下の間であったり、自分の部署と他部署との間であったり、2者の間で困ってしまった経験を持つ方も少なくないと思います。

他社とであれば、取引先(顧客・売り先)と取引先(仕入れ先など)など2社の間に入って板挟みになることもあります。
今回は、そんな場合を想定して書いてみようと思います。

たとえば、取引先A社(顧客・売り先)があり、その仲介的な役割がB社(自社=代理店、販売店など)、C社はB社からすると仕入先(メーカーなど)だとします。

あなたはA社からの注文に対して、C社に納期を確認して回答をしました。
しかし、その後C社より「納期が1か月以上遅れる」と期日が変更となる連絡が入ったため、慌ててA社にそのことを伝えます。
そうすると、A社担当者からは、「話が違う。それでは困る」と怒鳴られ、叱責されます。
C社に納期の短縮を懇願するも無理だと断られ、A社からは怒りの電話やメールが届きます。

A社に事情を説明してわかってもらおうとしても、立腹しているA社担当者からは嫌味や非難の言葉ばかり浴びせられます。
上司に相談をしても、これといった手助けはなく、「なぜそうなったんだ」と責めるような言葉があなたにかけられます。
あっちからもこっちからも理解もされず、協力もされない、そんな状況に追い込まれてしまいます。

こんな状況になると、本当に辛く苦しい気持ちでいっぱいになってしまいます。
仕事に行きたくない気持ちや逃げたい気持ちにもなることもあるでしょう。

社内ではなく他社が相手の話ですから、本当に言いたいことが言えない場合もあるでしょうし、どちらか一方の側に偏よることなく客観的で公平に判断することも必要です。
どちらの側の言い分もわかるけれど、間に立つ者としてはどうしようもできないことも多々あります。

A社もB社もそれぞれの言い分を譲らず話は平行線。
そして、あなたは両者から怒りをぶつけてこられることになってしまいます。

解決策や妥協案を考え、両者との調整に頑張っても、A社の怒りが収まることもなくずっと非難し続けられることもあります。
B社に協力をお願いしても、「出来ない」の1点張りで困ってしまうこともあり得ます。

そうすると、真面目で責任感がある人ほど、「自分が悪い。自分の責任だ。」と思い込み、自分を責め続けてしまいます。

気持ちを一瞬でも切り替えられるといいのですが、真面目で気弱な人であれば、絶えずそのトラブルが頭から離れず、夜も眠れなくる、食欲もなくなることもあります。

そんな時、あなたの心を守るために覚えておいてほしいことがあります。

1) ミスやトラブルは誰にでも起き得ること

もしあなたがミスやトラブルに巻き込まれた時、「私が諸悪の根源。私が関わると上手くいかない」なんて気持ちは潜んでいないでしょうか?

自分には上手くやれないのではないかという不安や心配があがってくるのは、キチンと仕事をしたいという証拠です。
そんな気持ちがあるあなたは、しっかり仕事が出来る人のはずです。
仕事に誠実で誠意がある人です。

自分が担当だからミスやトラブルが起きたと自分だけを責める必要はありません。

2) 相手の叱責は何割か間引いて聞くこと

相手が怒りの感情とともに叱責してきたとしたら、それを真に受けないことが大事です。
相手先にもその先に取引先(顧客)があるとするなら、その人もその顧客から「どうしてなんだ!」と同じように責められているとも考えられます。
そうすると、やり場の無い怒りの矛先はどうしてもあなたに向かってしまいます。
理由を説明しろと問い詰められたり、時にはあなた自身を罵るような言葉、人格否定に近い言葉を投げかけてくるかもしれません。

「私が悪いから・・」と思い詰めていると、その人の言葉を真剣に聞かなければ、許しを請わなければと思いがちです。
けれども、相手が感情的になっている場合はその話は100%で受けとめようとしなくていいのです。

ミスやトラブルの原因などはしっかり確認したり受けとめる必要はあります。
そして、反省することは大切なことです。
が、真摯な反省や謝罪はしても、必要以上に自分を責め続けることはしなくてよいのです。
相手の言葉を額面通りに受けとめ過ぎて、自分で自分を否定するようなことに使わなくてよいのです。

3) 気持ちの切り替えにチャレンジする

気持ちの切り替えができるなら、こんなに悩まない、という声が聞こえてきそうですが、一瞬でも切り替えができると気分は少し変わります。

たとえば、深呼吸をしてみる。身体を動かしてみる。太陽の日差しや風を感じて気持ちを感じてみる。
そんなことをすることで、一瞬でもホッとしたり心地よさを感じられると気持ちを切り替えるきっかけになります。
すぐにまた元の気持ちに戻ってしまったとしても、またチャレンジすればいいのです。

気持ちの切り替え、それは身体の緊張を緩めることでもあります。
気持ちがいっぱいいっぱいになっている時は握りこぶしを作ってガマンをしているような状態です。
それが一時でもフッと力を抜けると心身ともに少し軽くなります。

思い詰めている時は目線も頭も下を向いていますから、顔を上げてみるだけでも構いません。
地面しか見ていないところから、上を向いて広い世界(景色)が見えると何かヒントが降りてくるかもしれませんよ。

仕事をしていると、いろんな出来事に遭遇し、もう万事休すという思いになることもあるでしょう。
板挟み状態はとても苦しく辛い状況ですが、きっとそれを乗り越えていく力はあなたには備わっていると思います。
あなたにとって、何かしらのヒントになれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己否定、自己嫌悪、疎外感、自己肯定を得意とする。「その方の心に寄り添い、一番の味方でいること(安心感)」をモットーに、わかりやすい言葉で恋愛問題や対人・自己との関係を紐解き、改善・生き易さへと導いている。  東南アジア2カ国での生活経験もあり、国や文化の違いについても造詣が深い。