幸せのリーダーシップ

私には二人の娘がいます。
上の娘は、頭脳明晰・運動神経抜群のお笑いキャラの子で、下の娘は、口数の少ないとても大人しい発達障害の子です。

お姉ちゃんは、なんでも直ぐに出来るようになりますが、妹の方は、どれだけ練習してもなかなか身に付きません。歩くのも、ごはんを自分で食べられるようになるのも、勉強も、運動も全てにおいてそうでした。

お姉ちゃんが大学受験で国立大学に合格をした時です。
お姉ちゃんは飛び上がって喜んでいました。
でもその傍ら、妹は台所の隅で座り込み、「お姉ちゃんは頭が良くていいな。なんで私はこんなに頭が悪いんだ。」と言って泣いていました。

その姿を見た私は、ついお姉ちゃんに、「もう少し、大人しく喜んでもらえない?〇〇ちゃんがお姉ちゃんいいな。私ばっかりなんで…。って泣いちゃってるの。」と言ってしまったのです。
ですが、お姉ちゃんは、「なんで喜んじゃいけないの?私は嫌!嬉しいときは全力で喜びたい!」と言って大騒ぎをして喜びました。
私は、台所で泣いている妹に寄り添い、お姉ちゃんの大学合格を一緒に大騒ぎして喜んであげることが出来ませんでした。

翌年、今度は下の娘が高校受験になりました。ずっと、特別支援学級に通っていたので、普通校に行くか特別支援学校に行くかで、まずは悩みました。
小中学とずっと友だちも出来ず、イジメられることもあった学校生活。
高校生活は楽しい時間を送ってほしい。
そんな気持ちでいっぱいでした。

そして、特別支援学校の高等部へ進むことにしました。
娘が進学を決めた特別支援学校の高等部は、普通コースと産業技術コースというのがあり、娘は倍率の高い産業技術コースを受験することにしました。
筆記試験・実技試験・面接。しっかり受験対策をしないと受からないところでした。
娘は俄然やる気です。
「絶対に合格したい!」という気持ちが凄く伝わってきましたし、今までにないほど勉強や面接の練習に取り組みました。
受験当日は、親も一緒に学校へ行き控室で一日中試験が終るのを待つのですが、試験の合間合間に見る娘の顔は、とても落ち着いて見えました。

そして、見事“合格”。
その時の、下の娘の喜ぶ姿が今でも目に焼き付いています。
『お姉ちゃんのようになりたい』
そんな思いが娘を頑張らせたのだと思います。

心理学でいう『リーダーシップ』とは、まさに上の娘の姿だと思います。
リーダーシップは一般的には、自分が犠牲になり我慢して自分のことは後回しにして、誰かのために働いたり助けたりするイメージのように思います。

ですが、心理学のリーダーシップは、誰かのためにまず自分を大切にする。ということなのです。
その活き活きとした生き方が周りの人のビジョン・目標となるからです。

そして、お姉ちゃんはいつも妹を応援していました。
補助輪なしの自転車に乗る練習も、春休みの2週間を全部使って、付きっ切りで教え、乗れるようになしました。
こういう姿もリーダーシップと言えるのではないでしょうか。
『妹も絶対に出来るようになる!』と信じ続け、励まし応援し続けてくれたお姉ちゃんに本当に感謝のしようもありません。

私は昔、「自分だけ幸せになるのは、みんなに申し訳ない。」という考えがありました。
だから、テストの点数がいいときでも、スポーツで記録を出したときでも、「全然大したことないよ〜」といって自分の心の中だけで喜んで、喜びを外へ表現してきませんでしたし、みんなと一緒に喜びを共有することも少なかったように思います。

ですが、娘たちの姿を見て、喜びを表現し幸せな姿を見せることで、誰かの目標になることができるのだと知りました。

幸せになることに遠慮はいりません。
あなたを大切に思う人たちは、あなたの幸せを願っています。
そして、あなたが幸せになることで、勇気づけられる人たちがいます。

是非、みなさんにも遠慮せず幸せになって、『幸せのリーダーシップ』を取っていってもらえたらと思います。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

平島愛深

自己肯定・自己実現、対人関係(家族、子育て、職場)、離婚問題を得意とする。 離婚を経験する中、病気(リウマチ)を克服し、2人の娘(下の子は発達障害)を育てあげる。 「誰にも話せなかったことが何故だか自然と話すことができた」「どんなことでも受け止めてくれる」と圧倒的受容感に定評がある。