「遊びの力」は生きる力

「ママ、たくさん遊んだね! でも、もっと遊びたい」
真っ黒に日焼けしたこどもたちは、声を揃えます。

私は二児の母です。うち、一人のこどもに発達障がいの診断がおりています。一時期はこどもの障がいを受け入れられず、
「この子はどうなるんだろう。一人で生きていけるようになるのか。そして、私はどのようにこの子を育てたらいいのだろう」
と、本当にたくさん悩み、たくさん泣きましたが、
「幸せかどうか」
を軸に子育てしたいと思い、親子でたくさんたくさん遊ぼうと思いました。

なぜなら、こどもも大人も、「遊びの力」が自ら湧き出る「生きる力」を育んでくれていると感じているからです。
もちろん、この「遊びの力」が生きる力を育んでくれるのは「障がいの有無」に関わりません。

 

■期待に応える人生から、自分の人生を楽しむ人生へ

私自身は親の期待に応えられるような人間になりたいと、幼稚園入園前からピアノに勉強に、習い事にと、スケジュールが埋まっていながらも頑張ったと思います。しかしある時期、燃え尽きてしまいました。そんな私は心理学と出会います。
心理学で学んだことは、人生を楽しむ力、喜びを選択し、行動する「遊びの力」と、もう一つは感情を感じるということです。たくさんの感情を感じた中で私は
「私たちは、誰かの期待に応えるためだけに生きているのではない。自分の人生を自分で決めて、生きていきたい。自分のことも幸せにしてあげたい」
そんなふうに思いました。

〇本当なら、どうなふうに子育てしたい?

この経験は、
「発達障がいのこどもをどうやって育てたらいいのかわからない」
と、悩んだとき

「本当なら、どんなふうに子育てしたい?」
という問いの答えにもなってくれました。

 

■自分のことを幸せにしてあげられるという自立

「自分のことを、自分が幸せにしてあげられる」
ことは、自立でもあります。

「誰かの期待に応えよう」
と、一生懸命頑張ることは、多くの人が経験されていることと思います。でも、過剰に誰かの期待に応えようとするとき、私たちの心は
「自分で自分を幸せにできない。だから、誰かに認めてもらって、その誰かに幸せにしてもらいたい」
と思う依存心がどこか潜んでいることが多いものです。そうなると「誰か」が、主語になってしまい、「誰か」に、幸せが左右され、振り回されてしまうのです。それは、とてもしんどいものでもあります。

〇遊びのなかで

幼くても、私たちは遊びのなかで、たくさんのことを自ら学んでいきます。遊びとは
「楽しい、やりたい!」
と感じたことを、自分で決め、やりたいことのために自ら考え、実行し、創造することでもあります。期待に応えるためでは、ないのです。

自分の内側から湧き出たことを、実際にやってみる経験です。その体験は大きく成長を促してもくれます。まさしくそれは、「生きていく力」を、楽しみながら自らが身に着けていきます。

遊びのなかで、人間関係もたくさん学んでいきます。共に創造する喜びの体験や、失敗や喧嘩もまた、次の遊びや絆や体験へのプロセスでもあります。体の使い方、道具の使い方も学んでいきます。それは大きな「成長」でもあり、学びの力でもあります。
遊びはこどもの自己肯定感、自分軸、自立をも育んでくれます。

 

■遊びと罪悪感がくっつくことで

机の上でしか学べないこともたくさんあります。でも、「遊び」のなかで自ら選び、集中し、楽しみながら学べることもとてもたくさんあると、私は思います。
もし、そんな学びの宝庫でもある「遊び」は禁止されているものだと思い込んでしまったり、遊ぶことと罪悪感がくっついてしまったとしたら……。

「人生でなにをしたいのかわからない。自分の内側から何も湧いてこない」
「遊んでいたり、休んでいると、罪悪感でいっぱいになる。回復できない」
「遊ぶことはよくないことだという思い込みがあることで、不健全なことと遊びがくっついてしまい、不健全なことで遊ぼうとしてしまう」
など、人生が難しく生き辛さが伴ってしまうことも往々にしてあるようなのです。

なにより、楽しいことや、喜びが人生に少なかったとしたら、生きることに価値を見出せなくなってしまうこともあるかもしれません。

 

■大人もこどもも、目一杯遊んでみませんか?

コロナ禍で、外出も遊びも自粛の時期が長くありました。公園に少し息抜きに行ったことで、警察を呼ばれてしまった方のお話も伺っています。大変な時期に出産や幼いお子さんを育てた方々、本当にたくさんの辛抱やままならない思いも多かったことと思います。ぜひ、それだけ頑張ったご自身やお子さんを承認してあげてほしいなと、心から願っています。

〇これからの未来

これからの未来、「遊ぶ力」が人生でますます必要になってくるのではないのかなと、実は私は思っています。というのも、これからますますAI(人工知能)が多くの人の力に代わり、働いてくれるようになります。社会がこれからも大きく変化するなか、こどもたちは育っていきます。
AIが代わることのできない、人が人との間でしかできない「力」があります。人が人とつながり、幸せや、笑顔を分かち合い、喜んだり、満たされたり、ともに泣いたりする力です。
やっとやっと見えてきたコロナ収束予報。せっかくです。
「親御さんもお子さんも、目一杯遊んでみませんか?」

みなさまの何かのお役に立てることがあれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

来週は、小川のりこカウンセラーです。
どうぞお楽しみに。

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

About Author

発達障がい児の子育ての経験から、生き辛さの根っこにある未消化な思いや痛みに穏やかに寄り添い隣で支えることを大切にしており、 「話すことのすべてを大切に聴いてもらえる安心感」がある。 あらゆる人のなかにある豊かな才能・魅力に光をあてることで、生きる力を一緒に育てるカウンセラーである。