自己嫌悪のルーツと3つの解消法

自己嫌悪の心理、3つの原因と解消へのヒント

「自分が嫌いでどうにかしたい」と悩んでいませんか?自己嫌悪には3つのルーツがあります。一つ目は、人との比較による「ない」「できない」のコンプレックス。二つ目は、完璧主義による不完全さへのダメ出し。三つ目は、自分を悪いものと誤解した恥ずかしさ。ルーツごとの心理と課題をお伝えしていきます。

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「自分をどれくらい好きで、どれくらい嫌いですか?」と聞かれて、嫌いが多くある方は、少なからず自己嫌悪があるようです。

私たちの中には、いろんな自分がいます。例えば、落とし物を拾う親切な自分もいれば、片づけを後回しにする面倒くさがりの自分もいます。素晴らしい自分も、ちょっとダメな自分も、両方の自分がいるのが自然な状態です。

ところが、私たちが自己嫌悪にはまる時、一部のダメな自分を「これが私」、あるいはダメな自分の集合体を「これが私」と誤解しています。この状態で「自分を好きになろう」としても難しく、自己嫌悪をやめられないことで、また自己嫌悪してしまうといったことが起こるのです。

では、この自己嫌悪にはどんなルーツがあって、どう解消していったらいいのでしょうか。今回は3つの解消法を紹介します。

 

●人と比較して「できない」「ない」の自己嫌悪

私たちは3歳頃に自我が芽生え、自分と外の世界を区別するようになります。また、何かができるとほめてもらえる体験を通して、できることは「いいこと」という基準を持つようになります。

そして、自分と人を比べ、人と同じようにできない自分や、人にあるものが自分にはないと、「ダメな自分」を感じて嫌ってしまいます。この「できない」「ない」というコンプレックスが自己嫌悪になります。

「できない」「ない」コンプレックスで自己嫌悪にはまっている場合、反対の「できる(できた・できている)」「ある」を意識的に探すことで、「そんなに嫌わなくてもいいのかも」と思いやすくなります。自分の嫌いなところは次々とあげられるけれど、自分のいいところはなかなか出てこないといったタイプの人は、ぜひ「できる」「ある」を探してみましょう。

例えば、日本語を話せる、歩ける、挨拶できる、笑える…たくさんの「できる」があるはずです。「ある」でいえば、家族がいる、仕事がある、友達がいる、健康がある、趣味がある…など。「できる」も「ある」も、存在すると思って探すと必ず見つかります。

「できない」「ない」もあるけれど、「できる」「ある」もあると思えると、「嫌いなところもあるけれど、いいところもあるよね」と思いやすくなるでしょう。

 

●完璧主義からくる自己嫌悪

私たちは思春期に体の変化があります。この変化は自分ではコントロールできないもので、不完全さにオソレを感じ、完璧を求めるようになります。不完全な親や先生・社会に反抗するのもこの時期です。

不完全をおそれるほど、「〜すべき」「〜してはならない」「〜が正しい」といった完璧であるための自分ルールを作ります。ところが、ルールが厳しく、数が多いほど、自分でも守るのが難しくなります。そして、自分へのダメ出しが増え、自己嫌悪をします。

また、心の法則から、完璧ではない人を批判するほど、「自分も完璧ではないと批判される」と感じます。ますます「完璧にしなければ」と思いますし、「嫌われるのが怖い」「人にどう思われるのかが気になる」不安がついてくるのです。

完璧主義からくる自己嫌悪は、自分ルールをゆるめるのが有効です。例えば、「人には親切にするべき」を「できるだけ人に親切に」にする、「サボってはならない」を「たまには休むことも大切」にするとか。「絶対に〜すべき」というルールを「してもいいし、しなくてもいい」という努力目標にゆるめてみるといいでしょう。

もうひとつ、もし自分自身に「私は○○できるはず」と過剰な期待をしているのなら、「残念ながら今の自分には無理」と認める勇気が必要な場合もあります。「できるはずなのに、できない自分はダメ」と自分を否定するよりも、「できないから、できるようになろう」と意欲的な自分を肯定するようにすると、自分を好きになりやすいでしょう。

 

●自分を隠そうとする自己嫌悪

私たちにとっての大きなタブーは、バカとスケベだと言われています。私たちはバカな自分、スケベな自分を必要以上に嫌い、隠そうとします。

この他にも、女性に特有の生理は、臭い・汚い・気持ち悪いの象徴で、女性であることを嫌悪するひとつの要因となります。一方、男性は制御しがたい性欲が目覚めると、破壊的・暴力的な男性性を嫌悪する要因となります。性的な部分も扱い方を間違わなければ健全な魅力なのですが、悪いものと誤解して隠そうとすることがあります。

自分を隠そうとすると、本来持っているはずの魅力も隠れてしまいます。また、仮にいい人を演じて自分が愛されたとしても、「本当の自分を知られたら嫌われる」と思うので、人と親密になるのを避けてしまったりするのです。

恥ずかしさを越えて、自分を表現していくことにチャレンジしていきましょう。信頼する人に本当の自分を受けいれてもらえたら、「自分は自分でいい」と思えるでしょう。自己嫌悪を抜ける方法のひとつは、勇気ある自己開示です。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大塚 統子

自己嫌悪セラピスト。心理学ワークショップ講師(東京・仙台) 「自分が嫌い」「自分はダメ」「私は愛されない」などの自己否定、ネガティブな感情・思考をリニューアルし、自信や才能・希望へと変換していく職人。生きづらい人の心が楽になる気づきや癒しを提供。テレビ・Web記事の取材にも多数協力。