実は依存体質ではない?怒りや不満になる前に知っておきたいこと

怒りや不満になる前に知っておきたいこと

依存心があるのに認められないと怒りや不満に繋がることがあります。銀座の高級クラブに行くおじさんの例えを使って解説をします。銀座の高級クラブを例え話として書いていますがファミレスでも美容室でも同じことはおこります。私は実は依存しようとしてた!と気づいて怒りや不満を防ぐ方法をご紹介します。

■自分の依存心を上手く満たせない

依存心を持っていることを認めることに抵抗感をもっていたり、依存を上手く表現できない心理が邪魔をして、ご自身の依存心を上手く満たせないことがあります。

その場合、なんらかの理由や立場を使う形で依存心を満たそうとするのですが、なんらかの理由や立場を使って依存心を満たそうとする心理が怒りや不満を言った新たな問題を作ることもあります。

この心理の動きを知ることで、怒りや不満と言ったネガティブな形が出ることを防いだり、あなたの依存心を満たすバリエーションを増やすヒントになればと思い今回の記事をご紹介しています。

■依存心と銀座の高級クラブの関係

お酒を飲む場所で、隣に女性の従業員さん(ホステスさん)がついて 水割りなどのお酒を作ってくれて、従業員さんと談笑しながらお酒を飲むような飲み屋さんがあります。

東京の銀座にあるような、いわゆる高級クラブと呼ばれるような場所もそうです。

高級クラブと呼ばれるような場所では豪遊せずとも10万円、20万円という単位のお支払いが発生するとか。
(こちらのお値段は、google先生による”銀座高級クラブ 相場”検索からのお値段)

お家で飲む用のお酒を近所の酒屋さんで買ってきたら、良いお酒を買ってきても5千円とか1万円で買えるのに、なぜ10万円、20万円のお金を出してお酒を飲むんだろう?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

その心理を分析すると、10万円、20万円のお金を出して 依存を満たしに行っているという人がいます。

依存することに抵抗がある方は、本当は依存心があるにもかかわらず、その依存心をうまく表現できないことがあります。

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例えば、仕事で苦労があった、その気持ちを聞いて欲しい、そしてねぎらって欲しい、頑張ったことを褒めて欲しいというニーズ(欲求)があり、そして、そのニーズを誰かに満たしてほしいという依存心がある、おじさんがいたとします。

しかし、 そのおじさんは、依存することに抵抗があるので、素直にその気持ちを出せない人だとします。

「私の話を聞いてほしい」
「大変だったんでねぎらってほしい」
「頑張ったから褒めて欲しい」
「頑張ったね、大変だったねとちやほやして欲しい」
ということを素直に出せない人。

本当は 誰かに満たしてほしいという依存心があるわけなのですが、素直に出せないわけです。

そういう時に、従業員さんが横について話を聞いてくれるような飲み屋さんに行って依存心を満たそうとするのです。

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“ここのクラブにいる人は従業員で、ホスピタリティを発揮することがお仕事だよね。だから私はもてなされる立場だよね”

“私はお金払って飲みに来たお客だよね”

“だから私は話を聞いてもらってもいいよね”

“ホスピタリティを発揮するのが、ここの従業員のお仕事だから、ねぎらったり、褒めたりするのは当然だよね”

“私はお金を払っているからサービスを受けて当然の立場、授業員はそのお客をちやほやするのがお仕事。だからここではちやほやされる為の話をしてもいいよね”
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というような、
“お金を払っている立場だから”
とか
“私はお客だから”
とか
“それがこの店のスタッフのお仕事だから”
という理由がつくことで、自分の依存心を出すことについて許可が出るわけです。

そういうわけで、お酒を飲みに行くという 目的だけではなく、依存心を満たしているという側面があるわけです。

■ 依存心を嫌うことが要因

人に対して、
「簡単に弱音をはかずに頑張れよ」
「簡単に人に甘えずに、自分で何とかしろよ」
「誰かに依存せずに、自分のことは自分で面倒を見るべきだ」
などのように甘さや弱さを誰かにフォローしてもらうことを良く無いことのように思う人がいます。

つまり、依存心を持つことについてよく思っていないわけです。

このタイプの人は、依存心を持っている人のことをよく思っていないわけですから、自分に対しても依存心を持つことをよく思えないです。

そのため、本当はご自身の中にも依存心があるのですが、自分自身で依存を嫌っているので、自分の中に依存心があることを認められなかったり、依存心をうまく表現できない形になることがあります。

このように依存心を嫌っていることが要因となっていることで、先程の高級クラブに 行くおじさんの例え話のように、”お金を払っているお客の立場だから”というような何らかの理由をつけて、ようやく自分の依存心を出すことに許可を出せ、そして依存心を満たすという形になる場合があるわけです。

■依存心が生む怒りや不満

先ほど、例え話として、
高級クラブで依存心を満たすおじさんの話がでましたが、この形で依存心を満たそうとすることが悪いわけじゃないです。

おじさんも満たされるし、お店も潤うし、WIN-WINですね。

しかし、この心理がネガティブな形ででてしまうケース出てる形があります

自分の依存心を素直に認められないのでいろんな理由を使ってようやく依存することに許可が出せるのですが、その依存がうまく満たされたいときに、怒りや不満という形で出てしまうことがあります。

先程の高級クラブで依存心を満たそうとするおじさんを使って例えると、

・言ってもらいたい言葉が返ってこなかった時に・・・
「僕はお客なのに、その言葉使いは何なんだ!ここの従業員の教育はどうなってるんだ(怒)」

・ちやほやされたいが満たされなかった時に・・・
「ここのホスピタリティはなっとらん(怒)」

・自分のことをねぎらって欲しい、褒めてもらいたいが満たされなかった時に・・・
「僕は客だから気分良くしてもらうことが当然なのに、ここのホスピタリティはなっていない。もっと空気を読んでお客の求める言葉を言うべきだ(怒)」

自分の依存心を素直に認められないのでいろんな理由を使ってようやく依存することに許可が出せるのですが、その理由を”そうするのが当然である”、”それがもっともなことである”という設定になっていると、このような怒りや不満となることがあります。

また自分の依存心を認められていないので、相手に求めるもの(例えば、先ほどの例だと”僕は客だから話を聞いてもらって当然、気分良くしてもらうのが当然”と思う)は自分の依存願望であって、相手は必ずしもその依存を満たすのが当然のことであったり、義務というものではないという認識がないことから発生してしまう怒りや不満でもあります。

怒りや、不満という形になってしまうとご本人的にも心地良くないですね。

これがより強い形になると、クレーマー、カスタマーハラスメント(俗に言うカスハラ)と呼ばれてしまう形になることもあります。

依存心が満たさないことを相手が悪いこととし謝罪を要求したり、立場を利用して自分のニーズを見たすことをごり押しをする形で出ることがあります。

この形ででると、お店に出入り禁止になってしまったり、法的な措置をとられたりするという流れになることもあります。
これはご本人にとってもネガティブな結果になってしまいますね。

この心理がネガティブな形ででてしまうケースにならない為に、自分に依存心があることを認めて、いろんな理由を使ってその依存心は相手が満たしてくれるのは当然とか、義務であるという設定にしていたことに気づくこと。

そしてそれは必ずしもそれが当然のことであったり、義務というものではないかもしれない?と考え直してみてはいかがでしょう?

■同じことはファミレスでもおこる

今回は 銀座の高級クラブで依存心を満たそうとするおじさんを例え話として出ました。

しかし、依存心をうまく出せないので、なんらかの理由や立場を使うことで依存をしようとする心の動きは、銀座の高級クラブだけで起きるわけではありません。

身近なシチュエーションではファミレスというシチュエーションでこの形がでるケースもあります。

自分の価値に自信がない人がいたとします。
その人が「私は客であるから大切にあつかわれるべきよね」という理由が発生させることによって、他人に自己重要感を満たしてもらうことについて依存をする許可を出せるとします。

ファミレスなどでお客さんの立場になった際に店員さんにめくばせしたら注文を聞きに飛んできてくれる、丁寧な言葉使いで対応してくれるという時に”自分は大切に扱ってもらえる価値がある存在”という気持ちがちょっぴり満たされるのです。

その為、それを感じれるように店員さんにあれして、これしてと色んな対応を求めるのです。

しかし、それが当然のことである、店員の義務であるという強く思ってしまうと、ご自身のことを大切に扱うというサービスを過度に提供するお店じゃないファミレスなどで「あれして、これして」と要求を求めすぎると依存心うまく満たされず、怒りや不満という形になってしまい本人にとってもネガティブな形になってしまうことがあります。

この場合も前述と同じように自分の依存心は相手が満たすのは当然とか、義務であるという設定にしていたことに気づくことが大切になるわけですね。

気づいたうえで『ファミレスの店員さんは、必ずしもそれが当然のことであったり、義務というものではなかったのかもしれない?』と考え直してみるわけです。

■依存心を満たすバリエーションを増やそう

依存することに抵抗がある方は、本当は依存心があるにもかかわらず、その依存心をうまく表現できない心理が、”私はお客だぞ”といった何らかの理由や、立場を使って依存を満たそうという形ででるケースがあるというお話でした。

そして、それにより怒りや不満ができることもあるというお話でした。

今回の例え話として出てきた銀座の高級クラブに行くおじさんが、自分自身が依存心を持っていることを認めて、その依存心をパートナーや友人に表現することは悪いことじゃないんだと思えたとします。

依存心をパートナーや友人に出したからといって、パートナーや友人は、その依存心を必ずしも満たしてくれるとは限らないけど、依存心を持つことや、それを表現すること自体は悪いことしないんだとおじさんが思えたとします。

そうすると、 パートナーや友人に

「大変なことがあったから、その話を聞いてほしいんだ」
「苦労して精神的に終わってるから、優しい言葉をかけて欲しいんだ」
「頑張ったから褒めて欲しいんだ」

可愛らしく言えるかもしれません。

えらそうに言うのではなく、可愛くお願いできるとパートナーや友人もその希望にそった対応をしてくれるかもしれません。

そうすると、このおじさんは、銀座のクラブに行って”私は客だぞ”を使って依存心を満たす以外の心の満たし方のバリエーションが増えたことになります。

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「あっ、私もこのおじさんのようなことしている!」
と思われた方もいらっしゃったかもしれませんね。

依存することに抵抗があることで依存心をうまく表現できない心理が、今回のおじさんのような形ででていたことに気づいた方は、下記の2つのことを試してみてはいかがでしょう?

1・依存心を相手が満たしてくれるとは限らないが依存心を表現すること自体は悪いことではないと思ってみる。

2・そう思った上でパートナー、家族、友人、同僚に依存心を表現することを許可することにチャレンジしてみる。

すなおに言えたり、可愛くお願いできると、相手もあなたの希望に添いたくこともあると思います。

あなたの依存心を満たすやり方のバリエーションが増えるといいですね。

(完)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. 依存的な姿勢が幸せを損なうことがある〜被害者感覚の脱出〜
  2. 依存恋愛を克服! 自分らしく生きるためのヒント
  3. 穏やかで幸せな毎日へ! 依存思考から解放されるヒント
  4. 実は依存体質ではない?怒りや不満になる前に知っておきたいこと
この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。