超自立のもたらす孤独という問題について 〜共に生きる未来へのヒント〜

一人だけの世界を生きる「超自立」という生き方

カウンセリングをしていると、話さない日はないのではないかと思うくらいポピュラーな言葉が「自立」です。
今日は、自立がさらに極まった生き方「超自立」と、そこにまつわる「孤独」という問題についてお届けいたします。また孤独から、共に生きる世界へ進むためのヒントもお伝えします。

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超自立のもたらす孤独という問題について

超自立とは、「何事も自分一人で背負わなければならない、と思っていて、自分の弱さや甘えを許せないために、誰の力も借りずに生きていかなければならない」という生き方のことです。

誰かに頼ったり、助けを求めることができず、対人関係でも、自分自身のことも苦しめてしまうこと多いので、とてもしんどい生き方だと言えます。

私たちは親や周りの大人にお世話されてきた依存時代を経て、一人で生きていけるように自立します。

ただし、一人でできるようになろうとする分だけ、依存的な自分を嫌い抑圧していくのです。

すると、大人になった時に恋愛、結婚、仕事などの対人関係に問題が生じることがあるんですね。

自立すると、一人でできると同時に「自分のやり方」や「自分のルール」を持つので、周りのやり方・ルールと衝突して、どちらの方法でいくのか?という争いが起こりやすくなるからです。

また、自分の正しさを証明しようと相手に勝つことにこだわるあまり、周りとの関係性が悪くなる場合もあります。

結果、誰とも協力せず、助け合うこともできなくなり、常に一人で頑張るというスタイルを取らざるを得なくなっていくのです。

■超自立する理由

周りの誰かをあてにしたのに、助けてもらえなかったり、自分のニーズ(欲求)が叶えてもらえなかった時に、私たちは心に痛みを感じます。

今までOKだったことが、NGだと言われてしまったことで傷ついてしまうからです。

代わりに「全然あてにならないじゃん!」と感じる度に、自立心が育っていくのです。

その成長していく途上で、「もう二度とこんな痛みを感じたくない!」「これからは誰にも頼らずに生きていく!」そう誓って、一人だけで生きる「自立」の道を歩きだします。

さらに同時に、次からは絶対に傷つかないためのルールが作られ始めます。

例えば、友達に裏切られた痛みがあったとしたら、「人を信じない」というルールを採用すれば次からは傷つかないですよね。

他にも「人に近づかない。人に話しかけない。人の話も聞かない。人に興味を持たれないようにする。」という具合に。

「こんなにつらいのは人を信じたからだ」という痛みと、「また裏切られるのではないか?」という怖れが強い分だけ、二度と傷つかないためのルールを作っていきます。

このように、依存時代の傷が大きいほど、自分の甘さや弱さといった依存の要素を嫌うので、自立の度合も強くなり「超自立」するというわけです。

■超自立のもたらす孤独という問題

自立のネガティブな面ばかり強調していますが、健全な自立には「自己解決できる・主体性が発揮できる・自信がつく」などのポジティブな面もあります。

ただ「超」が付くほど自立度が高くなってしまうと様々な問題が出てきます。

中でも【孤独化】というのは最も代表的な問題と言えます。

例えば、超自立していると相手に頼れない分、自分が抱えている仕事を誰かに任せるのはとても苦手になります。

すると、自分の思い通りにするために1mmも他者の意志が入らないように支配したくなります。つい自分のやり方を相手に押し付けてしまうのです。

「人を信じて傷つきたくない」ので、すべてを支配すれば傷つかないと思っているんですね。

人を自分に近づかせないようにコントロールしてしまうのも超自立の特徴です。近づきがたい雰囲気を出したり、人を遠ざける振る舞いをしたりと、拒絶することで人と状況をコントロールしているのです。

また、誰かに助けを求めることは迷惑をかけることだと思っている為、人にお願いすることができません。

その代わりに命令という形で欲求を叶えようとします。

例えば、「このゴミを捨ててもらえますか?」とお願いできないので、「ゴミ捨てておけよ!」と命令でしか言えなくなるのです。

こうしたことを繰り返していると、当然周りは離れていきますので、誰かとの心の繋がりを感じることはできません。

最後には周りを拒絶して、孤独な一人の世界に閉じこもってしまうのです。

■孤独を手放すためのヒント

超自立のどん詰まりの先には「相互依存」と呼ばれる、相手を信頼し共に手を取りあえる関係性の世界があります。

そこへ一歩を踏み出すために必要なこと、それは依存時代の痛みを癒すことです。

もう一度、人を頼って「お願いをする」「助けてもらう」ことが、超自立を手放して共に生きる世界への第一歩になるのです。

コツは、できるだけニーズ(欲求)を小さくしてお願いすることです。いきなり大きなお願いをしても相手が受け入れられない場合もありますからね。

それが「自分でできること」であっても良いです。あえて助けてもらうためにお願いをするのが大切です。

自分に依存を許すことで、人を拒絶していた場所から、誰かと共に生きる世界へ歩いていく。

そんな新しい方向性を見つめる眼差しをもてたら、その時には孤独を生きる世界はもう過去になっているはずですよ

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

近藤 あきとし

超自立男性との恋愛・コミュニケーションに関わるお悩み・慢性的な生きづらさの解消などを得意とする。 理論的な“心理分析”と、感覚を使った“心理セラピー”を活用する多面的なサポートが好評。 問題の裏に隠れた「真実の物語」を読み解き「自分の本質を生きる」ことを目指すカウンセリングを提供している。