卒業式を迎える子どもたち、そして、そばにいたあなたへ

3月は、卒業式シーズン。
我が家も、3歳ちがいの子どもたちが、ふたりとも卒業を迎えます。

毎年、たくさんの子どもたちが卒業を迎えているし、人生においては、何度も経験するものでもありますから、特別に珍しいことでもありませんが、”卒業”という場所を通る時には、いろいろな思いを感じることになったりするものです。

子どもの”卒業”と、そのそばにいたあなたへ、お送りしたいと思います。

子どもにとっての卒業

子どもたちはきっと、卒業式の練習をしたり、残りの時間を、有意義なものにしようとがんばっているかもしれませんね。(年齢にもよりますが)案外、子どもたちのほうが、卒業への準備を着々と進めているようにも思います。
少なくとも、私たち親よりは、先を歩いているんじゃないでしょうか。

・変化に繊細に反応する

私たちは、もう”卒業”などというものからは、すっかり遠ざかっておりますが、卒業が近づくにつれて、ざわざわしていたことは覚えています。これまでの勝手知ったる場所から、出て行くわけですから、穏やかではいられないのもわかります。

うちの中学生の息子も、最近は、様子がおかしいです。
もともと、学校ぎらいですが、さらに行きたくなくなっています。

聞けば、卒業式の練習が嫌だといいます。
人がたくさん集まって、緊張する場面は苦手のようで、当日もどうなることやら・・・

でも、息子が嫌なのは、それだけではないように思います。
きっと学校では、まだこれから受験をする子がたくさんいるはずで、ピリピリしているでしょうし、卒業に向かっている独特の雰囲気があって、それにも反応しているのかもしれません。

・寂しい気持ちとのつきあい方

学校の今の雰囲気を察知しているのと同時に、先ほども申し上げたように、勝手知ったる場所を離れること、自分をよく知ってくれている先生や、友達ともお別れすること、それはきっと、息子にとっても寂しいことなんじゃないかなと思います。

そんな気持ちを、学校にいるみんなが感じているとしたら、なかなかにしんみりと重い、雰囲気になるんじゃないかと想像できます。そんなのも、息子は苦手なのかもしれません。

でも、寂しさや不安といった気持ちは、感じたくなくても、このような時期には出てきてしまうものです。コントロールできるものではないんですよね。逃げられないものと言ってもいいかもしれません。
そんなことをいうと恐ろしいもののように感じるかもしれませんが、「感じないようにする」ことを、まずは諦めることです。

そう感じていることは、わるいことではないし、自分が感じていることを「そうだよね」って、ちゃんと認めてあげたり、そんな気持ちを抱えて、ざわざわもやもやしている子は、きっとひとりじゃないって思ってみていただくといいと思います。

そして、そばにいるあなたが、子どもたちの気持ちを、そんなふうにあつかってあげることでも、子どもたちは少し楽なんじゃないかなと思いますよ。
私も、学校に行きたがらない息子を、そんな目で見るように努めてます。

 

親にとっての卒業

子どもが卒業する親、という立場での思いは、またいろいろかと思います。ご自身にも、仕事があったりして、忙しい中でのイベントとなる方も多いと思いますから、お疲れにならないよう乗り切りたいですね。

・受験絡みで、親もバタバタ

この時期は、受験とセットになっていることも多く、大学受験の場合は、遅い時期まで試験があるお子さんもいらっしゃると思います。親は、試験を代わってやることはできませんが、一緒に心配したり、励ましたり、見守ったりと、心おだやかではいられませんよね。

私の友人も、「風邪も引けないし、遊びにも行きにくくて、もう禿げそう!」と言っておりました。もちろん大変なのは、子ども本人なのですが、近くで見ている親も、ほんとに気が休まらないんですよね。
でも彼女の「禿げそう!」には、笑ってしまいましたが、本心だったと思います。

・子どものそばでがんばったあなた

子どものそばに、ずっといて、子どももがんばったけれど、あなたもがんばってきたはず。仕事があったり、家族の日常を回すことも、休むわけにはいかなかったと思います。
その1日1日が積み重なって、今日につながっています。

ここまで、いろいろあった方もいらっしゃるかもしれませんが、ここに辿り着けたこと。子どものそばでがんばったあなたを、どうぞ労ってあげてくださいね。
親だから、家族だから、あたりまえだと思うかもしれませんが、偉業を成し遂げたのですから、「自分、がんばった!」と、是非言ってあげましょう。

 

次のステージへ向かう子どもと

子どもたちは、次のステージへ向かって、進んでいきます。
卒業して、寂しいって感じていても、4月からは、春風に吹かれながら、新しい扉を開いていきます。慣れない生活に突入して行くのを、また、親は、見守ることになりますよね。

子どもたちも成長していきます。
見守る方法も、だんだんと手放しをする形になると思いますし、本人に任せていくようにもなるでしょう。

子育て自体が終わろうとしている方もいらっしゃるかもしれません。
すると、親である私たちが、自分の人生をどう生きようか、を考えることになったりもします。子どもだけでなく、私たちもいくつになっても、進みながら、成長をしていく生きもののようなんですよね。

子どもを連れて歩いていたのが、先を歩く、子どもの後ろ姿を見るようになるなんて、なんだか不思議ですよね。

お子さまのご卒業、本当におめでとうございます。
そして、これまで、おつかれさまでした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お役に立つことがあれば、嬉しいです。

来週金曜日は、いしだちさカウンセラーがお送りします。
どうぞお楽しみに。

 

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

About Author

「自分らしく自分の人生を生きることに、もっとこだわってもいい。好きなことをもっとたくさんして、もっと幸せになっていい。」 そんな想いから恋愛・夫婦関係などのパートナーシッップを始め、職場、ママ友などの人間関係、子育てに関する問題など、経験に基づいたカウンセリングを提供している。