物事に魅力を感じなくなる心理

魅力を感じられないのは物事に?それとも自分に?

例えば、今の恋愛、仕事、対人関係、今の生活、持ち物などに急に魅力を感じなくなることってないでしょうか。物事に魅力を感じなくなる理由はいくつか存在しますが、特に「自分は愛されるにふさわしい」と思えなくなると物事の魅力って感じられなくなるんですよね。

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例えば

・新しいパートナーができてもすぐに飽きてしまう。
・仕事を始めてもすぐに飽きがきて、転職を何度も繰り返す。
・新しいものを買ってもすぐ使わなくなる事が多い。

「何事もすぐ飽きる」「いつも物事に魅力を感じなくなる」そんな自分のことが気になってしまう、というご相談をお受けすることがあります。

もちろん人は多かれ少なかれなにかに飽きるものですし、自分の中で大きな悩みになっていないなら問題ではないでしょう。ただ、場合によっては深刻な悩みになることがあります。

例えば

・本当は今の仕事を続けキャリア形成をしたいけど、すぐ飽きて辞めたくなる自分にがっかりする。
・本当は一人の人と長く寄り添いたいけど、すぐ相手の魅力を感じなくなり、恋愛が辛くなる。
・本当は大切にお金やものを使いたいけれど、いつもそれができずにいる。

といったふうに。

そこで今回は物事に魅力を感じなくなる理由について解説していきます。

 

○物事に魅力を感じなくなるとき

物事に魅力を感じなくなる場合は、「その物事の魅力が失われた場合」と「その物事に自分が魅力を感じなくなった場合」に分けて考えることができますね。

「その物事の魅力が失われた場合」を想定するなら、例えば「給与が良い仕事だったけれど、景気が悪くなり給与が減った」場合。収入が良いという当人にとっての価値がなくなった。これはわかりやすい例です。

一方、給与は変化していないのに魅力を感じなくなったとしたらどうでしょう。

これは「その物事に自分が魅力を感じなくなった場合」といえます。なぜそう感じ始めたのかが気づきにくく、分かりにくいものなんですよね。

実は、この状態を心理的に見つめていくと、「無価値感」の影響を強く受けている可能性があると考えることができます。

無価値感とは「自分には価値がない」という感覚をもたらす感情です。

この無価値感がもたらす作用の代表例が「手にしたものの魅力・価値を感じない」なのです。

例えばこんな事例。

【ある女性がショッピング中、素敵な衣装が目に止まり、一目惚れして、試着して、喜んで購入。しかし、実際に自宅でその衣装を身につけ鏡を見てみると「あれ?こんなだっけ?そんなにかわいくない」と感じガッカリして興味を失ってしまった。その衣装は二度とクローゼットの中から出てくることはありませんでした。】

このときの衣装の価値、カタチは何も変わっていませんね。

この状況の中での変化は「その女性が実際にその衣装を手にしたかどうか」です。

しかし、実際に手にした途端、魅力を感じなくなった、というわけです。

もし、その女性に事情があって衣装を買い求めなかったとしたら、きっとこの女性はまた同じ衣装を見て「かわいい」と感じる可能性が高いでしょう。

 

○「無価値な自分」という感覚が、物事の価値を見ることが難しくする

この状況を心理的に見つめると、以下のようなことが考えられます。

「無価値感が強く作用していると、自分に近づいてきた物の価値を感じられず、遠くにあるものの価値は感じられる。」

無価値感は「自分には価値がない」と感じさせる感情ですから、自分自身の「好き」という感情の価値も感じられなくなります。

例えば、自信を失っているときほど「好きな人に気持ちを伝えても、今の自分じゃダメで相手は喜ばないかも」と感じるものですよね。

そもそも物事の価値は自分が見て感じるものですから、自分の価値を見失っていると物事の価値も感じにくくなります。

つまり「自分は十分ではない」「いいとは思えない」「愛される価値があると思えない」という自己認識を持っていると、物事の価値を感じられず飽きやすくなってしまうといえるでしょう。

実際、このような感情の影響によって生じる事例はたくさん存在しています。

例えば、

・自分のことがあまり好きじゃない状態で恋愛をした。相手は好きを伝えてくれるけどピンとこない。気持ちも盛り上がらないままで大した喜びも感じなかった。これだったら恋愛していなくてもいいし、相手がいてもいなくても同じだな、と思うようになった。

・「〇〇という資格を取れば仕事で活かせるし自信がつくかも」と思って努力して合格したけれど、また自分に不安を感じて新しい資格を得たいと思うようになった。

自分の外側に何を持ってきてもなかなか価値を感じられず、「飽き」を感じやすく、物事の魅力にうまく反応できなくなるなるわけです。

ただし、自分以外の人の持ち物、他の誰かの状態などには価値を感じるもの。自分が実際に手にするまでは魅力も価値も感じることが多いでしょう。

 

○自分の価値を認めると、物事の価値を感じやすくなる

逆に、「自分は自分でいい」「自分にはそれなりの価値がある」と感じているならば、自分が手にする物事の価値をちゃんと感じます。無価値感の影響をより小さくすれば、物事の価値もどんどん分かってきます。

だから、物事の価値を感じられるようになりたい、飽きやすい体質を変えたいと思われるならば、「自分の価値を認めていくこと」がおすすめです。

物事の価値を見るには「経験」も必要ですが、自分の価値が分かるからこそ、物事に価値を見る眼を養えるようになるものです。

自分の欠点ではなく、良いところ、今日できたことをコツコツ認めていくといいでしょう。

また、周囲に信頼できる人がいる場合、自分はその人達に受け入れられていることを認め、人に感謝していくことも効果的です。

人に受け入れられていることに感謝することは、自分から価値を認めるいいレッスンになります。相手の好意の価値を認めることで「相手の好意に認め感謝している」自分の価値も感じられます。

また、無価値感の影響を受けている自分に気づいたら、その自分を責めないことも重要です。無価値感の影響で物事の価値を感じられないという事情があるだけであり、価値を感じられていない自分が悪いわけではないからです。自分を責めるとより無価値感が強化されますから、ここは要注意ですね。

実際のカウンセリングでは「なぜそこまで無価値感が強まったのか」の理由についてまでアプローチしていくことが少なくありませんが、まずは自分の価値を認め、自分を認めてくれる人の思いを受け取ることを続けていくと、徐々に物事の価値が自分なりに見えてきますよ。

すると、自分にあうか合わないか、好きか嫌いか、など、自分のものさしで物事や自分の生き方を決められるようになるでしょう。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

浅野 寿和

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。