明るい方へ

ひとりが好きっていうことはあっても、ほんとにひとりで生きることって、私たちには、むずかしいものです。

食べることだって、電気だって、ゴミ出しだって、誰かの手間や、技術や、優しさなくしては、できないことばかりです。
人里離れた山奥で、仙人のような暮らし・・をしたとしても。

仙人のような方は極端ですが、「ひとりで生きていきたい」と固く誓っている方は、人間関係でうまくいかなかったことがあって、もうこりごりだと思っていらっしゃることが多いようです。

超自立的な人には、大きなハートブレイク、傷ついた経験があることが多いのです。

あんな辛く悲しい思いは、もうごめんだと、人からなるべく離れて生きようとします。
関わらないように、関わらないようにするんですね。

そうやって、人とのつながりを持たないようにしていると、人との間のいざこざは、避けられるので、束の間、安堵されることでしょう。

ああ、このたった一人の場所は、なんて楽で、安心できて、心休まるんだろう!

でも、このやり方は、うまくいかなかった体験を、そのまま保存してしまうことにもなります。
そんなつもりはないけれど、辛い体験とその痛みを、大事に大事にしてしまうのです。

もちろん大事に扱うことは、悪いことではありません。
一人になる時間をたっぷりあげることが必要なのは、間違いありません。

しかし、その体験を大切にするあまり、辛いものを辛いままにして、変えないようにしてしまうこともあります。

新しい人、新しい出来事、なんの変化もやってこない場所では、過去の出来事に上書きをすることができません。

時間が、傷を癒すということはあるでしょう。
それさえも、辛い経験を心に留め、何度も思い出してしまうことで、よりリアルにしてしまい、記憶が薄らいでいくことや、気持ちが落ち着いていく、新しい良い体験をしていくといったプロセスを阻むことがあります。

一番、遠ざけておきたい体験が、心の中に、リアルにそのまま心の中に残り続けるんですね。

今は、一人で居るし、誰にも傷つけられないし、自分が誰かを傷つけることもない、そんな場所にいるけれど、誰かとの間にある痛みは、誰かとの関わりの中でしか癒されないといわれるのは、このことなんです。

新しい良い体験による、上書きが必要なのですね。

私たちは誰も、「人と最悪の関係で居たい」なんて思っていません。
でも、「最悪の関係になってしまうんじゃないか」という不安は持っています。

過去に、そういった辛い経験があれば、なおさらです。
それでも、けして「人と最悪の関係で居たい」とは思っていないものです。心の奥ではみんな「人とは、良い関係でありたい」と思っているのではないでしょうか。

なのに、心の中では、こんなふうになっているようです。
 

『 最悪の関係になるんじゃないか > 良い関係でありたい 』
 

希望よりも不安が大きくなるんですね。
すると、バランスはどちらに傾くかといえば、良くないほうへ重心が寄ってしまうということが起こります。

でも、不安なだけの時点では、悪い関係ではないのです。
人との関係は、創っていくものなんですよね。だから、まだとちゅう。

重心を、良いほうへ、希望のほうへ移動させてみましょう。
 

『 最悪の関係になるんじゃないか < 良い関係でありたい 』
 

不安があってもかまいません。
むりむり〜って思ってもかまわないのです。
 

「それでも、私は、良い関係でありたい。」
 

そう何度も、何度も、思い出して、呟いてみましょう。
明るい方へ向き直りましょう。

あなたの重心が、全てのバランスを取っているようです。

お役に立てれば嬉しいです。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

池尾 千里

「自分らしく自分の人生を生きることに、もっとこだわってもいい。好きなことをもっとたくさんして、もっと幸せになっていい。」 そんな想いから恋愛・夫婦関係などのパートナーシッップを始め、職場、ママ友などの人間関係、子育てに関する問題など、経験に基づいたカウンセリングを提供している。