恋愛がうまくいかない問題色々(1)〜好きなのに近づけない問題〜

好きなのに近づけないのは、「こんな自分」を隠しているからなのです

もっと仲良くなりたいのに、なかなか声をかけられなかったり、親密になれるチャンスをわざわざ潰してしまったりすることがあります。心理的な距離が、これ以上近づいたら嫌われてしまうという恐れが、二人の距離を近づけるのを邪魔するのです。もっと仲良くなるためには、恐れを乗り越えていく勇気が必要になるのです。

もっと仲良くなりたい人がいるのに、声をかけられない。
パートナーと、もっとラブラブになりたいのに、距離をとってしまう。
近づきたいのに、近づけない状態になってしまうことがあります。

相手とより親密になることを、怖がっているということなのですが、どうして親密になるのが怖いのか?

「こんな自分を知られたら嫌われてしまう」そんな心理が隠れているのかもしれません。
好きな人や、お付き合いしている人には、嫌われたくないと思います。
だから嫌われないために、「こんな自分」を知られないようにしようとして、近づけないのです。

「こんな自分」は、自分自身が嫌っている自分です。
優柔不断、気が利かない、すぐ泣いてしまう、気が強い・・・等々
自分が嫌っている部分は、相手も嫌うだろうと思うわけです。
これを、投影と言います。
相手が、嫌うかどうかは、わからないのですが、自分が思っているので、「きっと嫌う」「必ず嫌う」というまるで確定事項のように感じてしまうのです。

嫌われたくないので、「こんな自分」を隠そうとします。
バレないようにしようとします。
好きな人に声をかけるということは、自分を隠せなくなります。
パートナーともっとラブラブになるために、あんなところにデートに行きたいとリクエストしたり、一晩中一緒に過ごしたりすると、「こんな自分」がバレてしまうので、デート場所をリクエストできなかったり、夜中12時になるとそそくさと帰宅するシンデレラ状態になったりします。

自分が嫌われていると思っている「こんな自分」がバレないように、「好かれる自分」をつくりあげたりするのですが、「好かれる自分」に対して「素敵だね」と言われたとしても、ちっとも喜べないわけです。
それどころか、「本当の私を知ったら、嫌うに違いない」とも思ってしまいます。
そして、嫌われないために、どんどん距離をとってしまうわけですね。

自分で自分を嫌ってしまった要素というのは、多かれ少なかれ誰にでもあるものです。
それは、欠点と言える部分なのかもしれませんが、自分が自分で愛せない部分は、誰かに愛してもらう部分でもあるのです。

自分が自分で愛せない嫌ってしまっている部分は、隠すのではなく愛してもらう必要があるのです。
「私、優柔不断で自分で決めるのが苦手なんだよね」
「私、○○ちゃんみたいに気が利かないんだよね」
「私、すぐ泣いちゃうので、びっくりされちゃうんだよね」
「私、気が強いところがあるので意地を張っちゃうんだよね」

大抵の人は、「そうなんだね」とそんな部分を受け止めてくれるものです。

隠さなくてもよくなり、バレる心配がなくなると、安心して近づくことができます。
好きな人に声をかけることだってできるようになりますし、パートナーと一晩中過ごすことだってできるようになるのです。

好きな人に近づけないのは、嫌われたくないと思っているからです。
嫌われても別に構わないと思っている人には、平気で近づけるものです。
声をかけるのだって平気ですからね。
ただ、好きでもない人と一晩中一緒に過ごしたいとは思いませんから、一緒には過ごさないだけです。

嫌われる恐れの元になっている「こんな自分」を相手に受け入れてもらって、愛してもらうことができれば、二人の間にあった距離は無くなって、ぐっと近くなれるわけですね。

道理としてはそうなのですが、「こんな自分」を差し出すのは、相当勇気が必要です。
恐れよりも、その人との関係性を大切にしたいという気持ちが、勇気を与えてくれるかもしれませんね。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら

1.恋愛がうまくいかない問題色々(1)〜好きなのに近づけない問題〜
2.恋愛がうまくいかない問題色々(2)〜好きなのに疲れてしまう問題〜
3.恋愛がうまくいかない問題色々(3)〜好きなのにケンカをふっかけてしまう問題〜
4.恋愛がうまくいかない問題色々(4)〜好きなのに目移りしてしまう問題〜

この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より3冊出版。