心を楽にするための自分ルール改訂

心を苦しくするのが自分が作ったルールなら、自分で変えられる!

人の心には自分なりに作った決めごとがあります。ここでは、それらを自分ルールと呼び、どんな自分ルールがあるのかを効果的に導き出すための5つの質問を用意しました。質問に答えて、自分の考え方のクセ・感じ方のクセに気づきましょう。自分ルールを今の自分に必要なものに改訂したら、心がラクになるでしょう。

***

人は過去の経験に基づいて、たくさんの自分ルールをもっています。それらは、かつて役立つものとして生まれてきました。しかし、古くなった自分ルールを持ち続けていると、かえって自分を縛るルールになってしまいます。心が苦しいなら、自分ルールの改訂をするといいでしょう。

●自分ルールに気づく

まずは、自分がどんな自分ルールを持っているのかに気づく必要があります。これは、ジャンルの設定をして行うことをお勧めします。人は数万単位の自分ルールを持っています。恋愛・人間関係・親子関係など、改善したいジャンルを設定することで、そのジャンルの自分ルールに気がつきやすくなります。

下記の質問に沿って、自分ルールを書き出してみましょう。

 

(1)「~するべき」「~しなければならない」と思っていることは?

これは自分に課した義務・規則を見つける質問です。例えば、「SNSは漏らさずチェックしなければならない」「LINEの返信はすぐするべき」「空気を読まなければならない」と思っていたとします。そのこと自体は悪いことではありません。

しかし、これらを規則として持っていると、SNSをチェックできなかった自分をダメだと思ってしまったり、LINEの返信をしてこない人や空気を読まない人に腹を立てたり、自分を苦しくすることがあります。

 

(2)「~してはいけない」と思っていること

これは自分への禁止を見つける質問です。例えば、「調子にのってはいけない(嫌われるから)」「楽しんではいけない(嫉妬されるから)」「本音を言ってはいけない」「女性からプロポーズしてはいけない」など。これらは、かつての失敗体験や慣習などから導き出された自分ルールが多いようです。

すべての場面で「調子にのってOK」とするのはうまくいかないかもしれませんが、TPOによって使い分けられるように自分ルールを改訂するだけでも、緊張やがまんが減らせるでしょう。

 

(3)「どうせ~できない」と思っていること

これは自分への制限を見つける質問です。例えば、「カラフルな服は自分に似合わない」「子供をちゃんと育てられない」「稼げない」など。何らかの理由でそう思い込まざるを得なかったのだと思います。

子供のゾウが杭につながれると、自分で杭を外すことはできません。そして、「杭は外せないもの」と思い込んだゾウは、大人になっても杭を外そうとはしなくなります。ゾウの話なら、「やればできるのに」と思うでしょう。同じように「自分には無理」と思い込んでいたことがないか考えてみましょう。物理的にできないことはありますが、気持ちの面で自分を制限しているのなら、その制限を外してみましょう。

 

(4)「~であるべき」と思っていること

これは期待・理想を見つける質問です。例えば、「母親は子供に優しくあるべき」「男性は強くあるべき」「これくらいのことはできて当然」「社会人ならちゃんとするべき」など。これらを理想として「~できたらいいな」と思う努力目標にしているのなら問題ありません。

しかし、これらの期待と完璧主義が結びつくと、期待通りでない人に対してイライラしやすくなります。そして、それ以上に期待通りでない自分が許せなくなります。自分を責めて苦しくなってしまうなら、自分自身への期待をゆるめてみるといいかもしれません。

 

(5)「きっと~に違いない」と思っていること

これは判断・決めつけを見つける質問です。例えば、「きっと邪魔が入るに違いない」「きっと嫉妬される」「きっと自分から離れていく」「きっと嫌われる」など。

仮に「きっと嫌われる」と思い込んでいると、新しく出会った人を「どうせ私を嫌うでしょう」という目で見ることになります。逆の立場になって「あなたは私を嫌う」という目で見られたとしたら、見られた人は敵意を感じ取るでしょう。そうすると、好意的な態度はとりにくいでしょう。結果、やっぱり私は嫌われると感じる悪循環になります。

「きっと~に違いない」は、もし本当にそうなったとしてもショックを受けないように、心を守るために身につけた防衛的な考え方です。また、人の記憶は危機的状況や不快な記憶を残しやすい性質があります。「きっと~に違いない」を「もしかしたら~かもしれないけれど、今回は違うかもしれない」くらいにゆるめられると、自分の思い込みが影響して起こることを変えやすくなるでしょう。

 

●自分ルールの改訂

自分の考え方のクセ・感じ方のクセが見つかったら、その中の不要な自分ルールを廃止していきましょう。あるいは、「~できたらいい」「なるべく~しない」など、達成基準をゆるめてみることも有効です。

質問に沿って書き出した自分ルールを、今の自分にとって必要な言葉に書き換えていきましょう。

例えば、「きっと嫌われるに違いない」が「私を嫌う人もいるけれど、大切に思ってくれる人もいる」に書き換わったら、心はずいぶん楽になるでしょう。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大塚 統子

自己嫌悪セラピスト。心理学ワークショップ講師(東京・仙台) 「自分が嫌い」「自分はダメ」「私は愛されない」などの自己否定、ネガティブな感情・思考をリニューアルし、自信や才能・希望へと変換していく職人。生きづらい人の心が楽になる気づきや癒しを提供。テレビ・Web記事の取材にも多数協力。