お互い好きなのに相性が合わない

お互い好きなのに相性が合わない
相談者名
アル
付き合って2ヶ月の彼がいます。
彼40代、私30代です。
いままで付き合った男性の中で、一番自分を出せています。
私のよさを分かってくれます。
でも、よく、「相性が悪いのかな?」と思ってしまうときがあります。
例えば、
・彼はいつも私とベタベタしていたいけど、私は一人になりたいときもある
・ビデオチャット中に、「裸を見たい」と言われるのが嫌。断ると彼がすごく悲しそうにするので罪悪感がわく
・毎日ラインで何時間も話すのがつらい時がある。でも、自分でも無理してるかどうかわからない

自分の気持ちは、なるべく彼に伝えるようにしています。
でも、自分の正直な気持ちを伝えれば伝えるほど、彼は離れていくような気がします。
でも、私が一人の時間を持ちたがることは、彼への愛情とは関係ありません。
ビデオチャットで裸になることを断るのは、彼が嫌いだからではありません。ただその行為が嫌なのです。
たまに私から「そろそろ(ラインを)切るね」と言いますが、それは彼が嫌だからではありません。

でも、彼は、いつもベタベタできる女性と付き合い、結婚したいそうです。
でも、自分は、どんなに頑張っても、そうはなれないと思います。
私は絶対に一人の時間が必要な体質(性格)です。

今日、はっきりとそう彼に伝えたところ、彼のほうから「今日はもうライン切ろうか」と言い、切りました。
このまま彼と別れるのかも知れない、と思いました。
そう思いながら、少しホッとしてる自分がいました。
でも、彼のことはやっぱり好きなんです。

彼の求めているものと、自分の求めているものが、違うだけなのでしょうか。
お互い好きでも、相性が悪ければ別れるしかないのでしょうか?

彼に対して、好きだということは伝えているし、御飯作ってあげたり、自分なりに愛情表現してるつもりなのですが、彼はそれだけでは寂しいのでしょうか?

彼と私がうまくやっていくためには、どうしたらいいですか?
簡単に別れないで、やれるだけのことはやりたいんです。

カウンセラー
小倉健太郎
はじめまして。
担当をさせて頂きます、小倉健太郎と申します。

「どうして彼は、うんと年上のなのに私に甘えてばっかりなの?付き合う前は、もっと頼りがいがあって、大人な男性だと思ったのに。」

もしかしたらアルさんは、そんな心境になってしまっているのかもしれませんね。
なんにせよ、お付き合いしてみたところ、今の彼は、アルさんにとって受け入れがたい事をたくさんしてくる訳です。

「光と影」「水と油」そして、「男と女」
この世には、相対する2つの要素ってありますよね。

絶対に混ざり合わないと思われた2人。ちょうど、今のアルさんと彼のような、お互いに相反しているような2人が交じりあうところに、男女関係の神秘と面白さがあるのかもしれません。

アルさんのようなお悩み、男女関係では比較的当たり前のように起こり得る話だと思います。
そもそも、男と女というのは、お互いに持っていないもの(要素)を求め合う事がきっかけになる場合が多いと思います。
例えば、落ち着いていてしっかり者の彼が惹かれるのは、ちょっとおっちょこちょいだけど、明るくて元気いっぱいな彼女だったりとか。
なので、そのお互いの”違い”というものが、惹かれあう要素にもなれば、時として理解しあえずに喧嘩の種にもなってしまうようです。
つまり、アルさんの抱えている問題は、惹かれあった男女であれば、非常に起こりやすい問題と言ってもいいかもしれません。
難しい場面ではありますが、アルさんのおっしゃるとおり、どう乗り越えるかを考えていくかが大事ですね。
それでは、私も一緒に考えてきますね。どうぞ、よろしくお願いいたします。

アルさんの文章を読ませて頂きますと、彼の要求に応えるか、断るかというような、二者択一、白か黒かの問題になってしまっているような部分があるような気がします。

例えば、彼がいつもベタベタしたいと言う事に関して、その通りにするとアルさんが嫌な気分になってしまうようですが、その要求を断ると、彼のほうから「今日はもうライン切ろうか」という感じで何もなくなってしまう。
じゃあ、2人が満足できるような、他の方法というのは本当に無いのでしょうか?

「合わせ味噌」ってありますよね?
例えば、中部(赤味噌)の方と関東(白味噌)の方が結婚して、みそ汁に赤味噌を使うか、白味噌を使うかでもめたとします。
そんな時、どうしてもお互いに折れないのであれば、「合わせ味噌」にして解決できれば、夫婦仲も高まるというもの。
アルさんの問題も、そんな「合わせ味噌」を作るような形で解決出来たらなと思うんです。

じゃあ、アルさんんと彼が、そんな合わせ味噌のような状況になるにはどうしたらいいのか?
私からの回答としては、「あと1か月待ってみませんか?」です。

もしかしたらアルさんは、「具体的な解決策を求めているのに、その回答が『待つ』というのはどういうこと?ただ待ってみて、何が変わるの?」なんて思われたかもしれません。
では、どうしてあと1か月待ってほしいと言ったのか、その根拠を説明致しますね。

心理学を学んでいますと、男女関係は「依存」と「自立」という立場から始まる事が多いと言われています。
この「依存」「自立」というのは、端的に言うと、「依存」は甘える人、「自立」は甘えられる(頼られる)人とお考えください。
つまり、彼は今「依存」の立場、アルさんが「自立」の立場にいる訳です。

そして、この「依存」立場にいる人は、「ロマンス」と言って、アルさんに対してロマンチックな雰囲気をたくさん感じます。
今、彼はアルさんに対して、ときめきの気持ちで一杯なんだと思います。
そうすると、今の彼みたいに、四六時中一緒にいたいとか、ベタベタしたいとか、アルさんを独り占めしたいとか、思ったりする訳です。

けれども、このロマンスの時期というのは、いつまでも続く訳ではなく、だいたい3か月ぐらいしか続かないのが普通だと言われています。
なので、アルさんは、彼と付き合って2か月という事なので、もう1か月くらいすれば、今よりはぐっと冷静になるのではないかと思いました。

ただ、冷めたら冷めたで、今度はお互いの価値観などの”違い”が許せなくて喧嘩が多くなりがちになってしまったり、それはそれで問題はたくさんでてくるでしょう。
けれども、ロマンスの時期が終わり、多くのカップルがその後にやってくると言われる喧嘩の時期(これを心理学でパワーストラグルと言います。)も乗り越え、倦怠期(これを心理学でデッドゾーンと言います。)も乗り越えると、今度は「相互依存」と呼ばれる、今よりももっと大きなロマンスの時期がやってくると言われています。
この時期こそが、最初にお伝えした「合わせ味噌」の状態になるという事です。

先はまだちょっと長いかもしれません。
でも、アルさん自身が「簡単に別れないで、やれるだけのことはやりたいんです。」と意思を持ってくださっている訳ですし(この考えは、私も大賛成です。)、あと1か月待ってあげてもらえませんか?

そしてもしも可能であれば、今、彼の要求にできるだけでいいので(本当に出来るだけでいいので)応えてあげるといいと思いますよ。(無理は禁物!全部応える必要はありません。あくまでも、出来るだけ、無理しない範囲でいいと思います。)

彼が今、アルさんに対して、どうして今のような態度なのかというと、それは、彼がロマンスの時期だというのもありますが、男の人と言うのは、一般的に子供時代に甘えられなかった人が多いと思います。そうすると、子供時代に甘えられなかった分、その思いは、恋人との間で解消しようとする場合が多いです。なので、彼の今の態度は、「あぁ、小さいころ本当はお母さんにしてもらいたかったのに、出来なかったことを今私に求めているのかなぁ。」と考えると、少しは受け止めやすくなるかもしれません。

そして、今の時期に彼の要求に出来るだけ応えてあげて、彼を喜ばせてあげると、これから先、喧嘩をしてしまったり、倦怠になってしまっても、彼が今のロマンスの時期を振り返った時に、「あの時は、たくさん甘えさせてもらったからな。」と、仲直りのきっかけになったりもします。

今の彼、歳は40代なのに、アルさんの前では、本当にお子様のようですね。
アルさんが、一番自分を出せていいるとおっしゃって下さったように、彼自身も、アルさん前でだからこそ、自分を出せているのかもしれません。
でも、彼もいつまでもこのままでは無いと思いますので、それはご安心くださいね。
ロマンスの時期が終わるまで、もうしばらく辛抱してもらえたらなと思います。

苦しい時期を乗り越えて、最高の二人と言えるような、最高に気の合ったパートナーになれることをお祈りしていますね。
そして、アルさんと彼なら、きっとそうなれると思いますよ!
ご相談、本当にありがとうございました。

小倉健太郎

この記事を書いたカウンセラー