自分のこだわりが緩められない時 〜痛みを癒やすと緩められる〜

痛みを癒やすとこだわりを緩められる

自分のこだわりを緩めようと思う意志はあるのだが なかなか緩めることができないという事があります。 そんな時は自分ってダメだなぁと自分を卑下する必要はありません。こだわりを緩められないにはそれなりの理由があるわけです。癒えていない痛みを癒やすと緩めることができることがあります。

■自分のこだわりを緩められない時

3週にわたって、
自分が正しいことと思っていることにこだわるがあまり幸せが目減りすることがあったり、
自分なりのやり方のこだわるがあまりに人間関係の摩擦が起きるとことがあるケースがあることをご紹介してきました。

しかし、
幸せを目減りさせたくない!
人間関係の摩擦を減らしたい!

そういう時は、
正しさにこだわることより幸せに過ごす(もしくは仲良くする、楽しく過ごす、相手を大切にする等々)ことを重要視することを選択する意識を持ってみたり、自分が常識と思っていることはもしかしたら思い込みではないのか?という視点を持ってみることで視野を広げてみたりするといいかもしれません。
だとか、
自分のやり方へのこだわりを手放して相手も納得できるやり方を考えてみる視点を持ってみることにチャレンジしてみるといいかもしれません。
などを書いてきました。

状況の改善のために、
・選択する意志を持つ、
・気づきを得る、
・違う視点を持ってみる、
などをしてみませんか?
という内容を書いてきたわけです。

(*ダイジェスト版なので、かなりざっくりと説明しています。
詳しくは、カウンセリングサービスのHPにある、すぐに役立つ心理学の3週分のバックナンバーを良かった読んでくださいね)

実際のカウンセリングでも、
・選択する意志を持つ、
・気づきを得る、
・違う視点を持ってみる、
などなど、
このような提案をしてみることがあります。

クライアントさんが試してみたところ、
自分のこだわりを緩められた、そして、その結果状況が良くなったというケースもあれば、
そう思ってみることにチャレンジしているけど、なかなか自分のこだわりは緩められなく、問題も継続したままというケースもあります。

そう思ってみることにチャレンジしているけど、なかなか自分のこだわりは緩められなかったというケースでは、クライアントさんから、
「 そう思ってみようという自分なりに頑張ってるつもりなんだけど、私は意志の力が弱いのかなあ?」
「 私は相手のことを大事にするよりも、自分のこだわりを大事にしている思いやりがない人間なのなのかなぁ?」
などように、
落ち込みの声とともに、
自分を卑下する声をお聞きすることがあります。

意志の力が弱い人間とか、
思いやりがない人間とか、
思わなくていいんです。

自分を卑下しなくていいんです。

そう思ってみようという自分なりに頑張ってるつもりだけど、 なかなかそう思えない時にはそれなりの理由があったりすることが多いんです。

なかなか、そう思えない理由があり、その理由がこだわりを緩めることの抵抗となっていて(ブレーキになっていて)、その結果こだわりを緩められないということが多いんです。

しかし、
その理由を探していけば、抵抗を緩めていく方法を見つけられたりするんです。

だから、自分を卑下しなくていいんですよ。

■癒えていない痛みが伴っているから緩められない

なかなか、そう思えない理由があるケースとして、癒えていない痛みが伴っているケースというのがあります。

例え話を使って説明をしますね。

“パートナーには隠し事をするべきではない”
という思いをもっているBさんという人がいたとします。

そうするのが パートナーシップ間では当然のことだと思っていたとします。

*〇〇であるべきだ、〇〇であるべきでない、そうするのが当たり前だと、当人がそう思い込んでいる者を 心理学ではビリーフ(日本語では信念とか観念という言い方をします)と言います。

そのビリーフ(信念、観念)からBさんはパートナーとケンカになることがありました。

Bさんのパートナーは 悩みがあっても弱音を吐くなど自分の弱いところをBさんに見せたがらない性格で、それが時折、Bさんには隠し事をしているように見えてしまうことがあり、ケンカになることがありました。

Bさんは、
カウンセリングを受けて、
“パートナーには隠し事をするべきではない”
というのは、
自分では、
そうするのが パートナーシップ間では当然のことだと思っていたのだが、
その当然のことだと思っていたことは心理学でいうビリーフと呼ばれるものであり、
実は当然なことでは無いということを知りました。

Bさんは、
実は自分が思い込んでいただけで、当然のことではないから、
もう、その思い込みをパートナーに押し付けることをしないように、
“パートナーには隠し事をするべきではない”
という考え方を手放そう(思い込みを緩めよう)と思いました。

しかし、
どうしても、
“パートナーには隠し事をするべきではない”
という考えがでてきてしまうし、
パートナーにも求めてしまいたい気持ちがもたげてきてしまいます。

Bさんは、カウンセリングを使って、
自分の思い込みを緩められない理由を考えることにしました。

すると見えてきたのが、
過去の恋愛で隠し事をされて傷ついた体験があり、
その時の癒えていない感情がまだ残っていて、
それが、
“パートナーには隠し事をするべきではない”
という強い思いを作っていたことがわかりました。

その隠し事というは、
過去の恋愛で(別のお付き合いで)浮気をされ、それを隠されていたという体験でした。

その時の癒えていない感情が、
“パートナーには隠し事をするべきではない”
を作っており、
その思いを作っている感情は癒え切れておらず心に残ったまんまなので、
それにこだわる気持ちが緩むわけが無かったのです。

その過去の恋愛を話していると、涙がポロポロとこぼれてきます。
涙がこぼれてくるというのは、まだ癒えていない感情がある一つの記しです。

Bさんは、
過去の恋愛についてを話、
話すことで、まだ心に残っていた感情を外に流していき、
また涙とともに外に流して浄化することで、
癒えていなかった感情を癒やしていきました。

そうすると、
癒えていない感情が作っていた
“パートナーには隠し事をするべきではない”
という思いへの拘りも緩めれるようになっていきました。

緩めれた結果、
パートナーとのケンカも無くなっていきました。
状況が良くなったのです。

このBさんの話は、
説明のための例え話だったのですが、
実際のカウンセリングでも、このような話は多々あるのです。

Bさんのケースのように、
なかなか、そう思えない理由があるケースとして、癒えていない痛みが伴っているケースというのがあります。

そのケースの場合は、
Bさんのケースのように癒えていない感情を癒やすことで、こだわりが緩めていけるようになったりするのですね。

+++

もし読者の方の中にも、
自分のこだわりを緩めてみようと思ってるのに、緩められない方がいらっしゃいましたら、それなりの理由があるのでしょうね。

自分のこだわりを緩めてみようと思ってるのに緩められない自分のことを、
意志の力が弱い人間とか、
思いやりがない人間とか、
自分ってダメだなとか、
などのように、
決して自分を卑下したりはしないでくださいね。

「こだわりを揺められないってとは、それにこだわってしまう何かがあったのかな?」
などのように、その理由考えていけばいいのです。

そして理由がみつかると対象方法も見えてきます。

もし、その理由が、
癒えていない痛みが伴っているケースなどであれば、
その癒えていない感情を誰かに話して、その感情を外に流していってください。
そして癒えていない痛みが、癒やされれば拘りを緩めれるようになりますから。

(完)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。