人生を豊かにする怒りの整理術(1)~ステップ1:怒りを否定せず受け入れてあげる

怒りを整理する最初のステップは、怒っていることを否定せず、受け止めてあげる

怒りを整理する最初のステップは、怒っていることを否定せず、受け止めてあげることからアプローチしていきます。
要は、怒って当然じゃないか!と自分のことを認めて寄り添ってあげる、ということが怒りを整理するのに役に立つのです。
怒ることは悪いわけではありません。人として自然に持っている感情です。怒りを発散させる方法も効果的ですが、その場合も自分に寄り添う、感情を和らげてあげるつもりでやっていくほうがうまくいきます。

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男女関係、仕事、友人、家族との関係など、私たちが問題を感じるあらゆる人間関係に関わる感情の一つが「怒り」。

「怒り」はカウンセリングでご相談を伺っていると、必ずと言ってもいいほど出てくる感情です。

自分が誰かに怒っている、あるいは、誰かが自分を怒っている。

時には人ではないもの(会社、家、世間など)に怒っている場合もありますが、私たちが悩む時に怒りという感情が関係していることは本当に多い。

怒られたり、怒りを感じたりすると嫌な気持ちになるので、怒りにまつわる感情を継続的に感じることは、大きな苦しみと悩みになります。

ところが、怒りは自分でコントロールするのが難しい感情です。

怒っている誰かの怒りを鎮めるのも
自分が怒っている時にそれを鎮めるのも
なかなか難しい。

だから、私たちは困るわけです。

しかし、怒りを減らすための方法はあります。

そのためには怒りの心理を知ることが有効です。
怒りを上手に扱えるようになれば、人間関係が円滑になり、自分の気持ちも楽になり、人生を豊かなものにしていけます。

今回の連載では怒りの整理術と題して、怒りの心理の解説とその扱い方についてお伝えしていきます。

◎怒りを整理する4つのステップ

怒りの整理術は以下の手順で進めていきます。

ステップ1:怒りを否定せず受け入れてあげる
ステップ2:怒りで隠れている本当の気持ちを探す
ステップ3:怒っている相手を理解する
ステップ4:この出来事に意味と学びを探す

1.怒りの感情を否定せず受け入れてあげる

私たちの心はどんな理由であれ、怒っているだけでとても嫌な気持ちになり、それがストレス、負担、苦しみになります。
そもそも怒っていて気分がいい人なんていないわけですが、これは怒っていること自体に罪悪感を感じる心理があるからなんですね。
なかなか自覚できないものですが、実は「怒っている自分はなんて嫌な奴なんだ」と思っているのです。

そこで、まずは怒っていることを否定せず、受け止めてあげることからアプローチしていきます。
要は、怒って当然じゃないか!と自分のことを認めて寄り添ってあげる、ということが怒りを整理するのに役に立つのです。

怒ることは悪いわけではありません。
人として自然に持っている感情です。

そもそも、人の心は良いことよりも悪いことの方が記憶に残りやすく、感じやすいと言われます。理由は、本能的に悪い感情を持つことで危険を回避することができるからです。悲観的に感じることで、最悪を想定することができ、身を守ることができます。そう考えたら、悪い感情、悲観的な考えも理にかなっていると考えてみましょう。

私たちは相手が悪くて怒って当然!という場合でも、自分の怒りを認めてあげられないことが多いのです。自分の気持ちを受け入れることが難しいんですね。

例えば、上司が不条理なことで怒り出すようなタイプの場合。

「こんな風に言われたら腹がたつのも当たり前!」「自分以外の誰だってあんな態度を取られたら腹が立つに決まってる」と自分に言ってあげてください。

この「自分以外の誰だって」という言葉はとても効果があります。

次回以降の連載で詳しく解説しますが、私たちは怒っている時、自己攻撃をしています。

「怒ることは悪いこととは限らない」
「怒りは人として自然な感情」

という言葉は、自分だけが悪いわけではない、という意味を持ちます。

そうやって自分を悪者にしない言葉をかけてあげることで、怒りは鎮まりやすくなります。

「自分以外の誰だって」という言葉も同様です。

こちらは具体的に今回のケースでは、という視点になるので、より自己否定を緩和する効果があります。

◇怒りの感情を和らげてあげる

怒りをなくす、抑えつける、無理やり楽しいことを考える、コントロールする、というやり方はかえってうまくいきません。なくすのではなく、和らげる、というやり方をしていくとうまくいきます。

よく言われる方法は、怒りの感情を発散させてあげるやり方。

具体的には、誰かに話を聴いてもらう、一人カラオケなどで大きな声で歌う、スポーツやジョギングなどで体を動かすなど、自分に合った自分なりのやり方を試してみてください。

このやり方を「自分の心に寄り添う、和らげる」目的でやっていこうと思うことがポイントです。

とはいえ、怒りMAXの時にそんな気持ちにはなれませんから、段階を踏んでやっていきます。

最初はあの腹が立つ上司に対して「ふざけんじゃねー!」みたいに怒りをぶつけるつもりでノートに書いたり、「ちょっと聴いてよ!うちの上司ったらさあ!」みたいに友達に思いを聴いてもらいます。

その時「私の心を大切に扱ってあげたいから、怒りを吐き出させてもらう」みたいに思いながらやってください。

やっていくうちに最初よりは落ち着いていくはずなので、そしたら気持ちを和らげてあげよう、と思って、リラックスする、気分転換する、休む、という段階に移っていきます。

ガツンとぶつかるように取り除く!ではなく、大きなエネルギーを柔らかくしていくイメージです。

いきなりは難しいので、段階を踏んでやってみてください。

>>>『人生を豊かにする怒りの整理術(2)~ステップ2:怒りで隠れている本当の気持ちを探す』へ続く

この記事を書いたカウンセラー

About Author

池尾 昌紀

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。