「女性」が怖いんです(3)~現代の男性の自立の難しさ~

あなたの中にある「大きな愛」にもつながること

「グレートマザー」に呑み込まれそうで怖い、と母性を手強く感じたのは、今も昔も同じで、「母」から自立するためには、自分の「子供」が一旦死んで、「大人」として生まれ変わるくらいの怖さと対峙する勇気が必要だと言います。決断と勇気という男性性を使って癒著を切る、というやり方もありますが、自分をコントロールしようとする母にとことん近づいて、分離の悲しみと寂しさ、怖さに触れることで母を「許す」というアプローチもあります。これは、女性性を使う道で、あなたの中にある「大きな愛」にもつながることができます。

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こんにちは。
カウンセリングサービスのみずがきひろみです。

「女性」を「怖い」と感じてしまうのは、母性のパワー(影響力)のネガティブサイドに圧倒されそうになるからです。このネガティブなパワーのことを心理学では、「呑み込む母」、「グレートマザー」などと呼びます。これを「怖い」と感じるのは、古今東西変わりはないみたいで、そんなパワフルな「母性」から自立は、たくさんの童話や民話の主題になっています。

「白雪姫」は少女が大人の女性に成長するためには、母親の毒(セクシャリティ)を呑み込み、少女が死ぬことを受け入れなければならないことを描いています。

男性の自立のプロセスを描いたグリム童話「鉄のハンス」の中では、王子は、城を出る(自立の道を歩み始める)ための「鍵」は、母である王妃の枕元から盗まなければなりません。

どちらも、自立しようとすると、大きな「恐れ」と直面するよ、と教えてくれています。

それはそうですよね。これまで自分を養い、育て、守ってきてくれたものを、邪魔なものとして否定するのですから、ものすごい罪悪感が上がってきます。そんな自分はどれほどの罰に値するだろう、と思うとすごく恐ろしいです。

動物は、子供が成長すると親の方が子供を遠ざけますが、人間は、子供の方が反抗期を使って親から離れますので、その罪悪感も「子供」が担います。

恐いから、なるべく先延ばしにしたい、という気持ちにもなります。女性は、生理があるので、身体が「もう子供ではない」と強くアピールしますし、自分自身が同じ「母親」になることで、否が応でも、「母性」と向き合い、受け入れることになりますが、男性は、どこまでいっても「母」の「子」ですから、「母」の影響力から自分を解放するきっかけを見つけにくいようです。

だから、なのでしょうか。昔から、世界中に様々な「成人の儀式」があって、その覚悟を、「社会的に」促そうとしたのでしょう。バンジージャンプもその一つです。「少年」が死んで「大人の男性」になることを、本人も、「母」も、知るための「仕掛け」なのでしょう。

現代の私たちの生活の中では、このケジメを感じられる機会が、学校の卒業式や入学式くらいしかなくて、男性が「母」の影響力から自分を切り離すことを応援してもらえる場面が少ないです。

核家族化した社会では、母と子が密室で過ごす時間も長くて、母の寂しさを満たす役割を担っていると、どこでそれを切っていいのかもわかりません。

心から自由になれない。どこか「母」の影響力に掴まっているようで、いつもウザいと感じる。そんなジレンマを長く抱えることで、「怒り」を溜め込み、自分の男性性を「いいもの」として表現できない。そして、自分を受け入れてくれない女性を「いいもの」と思えない。だから、女性性も上手に使えない、という「くすぶり」を抱えた男性、そして、こうした男性と同じ悩み方をされている、いわゆる自立系女子に、よくお目にかかります。

女性性は、受け入れて、モノを生み、育てるエネルギーですから、男性が自分の中の女性性とケンカしていると、情や包容力を上手に使えなくて、パートナーシップや、社会的なリーダーシップを取るときに壁にぶつかることが多いです。

もし、「グレートマザー」に呑み込まれそうで、必死に抵抗している自分に気づけたならば、これは真実の女性性を受け取るタイミングに来ている、と思ってみてください。

スパーンと癒着を切る、男性的なやり方もありますが、女性性を使ったアプローチもあります。

それは、『「女性」が怖いんです(2)~インドの青鬼と鬼子母神と母性の業~』でも、ご紹介した母の子供との分離の悲しみを想ってみることです。なぜ、こうも自分をコントロールしようとするのか、その母の思いの強さの奥にある、一つのものが二つに分かれる悲しみ、寂しさ、怖さと同じだけの、ずっと「一つもの」として大切に守りたいという愛に触れられますから。その想いに触れられたとき、どこか懐かしい感じとともに、「許しやすい」と感じていることにきっと気づけます。相手(この場合は「母(性)」)の「大きな愛」を見ることができると、漏れ無く自分の中の「大きな愛」ともつながれる、というご褒美が待っています。

真実の男性(性)を育てようとするならば、自分の中の、慈しみ、育てる、豊かな女性性を開くといいのですが、それは母を許すこと、でもあるのです。

>>>『「女性」が怖いんです(4)~「今」を生き抜くための直感力を養おう!~』へ続く

この記事を書いたカウンセラー

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みずがき ひろみ

感情や感覚といった女性性をフルに使い、心のブロックを外すカウンセリングが得意。「目からウロコが何枚も落ちる」と見方が変わることに定評がある。 深層心理に眠る「願い」を掘り起こす「癒し」を通して、人生の豊かさを受け取りたい人の、恋愛、ビジネスでの自己実現をパワフルにサポートしている。