「自分を認めた方がいいのはわかっているけど、どう認めたらいいのかわからない」と思っている頑張り屋さんへ伝えたいこと

「あなたは頑張り屋さんだよね」と言われたら、あなたは嬉しい人ですか?
それとも、嬉しくない人ですか?

私はかつて嬉しくない人でした。

「頑張り屋さん」というのは褒め言葉だと頭ではわかっているのに、自分では頑張っているという実感がなかったからです。
私にとって頑張っている実感を得られるのは、何かしらの成果を出した時だけでした。

資格試験であれば、資格を取得すること。
仕事であれば、何らかの成果を達成すること。
成果を得るまでの努力は当たり前のことで、目に見える、数値で表せる成果が出た時にだけ私は「あぁ、頑張った」と思える人でした。
その時にようやく少しだけ自分を肯定できたのです。
だから当時の私は成果を出すことに必死だったのかもしれません。

例え誰かが私の頑張る姿を褒めてくれたとしても、自分が望む成果を出していなければ「私はちっとも頑張れていない、頑張りが足りないんだ」と自分を強く否定していました。
無意識に人から褒められたことはサラッと聞き流していたのです。
だから私はちっとも自分に自信が持てませんでした。
自己肯定感もすごく低い人でした。

頑張って成果を出すということ自体はとても素晴らしいことだと思います。
成長もできますし、自信もつきます。
でも成果を出すことでしか自分を肯定できないと、自分を否定しながら頑張り続けると、遅かれ早かれ心も体も燃え尽きてしまうと思うんですね。

案の定、私も燃え尽きてしまった時期がありました。
だからこそ、自分をちゃんと認めてあげること、自己肯定感を育むことは頑張り屋さんにとっては必要だと思うのです。

今の私は昔に比べてだいぶ自分のことを認めてあげられるようになりました。
「私は自分に自信があります!(キラーン)」みたいな状態にはなっていませんが、自分の頑張り度合いを成果では判断しなくなりました。
私にとっては大きな成長です。

今回はかつての私のように自分が頑張っているかどうかを成果で判断してしまう方に向けて、「どうやったら自分を認められるのか」についてお話しさせて頂こうと思います。

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私のカウンセリングでは、真面目で努力家、「THE 頑張り屋さん」な方とお話する機会が多いです。
そしてその殆どの方が頑張り屋の自分をあまり評価していません。
なぜなら、望む結果を出せていないから。
だから自分には何かが欠けていて、努力が足りていないんだと自分を責めているのです。

例えば、転職活動をしているけどなかなか転職先が見つからないとか。
失恋して何ヶ月も経っているのに未だに立ち直れないとか。
「こんな私はダメですよね」という言葉と共にご自身のことをお話ししてくださるのです。

自分なりに行動はしているのに結果が出ない。
現実が変わらない。
なぜそうなってるのか理由がわからないからこそ、自分を責めるしかなくなってしまう。
その上さらになかなか前を向けない自分を責めてしまう。
だから私はダメなんだって。
それはすごく辛いし、悔しいし、悲しいですよね。

これは「頑張り屋さんあるある」なんじゃないかなと思います。
長年カウンセリングで同じ悩みをお持ちの頑張り屋さんと沢山お話しさせて頂きました。
だから私は頑張り屋さんの匂いがするお客様にはこうお聞きするんです。

「もしかして○○さんは成果主義なところはありませんか?」

すると大半の方が「そうかもしれません」と仰います。
そして「自分を認めた方がいいことはわかってるけど、どう認めたらいいのかがわからないんです」とも仰る方が多いです。

頑張り屋さんほど「自分を褒める、認める」ということが苦手だったりしますよね。
なぜかと言うと、「自分を褒める基準、認める基準とは?」と基準を定義するところでまず悩むからです。
そして悩んだ結果、褒める(認める)基準のハードルをとても高く設定して自分を認められず挫折してしまう。
そしてまた自信を失うということを繰り返してきた方もいらっしゃるかもしれません。

頑張り屋さんは自分に対しての評価がとても厳しいんですね。
「自分ができることは当たり前、できないことは己の努力不足」とまるで武士のように自分に厳しい方が多いのです。
悪いことではないのですが、その考えで自分を追い詰めては本末転倒になってしまいます。

確かに、自分が望む結果を出すには努力の方法や問題の捉え方を修正することは大事です。
それも必要なことではあります。
でも、だからといって成果をあなたの頑張りの有無を証明するものにしてしまうと、あなたの頑張りごと否定してしまいかねません。

私も自分で自分のことを頑張ってると認めるのが苦手な人ですが、そんな私がカウンセラーになって何度も頑張り屋さんとお話をお聞きしてくうちに気づいたことがありました。

応援したくなるんですよ。
頑張り屋さんの頑張りに心から応援したいって思うんです。
夢が叶いますように、この努力が良い結果に繋がりますようにって。

おそらく、今まで私のことを褒めてくれた人たちもきっとこんな気持ちだったんでしょうね。
当時の私は自分を責めてばかりでその気持ちが全然わかっていませんでした。

皆さんは何気なくオリンピックを見ていて日本人選手が出てきた時、気づいたらめちゃくちゃ応援していた経験はないですか?
あれは、どんな結果であったとしても、選手が一生懸命 頑張る姿に胸を打たれたからですよね。

例え選手自身がどれだけ悔しがっていたとしても、応援している人にはその姿すら美しく見えたりしますよね。
それぐらい、頑張っている姿というのは人の心に響くのだと思います。

だからこそ、「自分を認めた方がいいのはわかっているけど、どう認めたらいいのかわからない」と思っている頑張り屋さんにお伝えしたいです。

あなたは今も昔も、きっと未来も。どこを切り取っても、あなたはその時の全力を尽くしてきたのではないでしょうか。

目の前の問題から逃げることなく、あなたなりに全力を尽くしてきたのではないでしょうか。

悔しかったり、悲しかったり、自分に苛立つのがその証拠です。

それは誰もが当たり前にできることではないと思います。

だからまずは「自分はいつでも全力を尽くしている」ということを認めてあげてくださいね。

あなたの頑張りが最高の形で報われますように。

心から応援しています。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

コミュニケーションの問題の改善、クライアントが本来持っている才能を引き出すことを得意とする。心理分析や解説など、説明のわかりやすさには定評がある。明るく親しみやすい雰囲気と、論理的な思考をあわせ持つため、幅広い世代(10代〜70代)に支持され、LGBTの方からの相談も多い。