魅力と欠点の心理(2) 〜完璧主義にご用心〜

自分自身の投影に気づくことがポイントです

「欠点を嫌わなくてもいい」という言葉を聞くとどう感じますか。
確かに嫌わなくてもいいよな、と思えればとても楽ですよね。
しかし、「欠点をそのままにしたら大変なことになる」「これ以上傷つきたくない、嫌われたくない」と
思う方もいるかもしれません。
そのとき、もしかすると完璧主義と似たパターンにはまっているかもしれませんよ。

みなさんは「欠点を嫌わなくてもいい」という言葉を聞くとどう感じますか。

「確かに嫌わなくてもいいよな」と思えればとても楽ですよね。ただ、「なかなかそう思えない」というお声もたくさんうががっているところです。

実は、自分の欠点と向き合ったとき、比較的受け入れるタイプと、受け入れにくいと感じやすいタイプがあります。

前回の記事に「私達が欠点を嫌うのは、人から愛してもらえなくなることを怖れているから」であり、しかし「世界一自分の欠点を嫌っているのは自分」であり、それによる「投影」によって、「私はきっと嫌われるだろう」と感じるようになる、と書きました。

投影とは「自分の感情などを周囲の物事や人に映し出して感じる」という法則です。自分が自分を嫌っているから、人も私を嫌うだろう、と感じるようになる、ということですね。

もちろん自分のすべてが嫌われると感じるほど、自分を否定している場合もあれば、自分の全てではないけれど自分が気にしている一部を嫌い、その部分は誰も愛してくれないだろうと感じる場合もあります。

これ、かなり矛盾した話のように思えませんか?

人から嫌われないように欠点を嫌っているのに、実は「欠点を嫌うことで人から嫌われるだろう」と感じるようになる。

このような発想は、目の前のできごとに少しでもリスクがあるとか、受け入れられない何かがある、と、全くチャレンジしない、やる気が出ないと感じることと似ています。

実はこの話、完璧主義の心理や、優等生の心理と似ている部分があるのです。

つまり、欠点を嫌い、人に嫌われるだろうと感じている人は、「できないこと」と向き合うことが苦手な人が少なくないものです。

いつも「できる自分」を望み、そんな自分でありたいと思う一方で、「できなくなること、失敗すること」に過敏に反応している事が少なくないものです。

できない自分、失敗する自分を嫌うので、更に欠点が受け入れられず、人にも嫌われると思うようになるわけですね。

 

○完璧主義・優等生の特徴とは

完璧主義さんの特徴は「完璧にできないことには意味を感じないし、そもそも取り組まない」です。

そもそも僕たちは人間でできないことがありますよね。だから、すべての物事を完璧にこなすことは難しいでしょうし、それで問題ないのです。

できないことは誰かが助けてくれたり、誰かの才能によってなされる場合が多く、そのように人の愛が循環していくものですよね。

しかし、自分が誰かの期待はずれな存在であることを許せなかったり、自分が完璧ではないから、つまり自分に劣った部分があるから人に受け入れてもらえないんだ、と感じるような経験をした方ほど、この完璧主義に陥りやすくなります。

できなくてもいい、それでも愛されている、と思いたいけど思えない事情がある、というわけです。

だから、何かができない・失敗する、という「自分が最も怖れる事態」を警戒するあまり、完璧にできないことには取り組まず、これならできるだろう、と思えるものを選んで生きていきます。

が、「できること」に取り組んでいるときも、常に「他のことができない自分(できないことが存在する自分)」を感じていますから、なかなか自分を肯定的に捉えることが難しい時間を長く過ごすようになるものです。

また、優等生タイプの心理は、人に望まれ、期待されたことにはきちんとこたえようとする人ですが、いくら人に望まれたことでも「失敗する」「できない」と思ったことは頑として取り組まない、という特徴があります。

優等生タイプの人は、人を喜ばせたいという思いが強いので、人の期待にも応える意欲がありますし、人に喜んでほしいという思いも強いのです。

が、なにせ優等生ですから、何事も自分ひとりで考えて、人に迷惑をかけてはいけないと感じやすい性質も持ち合わせているんです。

普段はとてもいい人なのですが、なにかしら困難な自分では乗り越えられないできごとを目の前にすると、いくら人から望まれても、やる気を示さないんです。どこか自力の限界を感じると、途端に意欲も向上心も失ってしまうこともあります。

こうなると、自分に十分な能力も才能があるけれど、どこか意欲的になれないことがある分だけ、なかなか自分を肯定的に捉えることが難しい時間を長く過ごすようになるのです。

 

○自分自身の投影に気づくこと

ただ、完璧主義・優等生の心理が悪いものだとお伝えしたいわけではなく、どんな人にも長所と欠点があることと同じで、物事にはプラスとマイナスの面があるということをお伝えしたいのです。

完璧主義の方は、きっと慎重に物事をすすめますし、闇雲に人の期待(思い)を無視することはないでしょう。リスクに敏感に反応して安全に物事をすすめるでしょうし、きっと相手はこうしてほしいのだろうと察する力もあるのではないでしょうか。

優等生タイプの方は、そもそも誠実で真面目ですし、大切な人を喜ばせたいという気持ちが強く、だから頑張ろうとモチベーションを高めることもできるのではないでしょうか。

その自分の特徴が誰かのために役立っている部分もきっとあるはずです。

そう考えると、たしかに自分自身に欠点を受け入れにくい性質が伴っているとしても、だからといって自分を嫌う必要はない、と考えることもできるのではないでしょうか。

子供の頃に「人の良いところを見て付き合いなさい」と教えられた経験ってないでしょうか。

親密な関係であったり、大人同士の関係であればあるほど、人はあなたの欠点をあなた以上に嫌ってはいないことが多いものです。また、あなた以上に、あなたの良いところを見ている人もいるでしょう。

「そうか、最も自分を嫌っているのは自分なのだなぁ」と、自分自身の投影に気づくことが、欠点を嫌わず魅力に変える第一歩といえますね。

>>>『魅力と欠点の心理(3)〜自尊感情と欠点の関係〜』へ続く

この記事を書いたカウンセラー

About Author

浅野 寿和

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。