20歳で再会して40年たった母との関係

相談者名
チョージョ
80代の母に対する気持ちを聞いて頂きたいです。
両親は私が7歳頃、離婚して、私と弟は父親に育てられました。
私が20歳ごろ、母と再会しました。

2月に1回ほどの電話、年に一度、一緒に食事という関係が続きました。
その後の30年間で、母と過ごした時間はのべ1か月もありませんが、そういう関係もありだと思っていました。

そして、10年前に母の再婚相手が亡くなってから少し行き来が多くなりました。
しかし、いつも自分のことしか話さないので、長く一緒にいるとイライラすることが多くなりました。
思えば、母が私たち姉弟のことを知りたいという質問や態度を受けたことがありません。

私も弟も母の家を訪ねるのに気がすすまず、トータルで4回くらいしか行っていません。
実家という実感もなく、まったくリラックスできないからです。

私も弟も、母が元気なうちに同居したり、介護したりすることは考えていませんでした。
母も。「動けなくなったらマンションを売って施設に入る」と言って、それを了解している風な態度でした。
とは言え、急に何か起きたら大変だから、準備として、制度とか施設とか調べようよ、と提案しても、母はのらくらしていました。

最近、母のたっての願いで訪ねた時に、ふいに「チョージョ(私)がここに住めばいいのに」と漏らしました。
スルーしましたが、明らかに私に対するラブコールでした。
弟もいましたが、「お世話は長女がいい」という「老人あるある」だと思いました。

母からの電話の内容は体の不調に終始しています。
これも一般的な「老人あるある」ですが、関係が一般的ではないため、思いやりをもって受け止められないのです。

私は父の闘病生活を6年間をほぼ一人で支え、看取りました。
あまり褒められた父親ではなかったけれど、親子の情があるので自然と体も気持ちも動きました。
しかし、再会してから40年もあったのに関係を築こうとしなかった母には、その情が湧かないのです。

遠い親戚と思うことにしようとした時もありましたが、相手は母親という立場で来るのでうまく行きませんでした。
今後、何かことが起きた時に関わることになると思いと、どうやって気持ちを持っていけばいいか考えあぐねています。

カウンセラー
佐藤まゆみ
チョージョさん、初めまして。
今回のご相談の回答をさせていただく、佐藤まゆみと申します。
どうぞ、よろしくお願いします。

チョージョさんは、7歳頃にご両親が離婚されて弟さんと共にお父さまと暮らされていたんですね。
20歳でお母さまと再会されるようになったとのこと。
お母さまは成長したチョージョさんと会うことが出来て、さぞお喜びになったことでしょう。
その後、付かず離れず30年にも渡って交流を続けられたようで、確かにそういう関係もあって良いと思いました。

再婚なさっていたお母さまのお相手が亡くなられてから、今までのようにはいかなくなってきたのですね。
伴侶を亡くされた寂しさから、チョージョさんご姉弟と接する機会が増えたのはお母さまの心中を考えれば自然なことだったかもしれません。

>いつも自分のことしか話さないので、長く一緒にいるとイライラすることが多くなりました。

>思えば、母が私たち姉弟のことを知りたいという質問や態度を受けたことがありません。

ここに至って、今まであまり問題になってなかった部分が浮き彫りになってきたようです。
人は誰しも自分のことを、自分の望むやり方で解ってもらいたいと根柢で思っています。

お母さまは、今の自分のことをご姉弟にただひたすら解って欲しい、自分のことを見て欲しいと切に思っていらっしゃるのでしょう。
なぜ、そこまで自分のことばかりになってしまうかと言うと、いつか見放されてしまうのではないかという不安と怖れが付きまとっているからだと思います。

チョージョさんが20歳で再会してから40年。
その間に、しっかりした親子の関係が築けていなかったことは、お母さまもお解りのはずです。
とは言うものの、高齢になられたお母さまは、今となってはすっかりチョージョさんを頼りにされています。

お母さまは、理屈抜きで【安心感】が欲しいのではないでしょうか?
子ども達にも見放されたなら、不安で孤独に耐えられない思いがそうさせている気がします。

逆に言うと、お母さまが安心感を得られることが解決の糸口になりそうです。

>私も弟も、母が元気なうちに同居したり、介護したりすることは考えていませんでした。

>母も。
>「動けなくなったらマンションを売って施設に入る」と言って、それを了解している風な態度でした
>とは言え、急に何か起きたら大変だから、準備として、制度とか施設とか調べようよ、と提案しても、母はのらくらしていました。

かつては、お母さまとご姉弟の意見は一致していたのですよね。
と言うことは、体の不調を感じるようになってから、将来に怖れや不安が出てきてチュージョさんに強く頼るようになられたようです。

だからこそ、同居を望まれたのでしょう。
お母さまの思考回路が少し見えて来ませんか?

次に、何よりも大事なのはチョージョさん自身のお考えです。
このご相談から見えてくるものを拾いあげてみます。

・お母さまと同居をする気はない
・何か起きた時の為に制度や施設は知っておきたい
・遠い親戚だと思いたいが、お母さまは親の立場で接して来るのでうまくいかない

他にも複雑な思いをお持ちでしょうが、この3点を1つ1つ考えてみたいと思います。

・お母さまと同居をする気はない

この件に関しては、スルーせずにはっきり伝える必要があります。
お母さまはショックかもしれませんが、この点をあいまいにしていると、人は自分の都合の良いようにとらえてしまうものです。
「断られたわけではないので、可能性があるかも」と期待すれば、後々こじれてしまいます。

・何か起きた時の為に制度や施設は知っておきたい

これは、たとえ同居していたとしても知っておく必要があります。
何かを準備する、調べる、という作業は高齢者には億劫なものです。
弟さんの協力も得ながら、制度や施設は、ぜひ調べておいてください。
制度によっては、同居する家族がいたら対象にならないものもあるかもしれません。
そういうことを知るためにも、お住まいの行政窓口に行ってご相談されることをお勧めします。

・遠い親戚だと思いたいが、お母さまは親の立場で接して来るのでうまくいかない

「親は子どもがどうであろうが親である」
私にも高齢の母がいますから解りますが、親はこの考えからなかなか抜け出せないもののようです。
多分、言葉のやり取りの端々にその思いを感じてカチンと来てらっしゃるのでしょう。
ここで言い返したり無視しても、あまり良い結果にはなりません。
お母さまへの切り返し方のひとつとして、
「へぇ、お母さんはそう思うんだ。」とか「ああ、そうなんだ。」と言ってみてください。
この言い方は「言ってることは聞きましたよ。」という反応です。

「NO」の部分ははっきり言う必要がありますが、お母さまのグチならこれで聞き流してあげてくださいね。

最後に、チョージョさんに一番お伝えしたいこと。
それは、“良い娘になろうとしない”ことです。

この40年余りのお母さまとの関係から、お父さまのようには情が感じられなかったとしても致し方ありません。
そういうところ、ご自分を責めないでくださいね。
元々付かず離れずだったお母さまを、静かに見守ろうとしていただけで充分ではありませんか。

犠牲で無理に関わろうとするよりも、今の自分に出来ることをする。
調べて得た制度や施設の知識は、きっと役に立ちます。
一人で頑張らないで弟さんと協力しながら、これからもお母さまを見守ってあげてください。
それが全てだと思います。

この回答が、少しでも参考になれば幸いです。
今回はご相談くださって、ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

佐藤 まゆみ

1957年生まれのシニア世代。 自身の豊富な人生経験を生かした、自分らしく生きていくためのサポートが好評を得る。 得意ジャンルは、対人関係・自己啓発・恋愛。 “何かを始めるのに遅すぎることはない”の言葉通り、いくつになっても新しい人生を切り開いていけることを、身をもって実践している。