衝動的に行動してしまう

相談者名
匿名
ご相談させてください。

私は、精神障害2級持ちの障害者です。
昔から、正しいと思ったことはすぐに行動に起こす性格でした。
(それしか、他の方と同等の事ができず何をしてもダメで不器用でした。)
最近、それが恐ろしく怖いです。

少し前に、その性格で詐欺に合い借金を三桁ほどしました。
親に助けてもらい借金からは抜け出せたのですが、今後、人を傷つけてしまいそうで非常に自分が怖いです。

テレビ等で放映された小田急線での事件や昔の秋葉原無差別事件等を見て、いつか自分も同じことをしてしまう可能性がどうしても否定できないです。
現に、借金を肩代わりしてもらった親でさえ憎いと思ってしまっています。

この衝動を抑える又は人を傷つけたりしないようにしたいです。
どうすればいいのでしょうか。
よろしくお願いします。

カウンセラー
大谷常緑
匿名さん、こんにちは。
初めまして。ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。

精神障害2級認定を受けておられるのですね。
どのような病気で認定を受けておられるのかご相談からはわかりませんので、病状に合ったご回答にはならないかも知れませんが、一般論でお話させていただきます。

衝動的な行動は、状況により誰しもが行います。
それを抑えるのは障害を持たない人でも難しいことがあります。
すぐにキレる、思いついた行動をとるなど、よくあるパターンです。
実は、その結果どうなるかということは心の中でうすうす気がついていることがとても多いのです。
しかし、なかなかその行動を止めることができません。
それは、心の奥にある自己概念(自分はこうだと思っている自分の姿)の具現化、自分を罰したいと思う気持ちが影響している場合がとても多いのです。

ではなぜ、そのような自己概念や自分を罰したいという気持ちになるのでしょうか?
そこにあるのは、自己攻撃です。
何かにつけ、「自分は駄目な人間だ」「自分は人に迷惑をかける存在だ」など、自分のことを攻撃していると、自己評価が下がっていきます。
自己評価が下がると、自己攻撃を行うネタがますます増えていき、更なる自己攻撃へと連鎖していくのですね。

この連鎖を止めるには、自己攻撃をどこかで止めること、そして自己承認を行うように切り替えることです。
しかしながら、今まで長年続けてきた自己攻撃を急に止めることは難しいことかもしれません。
ゆっくりの改善になるかも知れませんが、以下のいくつかやりやすい方法を行ってみてください。

1)自己攻撃を始めたら「またやっている」と気づいて、気付いたところで止める努力をする。「まぁいいかぁ」など考えを止めるキーワードを使う。

2)自分のいいところを探す。自分で考えてもいいし、人から教えてもらっても構いません。恥ずかしい気持ちが出てくるかもしれませんが、それは自分の価値を認めさせないための罠です。恥ずかしさを乗り越えましょう。

3)人や物事のいいところを見るようにする。そして最初は心の中でも結構ですから、言葉にして褒める。慣れれば(できれば)言葉を発してみる。これは、価値を見る練習で、自分の価値を見るための語彙を増やしたり、見方を変えたりすることができます。

4)自分がなりたい憧れに人を作る。芸能人でも、身近にいる人でも構いません。こんな時、その人だったらどう考えるだろう、どうするだろうと立ち止まってみる習慣をつける。

5)魔法の言葉や動作を見つける。衝動的になりそうになったらその言葉を心の中で唱えて見たり、動作をしてみたりする。どんな言葉や動作でも構いません。例えば言葉であれば「短気は損気」とか「これでいいのだ」とか、何でも構わないですし、動作であれば、耳を触る、深呼吸をするでも構いません。

さて、「親でさえ憎い」ということですが、人は、誰かを攻撃しているときには、自分を攻撃しなくて済むので、自分を責める代わりに誰かを攻撃しようとします。
その対象が匿名さんの場合は親なのですね。
本当は憎みたくないけど、憎んでしまっている自分、嫌な自分を感じておられるようですが、それほど辛い思いをしている自分をどうぞ優しく扱ってあげてください。

また「テレビ等で放映された小田急線での事件や昔の秋葉原無差別事件等を見て、いつか自分も同じことをしてしまう可能性がどうしても否定できない」とのことですが、自己攻撃を止めることで、この点も解消されると思います。
匿名さんにとって本当の意味で気持ちがいいことは何か、どんな自分でありたいのかを選択してください。

最後に、ご相談を拝見していて匿名さんについて感じるのは、とても心の優しい方だなということです。
そうでなければ、ご相談の内容で辛い思いをされたり、考えを巡らされたりはしないですから。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。