肝心なところでいつも失敗するのはなぜ? 〜自己破壊衝動との向き合い方〜

上手くいき始めると失敗や病気で足止め。それは権威との葛藤かもしれない。

物事が上手くいき始めると、ミスや失敗、事故や病気でこれまでの努力を水の泡にしてしまうことは案外多いものです。「権威との葛藤」は親に対する罪悪感を癒す絶好のチャンス。「親」への感謝を思い出すとともに、仲間からの応援を受け取れると、相互依存の関係性に進めます。

こんにちは。カウンセリングサービスのみずがきひろみです。

物事がうまくいき始めると、何事か問題が起きて、足止めを喰う経験をしたことはありませんか?

仕事のプロジェクトが頓挫したり、大事な顧客とのアポをダブルブッキングで飛ばしたり、目的地の手前で道を間違えるような小さな失敗から、命に関わるような事故や病気に遭遇するような一大事まで、問題の程度はさまざまですが、天に上った心地だったのが、次の瞬間には地獄に突き落とされるような経験をすることが、人生ではままあります。

その衝撃は、時に、人生が終わってしまうのではないかと思うほど大きく、あまりにも、肝心なところで失敗や事故、病気などを繰り返していると、まるで自分の人生を破壊しているかのように感じられることもあるかもしれません。

すべての問題が予測でき、コントロール可能なものではありませんが、「この経験を、自分が必要としていたとしたら、いったい何を学ぶためだったのか?」と問題を俯瞰してみることで人生の荒波を乗り越えていくヒントが得られます。

失敗よりも成功を恐れる私たちの心

意外に思われるでしょうが、私たちの心は、失敗を怖がる以上に「成功」することを恐れています。

例えば、「せっかく仕事がうまくゆき始めたのに長期療養を必要とする病気になってしまった」、あるいは、「やっと憧れの彼に思いが通じて、お付き合いが始まったのに、素直に甘えられなくて、無関心で面白くないような態度をとったうえに、デートの日にちを間違えてすっぽかしてしまった」自分に、問いかけてみて欲しいのです。

「これ、うまくいってしまうとどうなると思っているの?」、と。

そうすると、

「とてつもなく忙しくなってしまうのが怖い」、

「お父さん(お母さん)に嫉妬されそうで怖い」、

「みんな(家族)と離れてしまいそうで怖い」、

というような返事が多いです。つまり、

「ご両親やご家族、今の仲間と離れて、一人だけ幸せになりそうで、それは嫌だ」、

という気持ちになっていることが多いのです。

どうも、願いや思いが叶わず、不本意である方が、「みんな一緒」という感覚を味わえていい、という思い込みが私たちにはあるようです。

人生と取っ組み合って、うまくいかずに苦悩する親の姿に、知らず知らずに胸を痛めてきて、そこから離れることに罪悪感すら抱くようなところがあるのかもしれません。

「権威との葛藤」は「偉大な自分」とのケンカ

「成功する」のは、一種の「権威」になるということです。成功することへの抵抗や葛藤を指して、「権威との葛藤」と言いますが、成功し続けるためには、この「権威」を引き受けるというプロセスが不可避です。

「権威との葛藤」のルーツも、親子関係にあります。私たちが子供だった頃、圧倒的な「権威」を持っていたのは、「親」ですから、その「親」とどう折り合いをつけて、「親」と「子供」の〈自立―依存〉の関係性から、対等な大人同士の相互依存関係へと関係性を成熟させるか、という心理的課題が、恋愛においても、仕事においても、趣味であっても、成就させ、成長し続けるために、繰り返し浮かび上がってきます。

子供の頃は大好きだった「お父さん」や「お母さん」のあり方や弱みに対して、思春期になる頃には違う意見を持ち、反発したくなるのは、「親」を否定することで「自分」を確立しようとする、成長過程の自然な成り行きです。

この時期に「親」を否定した分、自分が「親」になろうとするときに、天に吐いた唾が自分の頭上に落ちてくるように、激しい自己批判や自己否定が壁になります。親の不足に文句を言っただけ、自分の不十分が身につまされて、自分の「権威」を認めにくくなります。

過激な表現になりますが、生み育ててくれた「親」を否定するのは、心理的な「親殺し」として体験されますし、自分の意見を通し、我が道を行くことは、「裏切り者」になったように感じる場合もあります。そのようにして「親」から自立することは、それまでに与えてもらったものを持ち出す「盗人」のように思うかもしれません。激しい罪悪感が気づかないうちに自己破壊的な行動として現れることもあります、

「権威」を引き受けることに恐れと抵抗を覚えるのは、こうした罪悪感と向き合う必要が出てくるのと同時に、それくらいならずっと子供のままで守られていたいという甘えや寂しさをなかなか拭えないからです。

「権威との葛藤」は、自分の外側にいる「権威」とのケンカに見えて、本質的には、自分が「権威」を持つことへの恐れから、「偉大な自分」になることとケンカしているようなものなのです。

そもそも「親」に「権威」を与えたのは、自分です。それは自分が、「親」の力や素晴らしさに守られ、育まれたからこそ、そこに「権威」を見たのです。そのことへの感謝を思い出せると、権威者への期待を手放して、期待し、依存してきた自分も許しやすくなります。

仲間からの応援を受け取る

「権威との葛藤」が自己破壊衝動として現れて、ミスや失敗、事故や病気が続くようなときは、成功することへの恐れを感じられなくて自覚できずにいるのかもしれません。

自分の中にある「権威」への怒りや反発心を認めると同時に、自分が「権威」を引き受けることへの罪悪感や他者からの攻撃を恐れる気持ちや孤独に気づけるといいですね。

こうした罪悪感や孤独は、そうそう一人で乗り越えられるものではなくて、他者からの応援を、感謝をもって受け取れた時にようやく、自分の中の勇気を引っ張り出す力を見つけられるのではないでしょうか。

あなたを応援する声に耳と心を傾けられますように。

(完)

 

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら

1.どうしたら自分のことを好きになれるのだろう?〜自己愛不足がコンプレックス〜
2.自分の気持ちがわからないという不安〜このニセモノ感はどうしたら払拭できる?〜
3.自分が毒だと思ってしまう〜キョーレツな罪悪感には男性性の包容力が効く〜
4.肝心なところでいつも失敗するのはなぜ?〜自己破壊衝動との向き合い方〜

この記事を書いたカウンセラー

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感情や感覚といった女性性をフルに使い、心のブロックを外すカウンセリングが得意。「目からウロコが何枚も落ちる」と見方が変わることに定評がある。 深層心理に眠る「願い」を掘り起こす「癒し」を通して、人生の豊かさを受け取りたい人の、恋愛、ビジネスでの自己実現をパワフルにサポートしている。