豊かさを見つけよう

ある日テレビをつけると、お昼のバラエティ番組をやっていて、お寿司の握り方を教えている最中でした。
それは外国人観光客にレクチャーして、自分で握ってもらい食べるというのを、店側が紹介している番組でした。
それを見て、握り方は上手く説明出来ないのですが、お寿司の握り方って本当に繊細なんだな、こんなに手間暇かかってるんだなと思いました。

こんなふうに手間暇かけてもらう、という体験と、その手間暇に対して敬意を払う、という体験、
その循環が「豊さ」というものかもしれないと、ふと思ったのです。

これは自分を大切にしてもらう、大切にしてもらったことに感謝するともいえると思います。
それは、お店の人にとっては、またいいものを作りたいというモチベーションになり、お客さんにとってはまた食べに行きたいという思いになる。
でも、そういう場に赴く機会が減ってきたのかもしれないなと思ったんです。

私が子供の頃は、回転寿司なんてまだ近所にありませんでした。
お寿司といえば「回らないお寿司屋さん」で、何か大きな行事だったり家族が揃ったときなど、やはり特別な時に行っていたと思います。

私は回転寿司が大好きです。回転寿司が出来たことで、敷居の高かったお寿司屋さんが身近なものになったと思うので、
それもある意味価値のあることかなと思います。

お腹が空き過ぎて早く食べたい!なんて時には待たなくて済むし、遠慮なく沢山食べられるので、本当に有り難い存在です。
安いことは有り難いです。家計も助かります。なので、安いことは決して悪いとは思わないんだけど。

そういえば、最近周囲でも同じようなドラッグストアが何軒も増え、安すぎないか?と思う値段でお野菜がチラシに掲載されることがありました。
農家の方が頑張って作ってこられたお野菜を、こんなに安く売っていいの?と思ったことがありました。

家計のやりくりのため、スーパーのチラシを見比べて買い物することは以前からやっていますが、さすがにどうなんだろう?
安いのは助かるんだけど、ついつい安さばかりに目が向いてしまうことで、大事なことを忘れてる…ことにすら気付いてないのでは?
削ってきたのは安さだけだろうか。

…と色々考えてるうちにふと気づいたのです。安さばかりに目を向けていたのは自分自身ではないかと。

「なんでこんなに高いんだろう?」
「もう少し安かったら買うのに。」
「ブランドものだからこんなに高いの?」

というように、高いものにケチをつけていたのは私の方だ。
高いという理由で嫌っていたのではないか。そりゃ手に入らないはずだとオチがつきました。

じゃあ高額を支払って贅沢をすることがいいのかとか、高けりゃいいのかということでもないと思うのです。
人それぞれ価値観というのは違うので、これという基準はないのですが、
安さにばかり目を向けるのではなく、ときには、自分の心がニコッと反応する選択をして、
「ああ美味しかったなぁ」「ああ楽しかったなぁ」と感じることに意識を向けることも必要ではないかと改めて思ったのです。

思い返せば私は、
「本当はあの服が欲しいけど、高いからやめておこう。」と、そうやって選んでおいて、
やっぱりあの服のほうがよかったと、不満を感じながら我慢する、そんなことが多かったなと思います。
「私にはもったいない」「あんな服着ていくところもないし」というように、
自分の素直な気持ちに蓋をして、自分に言い聞かせてたなって。

ちょこっとでも豊かさを感じることを自分に取り入れていく。
それもまた自分を大切にすることになり、余裕になり、楽になることに繋がっていくと思います。

なんて言っておきながら、じゃあ「回らないお寿司屋さん」に今から行けるかというと、やはり躊躇してしまいます。
今の自分にとって無理なく受け取れるところから始めようと思います。実はもう目星をつけています。
最近、いつも素通りしていた場所に手打ちそばの店があったことを偶然知ったので、今度行ってみたいと思います。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

前田 薫

対人関係、自分を好きになれない、人の目が気になる等の自己の問題。 母娘関係、家族関係などが得意である。親との関係や対人関係などで悩んだ 自身の経験から学んだことを活かし、感覚的で一緒に考え提案していくスタイルが得意である。母性的で柔らかい雰囲気のカウンセリングには定評がある。