失恋の処方箋(1)~気持ちに蓋をせずに外に流すこと~

つらい気持ちに蓋をしないこと

失恋した時につらい気持ちになることがあるかと思います。
失恋を乗り越えようとする時は、そのつらい気持ちに蓋をしないでください。
蓋をすることは一時的に見ないようにしている処置であって、その感情が消化されてなくなるわけではないのです。その為、なんらかの拍子に蓋をした気持ちが漏れ出てきてしまうことがあります。
蓋をするのではなく人に話をして気持ちを外に流していってください。新たな気持ちになっていけますから。

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失恋を乗り越えるべくカウンセリングにお越し下さるケースということが多々あります。

・心の平和を手に入れる前の恋愛の思いを乗り越える。
・失恋で傷ついた自己肯定感を回復する。
・新しい恋愛ができる心の準備の為に失恋した思いを癒す。

などなど、色んな思いを持たれてカウンセリングにお越しくださいます。
その思いを援助できるようにカウンセリングでお手伝いさせてもらっています。

今回のシリーズは、そんな失恋を乗り越えるお手伝いになればと思い、失恋を乗り越えるヒントについて書かせていただきたいと思います。

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恋の終わりはつらい気持ちを伴うことが多いです。

突然のお別れ、話し合った末のお別れ、もめにもめた後のお別れ、告白したけどお断りという終わり、告白する前に振られる、などなど色んな形の恋の終わりがありますが、どれもつらい気持ちを伴うことが多いです。

悲しみ、さみしさ、怒り、恨み辛み、惨めさ、後悔などなどネガティブな感情を伴ったりします。
そんな時はつらいですよね。

普段は嫌な事があっても気持ちがそんなに落ち込んでしまうことがないような人や、落ち込んでも明くる日には気持ちの切り替えができるような人も、失恋の時は気持ちが落ち込んでしまったり、落ちてしまったままいつものモードに戻れなかったりすることもあります。

それだけ失恋というのは大きな痛みを伴う出来事ということがわかります。

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失恋を乗り越えるべく、湧き出てくる悲しい気持ち、さみしい気持ち、怒り、恨みつらみ、みじめさ、後悔などの気持ちを封印しようと頑張る方がいらっしゃいます。

「いつまでも悲しんでいちゃダメだ。もう忘れなきゃ」

と、湧き出てくる気持ちに、無理矢理蓋をして、その蓋におもしを乗せて封印し、目を背けて、見ないように頑張るんです。

でも、その感情は無くなっただけではなく蓋をして、封印し、見ないようにしているので、気が緩んだ何らかの拍子に漏れ出てきちゃうんです。

そして失恋の痛みで心が揺れ動くのです。

こんな時は蓋をしないでください。
心に生じてしまったネガティブな感情を蓋をして、閉じ込めて、溜めてしまうのではなく、出して外に流してしまうことがいるのです。

心に溜めずに、心から出してしまうことがいるのです。

湧き出てくる悲しい気持ち、寂しい気持ち、怒り、恨みつらみ、みじめさ、後悔など誰かに話をして受け止めてもらってください。そして感情を外に流していくのです。

ネガティブな気持ちがわき出てこなくなるまで、どんどん外に流していってください。
ためないことを心がけてください。
ネガティブな感情を外にリリースして心の中を浄化していくのです。

そうやって感情を外にどんどん流していくと、心にネガティブな感情が溜まっていない状態を作れていき、心が軽くなっていきます。
そうやっていくことで心の健康、心の安定を取り戻していけますから。

 

●見解を聞くのではなく感情を受け止めてもらいましょう

カウンセリングで失恋の話を聞かせてもらった時に「このお話を誰かに聞いてもらったことありますか?」と尋ねさせてもらうことがあります。

「友だちに聞いてもらっていますけど、なかなか気持ちの整理ができなくて・・・」

そのような話を聞かしてもらうことがあります。

しかし、お話を聞かしてもらっていると、失恋のことを友達に話してはいるのですが、失恋に伴う気持ちはほとんど話していないということがわかることがあります。

・どんな形でお別れしていたのか
・自分が思う相手の心理状況の見解を話す
・それに対しての意見をもらう
・聞いてくれた人の見解を貰う(「結婚したら苦労するタイプだったから別れてよかったんじゃないの」というような相談してくれた人の見解など)、
・失恋を乗り越えるための相手からのアドバイスを貰う

等々のやりとりはお話の中でやっているものの、気持ちを表現するという事はあまりやっていないっていうことがわかることがあります。

相談した人からの見解をもらうことも失恋を乗り越えるために役立つことだと思います。
アドバイスをもらうことも大切です。

でも、それらは思考的なことなのです。

もう出てきてしまった気持ちを処理するには、思考で処理をしようとするのではなく、出てきてしまって心に渦巻いている気持ちを表現していくことが気持ちの整理の早道なのです。

話すことで気持ちを外に流していったり、時には涙に流したりするのです。

そうすることで感情が浄化されていきますから。

だから、誰かに話す時は感情表現してくださいね。

感情を表現するときに泣くことに抵抗がある人もいると思います。

だけど辛いときは泣いていいんだと思います。
思いっきり泣きましょう。
ただ、1人で泣かずに、誰かに受け止めてもらってくださいね。

抱えている気持ちを外に流して、流して、いっぱい流して浄化をしていきましょう。
そうしていくことで、新しい気持ちで明日を迎えられるようになっていきますから。

>>>『失恋の処方箋(2)~思いを心に残さずに全部だしてしまう~』へ続く

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。