「女性」が怖いんです(1)〜女性性のパワーを受け取りませんか?〜

「大人の女性が怖いんです」

というご相談を、男女に関わらず、よくいただきます。私たち哺乳類にとって「お母さん」は、やはり特別な存在。一つの身体を共有した記憶は、無意識レベルで残っていて、母の絶大なる影響力からなかなか抜け出せないから、「自分らしく生きる」ことが大きなテーマになるのでしょう。母性を中核とした〈女性性〉はとてもパワフルです。〈女性性〉を怖がらずに受け取ることで、自分の影響力を効果的に使えるようになりたいと思いませんか?

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こんにちは。
カウンセリングサービスのみずがきひろみです。

カウンセリングの現場で、私がよくいただくご相談に、「大人の女性が怖いんです」というお悩みがあります。実は、このお悩み、女性、男性両方からいただくご相談なのです。

女性のお客さまは、お母さま、お姑さん、会社のお局さまとの関係性の悩みとして、あるいは、パートナーとの浮気やセックスレスの問題に向き合われて、ご自身が女性として成熟する必要を感じてご相談にいらっしゃるケースが多いです。

男性のお客さまは、大概、パートナーシップの問題(パートナーができない、三角関係のもつれ、セックスレス)でいらっしゃいますが、キャリアの行き詰まりを同時に感じておられます。男性の場合は、こうした問題の根っこに、母子癒着の問題が隠れている、ということに気づかずに来談されますが、話しているうちに、ご自身が母親の言葉や評価をものすごく気にしていたのだと気づいてびっくりされるケースが大半です。

「お母さん」の影響力って絶大ですよね。

よく「自分らしく生きたい」と言いますけれど、わざわざ「自分らしく」と思わなければならないというのは、どうしても「影響」されてしまう「自分」がいるから。大人になった今でこそ、「気になる」のは、「流行」のような一般的なものかもしれませんし、「お友達」や「彼氏」「彼女」、「上司」かもしれませんけれど、もともとは、一番身近にいて、一番嫌われたら困る、「お母さん」だったのではないでしょうか。あまり認めたくないかもしれませんが、母性を核とした〈女性性〉には、それだけ大きな影響力があります。

「お母さん」が、なぜそんなに絶大な力があるかと言えば、生命を受け取り、守り、慈しみ、育む力を引き受けた強さがあるからで、そこに、どこか逆らい難いものを、男女を問わず、「子供」ゴコロは感じるからではないでしょうか。

〈女性性〉と言うときは、この〈女性〉的な要素を指していて、それは、女性はもちろん、男性の中にもあります。特に、日本は、母系社会なので、男性であっても、リーダーとして成功を収めるためには、豊かな〈女性性〉をもっていて、それを使える必要がある、と言われています。実際、政治の世界でも、ビジネスの世界でも、パワフルなリーダーシップを発揮している人ほど、女性性が豊かです。人の才能を産み育てあげるために、どうしても必要なエネルギーだからでしょう。

〈女性性〉のパワーが大きいにもかかわらず、いえ、大きいからこそ、かもしれませんが、私たちは、「お母さん」を、必ずしも「尊敬」をもって愛してこなかったのではないでしょうか。

〈女性性〉のパワーに呑み込まれて、抗いきれない怖さや、そのパワーに包み込まれる恥ずかしさから、つい遠ざけたり、いちいち反抗し、軽んじたりはしていませんか。

でも、そうすればそうするほど、自分の中にある〈女性性〉のパワーからも逃げ続けることになります。

私たちは、一番、頭を下げなければならない相手を、悪し様にしてきた罪悪感が重石になって、パートナーと向き合えずに親密感をもてない、セックスレス、三角関係、お金の問題などなど、大人として幸せに生きるために欲しい、対等な人間関係や絆、リーダーシップ、直感的な創造性を持てずにいます。そんな投影を引き戻して、そろそろ本当に自由になりませんか。

女性の皆さんは、ご自身が「女性」であることを幸せだと感じておられますか?ご自身の中にある〈女性性〉のパワーの大きさを自覚していらっしゃいますか?すごく大きいんですよ、あなたの影響力。ご存知でしたか?社会的弱者として、犠牲になるのではなく、あなたの中にある影響力に気づけたら、できることの多さにびっくりするのではないかしら。

男性の皆さんは、自分の中にある〈女性性〉のパワーを「自分のもの」とすることで、ご自身の男性性が育つのを感じられるはずです。子供として母親に抱いてきた未完了の不満や怒りを許して、卒業するためには〈女性性〉のエネルギーが必要です。〈女性性〉の引き受ける強さが身につくと、男性性の推進力に加えて、「頼り甲斐」ともいえる「安心感」や「大きさ」が出てきます。

現代人の多くが苦手に感じる〈女性性〉のパワーについて、もっと知っていただき、自分の中の〈女性性〉をもっと開きたい、受け取りたい、と思う人が増えてくださると、とても嬉しいです。

>>>『「女性」が怖いんです(2)〜インドの青鬼と鬼子母神と母性の業〜』へ続く

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